ランニングによる太ももやふくらはぎの筋肉痛を解消する早期回復法

更新日:  著者:RUNNAL編集部

ランニング初心者が走り始めた頃は筋肉痛に悩むことが多い。特に普段は走ったりしないのに、学校の持久走や行き当たりばったりで参加したマラソン大会などの翌日は高い確率で体の節々が痛みます。

もちろん、この筋肉の痛みは初心者だけではなく、普段から走り慣れている陸上部の人や定期的にマラソン大会に参加している市民ランナーにも起こります。ハーフマラソンやフルマラソンの翌日や、インターバル走やレースペース以上のペース走といったハードな練習をした翌日には初心者同様に太ももやふくらはぎに張りを感じます。

レベル問わず誰しもに起こりうる筋肉痛。走った翌日に筋肉が痛くて歩くのもままにならないといった場合には出来るだけ早く筋肉のケアをしてあげることが大切です。しっかりと対処をすれば痛みも速く消えていき、またすぐに練習を再開することが出来ます。この記事では、ジョギング・ランニング・マラソンで起こる筋肉痛の早期解消法を紹介しています。是非参考にしてみてください。

また、予防方法も紹介しているので、そちらも参考に。

※記事内で紹介している商品を購入した際、売上の一部がRUNNALに還元される場合があります。

筋肉痛とは

そもそも筋肉痛とはなにか。

筋肉痛とは、運動によって起こる筋肉の痛みのことです。運動後すぐに痛みが現れるわけではなく、数時間から翌日以降に現れるのが一般的です。運動から遅れて症状が出てくるため、遅発性筋痛とも呼ばれます。

筋肉痛は慣れない運動をした時に起こりやすいもの。だから、普段めったに走らないような人が急にランニングしたりすると、筋肉痛になりやすいです。

また、普段よりもオーバーペースで走ったりすると、こちらも筋肉痛が起こりやすくなります。

ランニングによる筋肉痛は主に太ももやふくらはぎに顕著に現れます。特に運動習慣のない人が急に走ったりすると、翌日の筋肉痛につながり、階段を下りる時や急な下り坂を歩くときなんかがつらくなります。

走ることで筋肉が痛む原因

 

筋肉痛は乳酸によるものというのは昔の話・・・

乳酸

筋肉痛が起こる原因は「乳酸」が原因だと思っている人も多いです。筋肉痛は疲労物質である乳酸がたまることによって起こるものだと、”昔”は考えられていました。

ただ、この仮説は矛盾点があるため、今現在は間違っている仮設だと言われています。

詳しく説明すると、乳酸が発生するのは運動中です。一方、筋肉痛は運動中ではなく、運動からしばらく経ってから起こります。もし、乳酸が筋肉痛の痛みの原因だったら、筋肉痛は運動中に起こるのが普通です。しかし、筋肉痛は運動中ではなく、しばらく時間をおいてから起こります。

この矛盾している点があるため、現在は乳酸が筋肉痛の原因であるという仮説は、ほとんど無意味なものになっています。

筋線維の修復中に発生する刺激物質が本当の原因

刺激物質

筋肉痛の原因は今もはっきり解明されているわけではありません。ただ、今のところ、筋線維の修復中に発生する刺激物質が筋肉痛の痛みの原因となっていると考えられています。

筋肉は、非常に細い筋線維がいっぱつ束のように集まったものです。つまり、筋線維が筋肉を構成しています。この筋線維がダメージを受けることから、筋肉痛が起こります。

具体的に説明すると、筋線維は運動によって傷つきます。この傷ついた段階では痛みは発生しません。筋線維には痛みを感じる神経はないので。そのため、運動後すぐに痛みを感じることはありません。

筋線維がダメージを受けると、それを修復しようと白血球が集まってきます。白血球が集まることで炎症が起き、刺激物質であるヒスタミン、セロトニン、プロスタグランジンなどの物質が放出されます。この刺激物質が痛みの直接の原因です。

この刺激物質は、運動後すぐに集まってくるわけではなく、ある程度の時間がかかります。そのため、筋肉痛は運動後すぐではなく、ある程度の時間をおいてから痛みという症状が現れるのです。

