マラソン大会に向けたウォーターローディングの方法

更新日: 著者:RUNNAL編集部

マラソンを始めスポーツ業界で注目の水分補給方法となっている、ウォーターローディングについて紹介させていただきます。ウォーターローディングを実践することで得られる効果や、ウォーターローディングを成功させるための実践方法について紹介しています。大会に向けてウォーターローディングを実践してみたいという人は是非参考にしてみてください。

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ウォーターローディングとは

ウォーターローディングとは、今スポーツ業界で注目されている水分補給方法です。マラソン、陸上、サッカー、野球といった様々なスポーツでウォーターローディングが注目されています。マラソンでは、レースまでの一定期間に、体内にグリコーゲン(糖)を蓄える「カーボローディング」が有名です。ウォーターローディングとは、レースまでの一定期間、体を常に水で満たしておこうというもの。そうすることで、本番で水分不足によるパフォーマンスの低下を防ぐ効果が期待出来ます。このウォーターローディングは、順天堂大学助教授の高岡氏が提唱。マラソン業界では、レース前にカーボローディング同様にウォーターローディングを取り入れるのが主流となっています。

参照元:ウォーターローディングとは|KIRIN

ウォーターローディングの効果

運動時のパフォーマンスの低下を防ぐ

ウォーターローディングを実践することで、運動時のパフォーマンスの低下を防ぐことが出来ます。運動中、発汗によって体内の水分を失うと、運動パフォーマンスに大きな影響を与えます。私たちの体はおよそ60~70%が水分で出来ています。その体内の水分量の約2%を失ってしまうと、運動能力が低下すると言われています。体内の水分量の2%を失った時の症状は「喉の渇き」。つまり、喉の渇きを感じた時、まさに体内の水分量の2%が失われており、運動パフォーマンスが低下してしまっているということです。

ウォーターローディングは、大会前から意識的・積極的に水分を摂るようにし、体を常に水で満たしておくことで、大会当日の脱水症状を予防する効果が期待出来ます。ウォーターローディングでレース中に体内の水分量の2%を超える水分量を失ってしまうのを抑えることで、レース中のパフォーマンスの低下を防ぐ効果が期待出来るというわけです。

疲労回復を早める

ウォーターローディングは大会に向けたコンディショニングにもおすすめ。ウォーターローディングを実践することで、大会に向けて疲労回復を早め良いコンディションで本番を迎えることが出来ます。

疲労回復には水分が大切。身体の水分が不足すると、血液の巡りが悪くなり脂肪をエネルギーとして代謝させる能力が低下します。それによって運動後の疲労回復力が低下します。ウォーターローディングによって、しっかり水分を摂ることで、血液の巡りが良くなり、血液に乗って栄養や酸素が体の各所に運ばれ、老廃物が排出され、疲労が回復していきます。そのため、ウォーターローディングを取り入れることは、大会本番に向けて体のコンディションを整えていくという点でも効果が期待出来るのです。

ウォーターローディングの方法

水は”中硬水”がおすすめ

ウォーターローディングを実践するなら、中硬水のミネラルウォーターがおすすめ。ミネラルウォーターには文字通りミネラルが含まれています。マラソンを始め、運動では汗によって体内の水分とともにミネラルも失います。そのため、ウォーターローディングではミネラルも同時に補給出来るミネラルウォーターがおすすめ。

また、ミネラルウォーターには軟水と硬水があります。WTO(世界保健機関)の定める基準に沿うと、硬度120mg未満が軟水、硬度120mg以上が硬水。硬度はマグネシウムとカルシウムの含有量によって決められます。マグネシウムとカルシウムが多いのが硬水。硬水はミネラルが豊富で代謝を促進することからダイエットに人気。反対にマグネシウムとカルシウムが少ないのが軟水です。軟水は普段私たちに馴染み深い水で、水道水の水や多くの人が飲用しているミネラルウォーターが軟水です。硬水の場合、利尿作用があり一部のミネラルを体外に排出してしまうことや、軟水の場合、ミネラルが少ないということから、ウォーターローディングにはその間の中硬水がおすすめと言われています。硬度300ぐらいの中硬水を選びましょう。

飲む量は“1日1~1.5ℓ”を目安に

ウォーターローディングは、本番1週間前から1日1~1.5ℓを目安に水を飲みます。私たちは普段、1日約2.3ℓの水を排出しています。2.3ℓと聞いて、「そんなに出しているわけない」と思う方も多いでしょう。私たちが失う水分は、汗や尿だけではありません。汗ではなくとも皮膚や呼吸を通じて水分を失っているんです。それが不感蒸泄というもので1日約1ℓの水分を排出しています。そして尿・便で約1.3ℓです。1日2.3ℓの水を失っているため、体を水で満たした状態にするためにも1日2.3ℓを摂る必要があります。

もちろん2.3ℓすべてを水として飲む必要はありません。私たちは普段の食事から0.6ℓ、食べ物を分解しエネルギーを得る際に発生する代謝水として0.2ℓを摂取しています。そのため、2.3ℓから0.8ℓを差し引いた1.5ℓの水を摂る必要があります。

飲み過ぎに注意!1回あたり“150~250ml”を目安に

ウォーターローディングでは意識的に水を摂るようにしますが、飲み過ぎに注意しましょう。水分を摂取する量が、排泄する量を上回ってしまうと、水中毒(低ナトリウム血症)になってしまうこともあります。これは水の過剰摂取によって血液中のナトリウム濃度が低下して、頭痛や吐き気、嘔吐といった症状を引き起こすものです。重度の症状になると痙攣や意識障害を引き起こすこともあります。水中毒にならないためにも、ウォーターローディングを実践する場合は飲み過ぎには注意しておきましょう。

そこで注意したいのが、1回あたりに飲む量です。1回あたりに飲む量はコップ1杯(150~250ml)が目安です。1回あたりに水を吸収することが出来る量は約250ml。それを超えると内臓に負担がかかるため、1回に飲む量は250ml未満にすることが大切です。水は一気に飲むのではなく、1日何回にも分けてこまめに摂るようにしましょう。

飲むタイミングは”喉が渇く前”。渇いてからでは遅い。

ウォーターローディングを実践する場合も、普段水分補給をする場合も大切なことは、喉が渇く前に水分補給することです。喉の渇きは、既に体内の水分量が2%低下してしまった時にやってきます。つまり、喉の渇きを感じた時には脱水気味。喉の渇きを感じる前に、意識的に水分補給をするように心がけましょう。喉の渇きを感じる前に飲むためには、こまめに水分を飲むことを意識することが大切です。一気に水分をまとめて飲もうとすると、水分補給は喉が渇いてからになりがち。こまめに摂ることを意識していれば、喉が渇く前に自然と水分補給出来るようになります。

また、タイミングとしては「起床後」、「運動中」、「入浴中」、「就寝前」に意識的に摂るようにすると良いでしょう。起床後は、就寝中に不感排泄で水分を失い血液がドロドロした状態になってしまう。目を覚ましたらまず水分補給をするようにしてみましょう。また、運動をする場合は運動前・運動中・運動後とこまめに水分を摂りましょう。入浴中も汗をかき体内の水分を失うため入浴中或いは入浴後に摂ると良いでしょう。就寝前に、水を摂ることも大切。寝ている間に汗をかき体内のミネラル濃度が高くなってしまい血液がドロドロしてしまうのを防ぐためにも就寝前にも水を意識して摂りましょう。このように、1日6~8回といった具合に、こまめに水分補給をしておくことで、ウォーターローディングの効果を上手く実感出来るようになります。

    RUNNAL編集部

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