ランニングで起こりやすいスポーツ性貧血の症状と対策

陸上長距離やマラソンといった長時間のランニングによって起こりやすいスポーツ性貧血とは何か。その気になる症状と対策をまとめて紹介させていただきます。

スポーツ性貧血とは

出典:http://coachparry.com/much-rest-required-running-marathon/

スポーツ性貧血とは、運動によって血中の赤血球の数またはヘモグロビン濃度が低下した状態のことです。スポーツ性貧血は、長居距離を走る陸上長距離、マラソン、トライアスロン、ジャンプを繰り返すバレーボール、バスケットボール、身体をぶつける剣道といったスポーツをしている人に起こりやすい貧血です。

鉄欠乏性貧血

スポーツ性貧血の中で最も多いのが鉄欠乏性貧血です。ヘモグロビンは鉄分とタンパク質で構成されています。このヘモグロビンを構成する材料が不足して起こるのが鉄欠乏性貧血です。

特に夏場のランニングは多くの汗をかきます。汗には微量ながらも鉄分が含まれています。汗とともに鉄分を失っているため、汗をかきやすい夏場は特に鉄欠乏性貧血に注意が必要です。

溶血性貧血

鉄欠乏性貧血に次いで多いのが溶血性貧血です。溶血性貧血とは、運動による足裏への衝撃によって赤血球が変化し、壊れやすいなることで起こる貧血です。

長い距離を走る、ジャンプを繰り返すといった足裏への衝撃が強いスポーツほど溶血性貧血を発症しやすくなります。ランニングは足裏に衝撃が加わるスポーツのため、溶血性貧血を起こしやすいスポーツの代表例です。

希釈性貧血

希釈性貧血とは、運動によって一時的に起こる貧血の症状です。運動をすると、身体の各所に酸素を届けるため、酸素運搬を担う血液の量が増えます。その際に血液中の血漿が多くなり、一時的にヘモグロビンの割合は少なくなります。この時に一時的に起こるのが希釈性貧血です。貧血のような症状が出ますが、これは一時的なものです。

スポーツ性貧血の症状

出典:https://liv3ly.com/article/details/5+Bad+Running+Habits+You+Need+to+Avoid

スポーツ性貧血の症状は主に、疲れやすい、倦怠感、食欲不振、頭痛、動悸、耳鳴り、息切れ、無月経、顔面蒼白、氷を好んで食べるといったものが見られます。ヘモグロビン濃度が少し下がった程度では無症状のことも多いのですが、ヘモグロビン濃度がそれなりに下がると症状が顕著に出てくるようになります。

特に日常的にスポーツをしている人の場合、パフォーマンスの低下を大きく実感します。ランニングをしている人の場合、持久力の低下、タイムの伸び悩みなどを感じやすいです。

スポーツ性貧血になると、赤血球の数または血中のヘモグロビン濃度が低下します。運動の際のエネルギーを作り出すためには酸素が必要です。てtヘモグロビンが全身に酸素が届くことで、体内のブドウ糖がエネルギーとして燃焼され、スタミナのある走りが出来ます。

しかし、スポーツ性貧血によってヘモグロビン濃度が低下していると、効率的に酸素を全身に届けることが出来なくなります。その結果、持久力の低下を始めとするパフォーマンスの低下が現れるようになります。

スポーツ性貧血の対策

鉄分を摂ること

貧血の場合は鉄分を摂ることが大切です。下記に厚生労働省から発表されている「日本人の食事摂取基準(2015年度版)」をもとに推奨量と耐用上限量を記載しているので、1日の摂取量の参考にしましょう。女性の場合は月経が有る場合、男性よりも多くの鉄分が必要となるため、月経の際はより多く鉄分を多く摂ることを意識しましょう。

また、下記はあくまでも一般の人の推奨量です。スポーツ性貧血になりやすい競技を行っている人の場合、通常よりも1.5~2倍の鉄分を摂るようにすることが大切だと言われています。15~17歳の男子高校生であれば、一般的には9.5mgが目標となりますが、陸上長距離走をしている場合、14~19mgが目標となります。ただ、鉄分は摂り過ぎると内臓に負担がかかるため、1日の耐用上限量は超えないようにすることも大切です。

性別男性女性
年齢推奨量耐用上限量推奨量
(月経無)
推奨量
(月経有)
耐用上限量
8-98.0358.535
10-1110.03510.014.035
12-1411.55010.014.050
15-179.5507.010.540
18-297.0506.010.540
30-497.5556.510.540
50-697.5506.510.540
70-7.0506.040

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吸収率が良く身体にやさしいヘム鉄を意識的に摂るようにしよう

鉄分には肉や魚といった動物性食品に含まれるヘム鉄と野菜や大豆といった植物性食品に含まれる非ヘム鉄があります。この二つには吸収率に大きな差があります。

非ヘム鉄は腸管から吸収される際に食物繊維やタンニンなどの影響を受けるため吸収しにくい鉄分です。一方、ヘム鉄は食物繊維やタンニンなどの影響を受けにくいので吸収されやすい鉄分です。ヘム鉄は非ヘム鉄よりも、約5~6倍ほど吸収率が高いと言われています。

鉄分を効率的に摂るならヘム鉄がおすすめです。ヘム鉄は豚レバー、鶏レバー、牛レバー、牛もも肉、しじみ、あさり、かつお、まぐろ、ぶり、さんまといった動物性食品に多く含まれています。一方、非ヘム鉄はほうれん草、小松菜、ひじき、大豆といった植物性食品に多く含まれています。

非ヘム鉄を摂る場合はビタミンCと動物性タンパク質を一緒に摂ろう

鉄分を効率的に摂るならヘム鉄を多く含む動物性食品がおすすめですが、動物性食品ばかりでは栄養のバランスが悪くなってしまいます。そのため、野菜や大豆といった植物性食品に含まれる非ヘム鉄を効率的に摂取するための方法を知っておくことも大切です。

非ヘム鉄はビタミンCや動物性タンパク質と一緒に摂取することによって吸収を促進することが出来ます。調理をする際には、非ヘム鉄を含む食材とビタミンCを含む食材を一緒に調理すると効果的に鉄分を摂取出来るようになります。また、食後にビタミンCが多い果物をデザートとして食べるのも効果的です。

鉄分を摂る場合はタンニンを同時に摂らないようにする

鉄分はタンニンによって吸収が阻害されます。特に非ヘム鉄の場合はタンニンによる影響が大きく、タンニンを一緒に摂取してしまうと、せっかく吸収されるはずの鉄分も吸収されなくなってしまいます。

タンニンは緑茶、紅茶、コーヒーといったものに多く含まれています。鉄分を摂ることを意識している場合は、これらを食事と一緒に摂らないようにしましょう。

クッション性の高いシューズや中敷きを使用する

スポーツ性貧血への対策としては、シューズを見直すことも大切です。長い距離を走るようなランニングの場合、足裏の衝撃によって赤血球が壊れやすくなり貧血が起こります。赤血球は毎日新しく作られていますが、消費する量が作る量よりも多くなりと貧血を起こします。

そのため、出来るだけ足裏への衝撃を和らげ、赤血球が消費される量を減らすことが大切です。足裏への衝撃は履いているランニングシューズや中敷きを見直すことで改善することが出来ます。出来るだけクッション性の高いシューズや中敷きを使用することによって衝撃を和らげることが出来れば、貧血の対策に効果的です。

RUNNAL編集部

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