ランニングで筋肉痛が特に起こりやすい部位

筋肉痛が発生する部位

走った後に起こりやすい筋肉痛は特に太ももとふくらはぎの2箇所。ジョギング初心者の場合は初めて、あるいはかなり久しぶりに運動するため、走った翌日には下半身だけではなく上半身の腹筋、背筋、腕も筋肉痛で全身の筋肉が痛むということもあります。

太もも

ランニングで筋肉痛が起こりやすい代表的な部位の一つが太もも。

太ももには前の筋肉である大腿四頭筋と後ろの筋肉であるハムストリングがあります。太ももの前は、膝を伸ばす役割があり、地面との接地時に衝撃を吸収する働きがあります。特に下り坂でブレーキのような役割を果たすのが大腿四頭筋で下り坂の多いコースを走ると太もも前の筋肉が痛みやすくなります。また、普段の走り方がブレーキをかける走り方になっている人も腿前の筋肉痛が起こりやすいと言われています。

後ろの筋肉であるハムストリングは、膝を曲げるための筋肉。走る時には地面をキックして体を前へと推し進める役割を果たします。腿後ろの筋肉が痛むということはハムストリングを使って良い走り方が出来ているので、腿前に筋肉痛が起こりやすいよりも良い。ただし、ハムストリングは肉離れを起こしやすいため、日ごろからしっかりと鍛えておく必要があります。

ふくらはぎ

太もも同様にふくらはぎも走った翌日に筋肉痛が起こりやすい部位です。

ふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)は腓腹筋とヒラメ筋の2種類あり、腓腹筋はつま先を引き上げる、ヒラメ筋はつま先を下に動かす役割を果たします。走っている最中は、地面をけり出したり、かかとから地面へ着地しつま先を接地したりする中でつま先を引き上げたり、下に動かしたりと頻繁に使っているので、筋肉痛が起こります。

下り坂のランニングは筋肉痛が起こりやすい

ランニングで最も筋肉痛が起こりやすいのは、下り坂のランニングです。下り坂を走るのは、伸縮性収縮運動にあたります。

伸縮性収縮運動とは、筋肉が伸びた状態で、筋肉に負荷がかかる運動のことです。下り坂を走る時は、筋肉が伸びた状態で足の筋肉に負荷がかかっています。筋肉が最もダメージを受けるのは、筋肉が伸びた状態での運動です。そのため、下り坂のランニングは筋肉痛が起こりやすいです。

下り坂だけではなく、ランニング中に階段を下りるという動作も筋肉痛の原因となりやすい伸縮性収縮運動にあたります。

一方、階段を上ったり、上り坂を走るような短縮性収縮運動は伸縮性収縮運動に比べると、筋肉へのダメージは少ないため、筋肉痛はなりにくいと考えられています。

走った翌日の筋肉痛を解消する4つの回復法

血行を改善するために”ぬるま湯での入浴”

5620a3803f45a39394cba9a0f4672776_s-min

ランニングによって太ももやふくらはぎに筋肉痛が起こってしまった場合は、ぬるま湯での入浴がおすすめです。筋肉痛を早く回復させるためには、筋線維を新しく作っていくことが大切です。

筋線維を早く作るには、そのために必要な栄養素と酸素を筋線維に届けてあげる必要があります。その運搬役を担っているのが血液です。つまり、血行を良くすることで、筋線維に栄養素と酸素が届き、筋肉痛の回復が早まるというわけです。

シャワーのみでは体を十分に温めることは出来ません。38℃ぐらいのぬるま湯に20分程ゆっくり浸かることで、体の内側から体を温め、血行を促進することが出来ます。また、血行を促進することによって、筋肉痛の起こっている太ももやふくらはぎの箇所から刺激物質が散って、痛みが軽減されます。

血行が良い状態で”ストレッチ”をしよう

筋肉痛を回復させてあげるためには、筋肉をほぐしてあげることも大切です。そこでストレッチがおすすめ。ストレッチをする場合、体が温まっている状態でするのがベストなので、入浴後のストレッチをおすすめします。

太もものストレッチ

太ももに筋肉痛が見られる場合は、ももの筋肉をほぐすストレッチをしましょう。

①足を伸ばした状態で座る
②片足が外側に来るように膝を曲げる
③かかとがおしりの横に来るように引き寄せる
④曲げている足と反対側に手を付き、対角でストレッチしているようなイメージで筋肉を伸ばす。

