高地トレーニングで得られる5つの効果

マラソンや陸上競技のトレーニングとして人気の高地トレーニングについて紹介させていただきます。高地トレーニングで得られる効果について紹介しているので、高地トレーニングが気になっている方は是非参考にしてみてください。

高地トレーニングとは

高地トレーニングとは、酸素の薄い高地で練習をすることで心肺機能を向上させ、平地でのパフォーマンスアップを目的とするトレーニング方法です。日本人選手では2000年シドニーオリンピックの女子マラソン金メダリストである高橋尚子さん、2004年アテネオリンピックの女子マラソン金メダリストである野口みずきさんが高地トレーニングとして、標高1,655mにあるアメリカ合衆国コロラド州ボルドーでオリンピック前にトレーニングをしていたことが良く知られています。また、他にも多くのマラソン選手、陸上選手が標高の高い高地で合宿を実施し練習の一環に高地トレーニングを導入しています。

今では定番となった高地トレーニングが、注目を浴びるようになったきっかけは、1960年ローマオリンピックです。この年のオリンピックで男子マラソン金メダルを獲得したのが、標高2,000m前後の高地にあるエチオピア代表のアベベ・ビキラ選手。アベベ・ビキラ選手は当時世界最高記録となる2時間15分16秒のタイムをたたき出し見事優勝。このことがきっかけで高地民族のランナーに注目が集まり、高地でトレーニングする高地トレーニングの研究が多く行われるようになりました。

高地トレーニングで得られる効果

効果1、赤血球増加

高地トレーニングの研究によって赤血球が増加することが分かっています。赤血球は血液中の血液細胞の一種で、呼吸によって取り入れた酸素を全身に運ぶ役割を果たします。有酸素運動は呼吸によって取り入れた酸素を使って運動エネルギーを作りだすため、赤血球が増えることで酸素の取り込みが効率的になれば運動パフォーマンスに良い影響を与えます。

効果2、ヘモグロビン増加

赤血球中の赤色素であるヘモグロビンは、肺で酸素と結合し、体内の各器官へ酸素を運搬する役割を果たします。このヘモグロビンも、体へ酸素を効率よく巡らせ、エネルギーを生み出す際に重要となるもの。そのため、血液中のヘモグロビン量もマラソンを始め持久系スポーツに大きな影響を与えます。このヘモグロビンも、赤血球同様に高地トレーニングによって増加することが分かっています。

国内初の高地トレーニング研究である霧ヶ峰高原研究では、長距離選手25名が標高1,600mで1カ月トレーニングしたところ、赤血球とともにヘモグロビンの増加が見られました。また、それによって平地でのパフォーマンスの向上が見られるという研究結果が出ています。

効果3、最大酸素摂取量増加

マラソン、陸上中長距離ランナーの能力を示す重要指標“最大酸素摂取量(VO2max)”。最大酸素摂取量は1分間あたり体内に取り込むことが出来る酸素量のことで、この数値が高いほど優秀なランナーと判断出来ます。酸素は運動エネルギーを生み出すために欠かせないもの。体内への酸素の取り込み量が増えれば、その分効率よくエネルギーを多く生み出すことが出来るため、持久系スポーツのパフォーマンスに大きな影響を与えます。

高地トレーニング研究(メキシコシティ研究)では、陸上・水泳22選手が標高2,300mで3週間トレーニングしたところ、最大酸素摂取量の増加が見られたという研究結果が出ています。それとともに赤血球、ヘモグロビンの増加も見られました。

効果4、ミトコンドリア活性化

高地トレーニングを実施して、酸素の取り込む能力が増えることで、ミトコンドリアを活性化させることが出来ます。ミトコンドリアはエネルギーの生産工場と言われ、酸素を活用しエネルギーを作り出す役割をはたしています。ミトコンドリアへの酸素の供給量が増えれば、それだけミトコンドリアを働かせ活性化させることが出来るため、スポーツパフォーマンスの向上や疲労軽減、アンチエイジング、脂肪燃焼といった効果が期待出来ると言われています。

効果5、夏の暑さ対策

高地トレーニングは心肺機能強化だけではなく、夏の暑さ対策にもおすすめです。高地は平地よりも気温が下がるため、夏でも涼しい環境でトレーニングに打ち込むことが出来ます。標高が1000m上がると気温は約6.5℃下がると言われています。標高2,000mの高地なら平地よりも約13.0℃低い環境でトレーニングすることが出来ます。高地トレーニングは、暑い夏の時期でも走るのに最適な涼しい環境で負荷の高いトレーニングが出来るため、夏のトレーニングにおすすめです。

RUNNAL編集部

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