クラウチングスタートのやり方

短距離走はスタートが大事!クラウチングスタートの正しいやり方とコツ

更新日: 著者:RUNNAL編集部

陸上短距離走のスタート方法であるクラウチングスタート。短距離走にとってスタートダッシュは非常に重要ですが、スタブロを使ったクラウチングスタートは意外と難しい。スタートが得意な人はスタブロの使い方に慣れている人が多いですが、スタートが苦手という人は上手くスタブロを使いこなせていないことが多い。

この記事では中学校や高校で100m・200m・400mといった短距離走に取り組む選手のために、スターティングブロックを使ったクラウチングスタートの正しいやり方について紹介させていただきます。初心者が気になるスタブロの位置や角度の調整についても紹介しているので、是非参考にしてみてください。

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短距離走はスタートダッシュが重要

スタブロを使ってスタートする短距離選手

短距離走はスタートダッシュが重要です。特に10秒前後で勝負が決する100m走ではスタートの良し悪しがそのままレース結果を決めると言っても過言ではありません。

短距離走はスタート後、加速曲面(スタート~40m)、トップスピード局面(40~60m)、スピード持続局面(60~100m)へと移行していきます。スタートダッシュに成功すると、他の選手より速く加速に乗ることが出来ます。そして一早くトップスピードを迎えることが出来ます。スタートダッシュに失敗すると、トップスピードを迎えるまでに時間がかかってしまい、結果的にフィニッシュラインを駆け抜けるまでの時間が遅くなってしまいます。

短距離走ではいかに速くトップスピードへと乗るか、いかにスムーズに加速することが出来るかが重要で、スタートダッシュが勝負を大きく左右するのです。

短距離走のスタート方法「クラウチングスタート」とは

クラウチングスタートをする選手

陸上短距離走のスタート方法は、「クラウチングスタート」です。日本陸上競技連盟競技規則により、100m・200m・400m・4x100mR・4x400mR種目では、スタートはスターティングブロックを利用したクラウチングスタートでスタートすることがルールとして決まっています。

クラウチングスタートとは、両手を地面につけてかがんだ姿勢から走り出すスタート姿勢のことです。運動会の徒競走や体力テストの50m走などの短距離では、立った姿勢から走り出すスタンディングスタートと呼ばれるスタートをするのが一般的ですが、陸上競技における短距離ではクラウチングスタートが基本。このスタート方法は、全員が公正なスタートを切ることが出来ることと、研究によって素早く加速出来る優位性が認められたことで、陸上競技の短距離走においてスタンダードなスタート方法となったわけです。

クラウチングスタートに欠かせないスタブロの使い方

短距離選手とスタブロ

クラウチングスタートに欠かせない道具が「スターティングブロック(スタブロ)」です。スタブロは、クラウチングスタートの時に足が滑らないようにするための道具。スタート時にはスタブロを強く押す(蹴る)ことで、号砲とともに勢いよく前へと飛び出すことが出来ます。初めてのスタブロの場合、どのように扱えば良いのか分からないことが多いですが、スタブロの使い方は簡単。スタブロを使う時は、走り出しやすいように「位置」と「角度」を合わせるだけです。

スタブロの位置の決め方

スタブロは踏切板と呼ばれる、足を置くための板が左右それぞれ一つずつついているので、その位置を決めます。踏切板の位置は、体格や好みによって、自分が一番走り出しやすい位置に調整すると良いです。目安としては、前足の踏切板はスタートラインから1.5足長、後足の踏切板はスタートラインから2.5足長ぐらいにセットすると良いです。

スタブロの角度の決め方

スタブロの踏切板は角度を調整することが可能です。角度も自身の体格や好みによって調整しますが、目安としては前足は45度、後足はそれよりも一つ角度をつけたものにセットすると良いです。角度や位置はスタブロを使って良く中で、自分に一番しっくりくるものを見つけていくことが大切です。

クラウチングスタートの正しいやり方とコツ

クラウチングスタートの構え

陸上短距離走のクラウチングスタートは、「オンユアマーク(位置について)→セット(用意)→ドン(ピストル音)」という流れになっています。それぞれの箇所で、正しい姿勢を取ることを意識することが、スタートダッシュを成功させるためのコツです。

①「オン・ユア・マーク(位置について)」

クラウチングスタートの位置についての姿勢

クラウチングスタートは、「On your mark(オンユアマーク)」という位置についての合図で始まります。合図とともに、両足をスタブロの踏切板に置くようにかがみ、両手をスタートライン手前に置きます。この時のポイントは、両手を肩幅よりも少し広めにすること。両手の広さが狭いと窮屈になってしまい。また、肩はスタートラインの真上に来るようにしましょう。

②「セット(用意)」

クラウチングスタートの用意の姿勢

「セット(用意)」の合図とともに、スタートの姿勢を取ります。お尻を高く上げて、体重を前へと持っていきます。この時、前足の膝の角度が90度、後足の膝の角度が120度ぐらいになるようにすると良いです。膝が伸びきっているとスタブロを上手く蹴ることが出来ないので、スタートの合図とともに勢いよく踏切板を蹴れるようにすることが大切。

また、背筋が曲がっていると、勢いよく飛び出すことが出来ないので背筋もピンと伸ばすことが大切です。踏切版とスパイクとの間に無駄な隙間があると、踏切板を蹴るまでの間に無駄な時間が生まれるので、足裏全体をスタブロにつけておくことも大切です。そして、あとはピストル音に全神経を集中させます。

③「ドン(ピストル音)」

クラウチングスタートの走り出しの姿勢

スタートの合図であるピストル音がなったら、スタブロを蹴って勢いよく飛び出します。この時に一番注意したいのが飛び出す姿勢です。首元から足首までが一直線になるような姿勢で飛び出すことが重要。そして飛び出す時は真上に跳ぶのではなく、地面に対し45度を目標に飛び出します。そして前足の膝は真っすぐ向いた状態で。そうすることで、スタート時の勢いをそのまま加速へとつなげることが出来ます。

この時、腕も大きく振ることが大切。後ろの手は大きく後ろへ引き、前の手は前へと大きく出し、腕を振る力も爆発的な加速へとつなげていきます。

クラウンチングスタートをマスターして短距離で一番を目指そう

クラウチングスタートをする陸上選手

クラウチングスタートは、スタブロの踏切板の位置や角度の調整に始まり、位置についての姿勢、用意の姿勢、飛び出し時のスタブロの蹴り方、飛び出しの姿勢と難しいことだらけ。特にスタブロを始めて使うという初心者にとって、始めの内はスタンディングスタートよりもクラウチングスタートは「逆に遅くなる」「走りにくい」と感じることも多いでしょう。でも慣れてしまえば、クラウチングスタートは非常に走りやすく、スピードに乗りやすい走り方です。

クラウチングスタートはマスターするまではある程度時間はかかりますが、日々スタブロを使って練習をすることで、きっと自分のものに出来るはずです。クラウチングスタートに慣れてスタートダッシュがうまくなれば、短距離のタイムを大幅に短縮できます。短距離走に取り組む人は、スタートを極めてレースで一着を狙いましょう。

    RUNNAL編集部

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