ふくらはぎのストレッチ

ふくらはぎに筋肉痛が見られる場合は、ふくらはぎの筋肉をほぐすストレッチをしましょう。

①片足の裏が片方の太ももに当たるように片足を曲げて座る
②伸ばした方の足の指に手をかける
③ふくらはぎをゆっくり伸ばすように手を引っ張る

ストレッチは無理をしてしまうと、逆に筋肉を傷める原因にもなります。無理はせず、ゆっくりと軽く筋肉をいたわってあげるように取り組みましょう。

筋肉を修復する"BCAA"を摂ろう

time-965184_640-min

BCAAとは、分岐鎖アミノ酸と呼ばれ、必須アミノ酸であるバリン、ロイシン、イソロイシンの総称のことです。BCAAは筋肉作りに効果的なアミノ酸で、運動による疲労や筋肉痛の改善に効果が期待出来る栄養素です。

筋肉はタンパク質で出来ています。運動によって筋肉が傷つき、その修復段階で筋肉痛が現れます。筋肉を早く治すために、筋肉作りに必要な栄養素であるタンパク質を摂ることで筋肉痛を早く回復させてあげることが出来ます。

特に、ヒトの筋タンパク質中の必須アミノ酸におけるBCAAの割合は約35%と高く、さらに食物中のタンパク質を構成する必須アミノ酸に占めるBCAAの割合は約50%と高くなっています。

つまり、タンパク質の中でもBCAAを摂ることが、筋肉痛の早期回復に大事なのです。

大塚製薬のHPで紹介されている「BCAAを摂取することによる筋損傷による影響、筋疲労・筋痛への影響」では、BCAAの摂取が、筋損傷を軽減し、筋疲労や筋痛を軽減させる効果があることが実証されています。

BCAAは食べ物で、まぐろ、かつお、さんま、さば、鶏ムネ肉、鶏モモ肉、豚肉、牛肉、牛乳、豆乳、大豆、玄米、白米などに多く含まれています。

血行促進効果がある”ビタミンC"と”ビタミンE”も摂ろう

bell-pepper-569070_640-min

強い抗酸化作用があり、血行を改善する効果がある抗酸化ビタミンであるビタミンCとビタミンEも筋肉痛の回復に大切な栄養素です。

筋肉痛の回復には血行促進が重要で、血行改善効果があるビタミンCとビタミンEが効くのです。

ビタミンCは、野菜ではピーマン、ケール、パセリ、モロヘイヤ、キャベツ、ブロッコリーなど、果物ではレモン、キウイフルーツ、いちご、きんかんなどに多く含まれています。

ビタミンEは、アーモンド、すじこ、いくら、たらこ、モロヘイヤ、うなぎ、かぼちゃ、ピーマン、しそなどに多く含まれています。

筋肉痛を事前に予防する3つの方法

ウォーミングアップで体を慣らす

十分なウォーミングアップもせずに、いきなり走り出しては筋肉の筋線維がダメージを受けやすくなり、筋肉痛が起こりやすくなります。

走る前にはストレッチをして事前に筋肉を伸ばしておくことが大切です。特にランニング中は太もも、ふくらはぎ、足首の筋肉に大きな負荷がかかりますので、太もも、ふくらはぎ、足首を十分にストレッチで慣らしておくことが大切です。

また、急に走り出すよりも、少し歩いて足の筋肉を慣らしておくことも筋肉痛の予防に役に立ちます。特に、最近になってから走ることを始めたような人は、走る前に歩いてウォーミングアップするような習慣を身に着けておくと良いです。

十分な水分補給を欠かせない

運動中は冬場であっても多くの汗をかきます。運動前と運動中、運動後に十分な水分を摂るように心がけましょう。

運動中は汗をかくので、水分を摂らないと血液がドロドロの状態になります。運動によって傷ついた筋肉は血液によって運ばれてくる栄養素と酸素によって修復されていきます。

血液がドロドロの状態では、傷ついた筋肉に十分な栄養素と酸素が届かなくなるため、筋肉の修復が遅れ筋肉痛が起こりやすくなります。運動前・運動中・運動後は必ず十分な水分補給を心がけましょう。

ランニング後はクールダウンをする

走り終わった後は、家ですぐに横になったりしていませんか。走った後は、走る前にウォーミングアップをするように、クールダウンをする必要があります。

走った後に急に止まったり休んだりしていると、毛細血管の血流が悪くなり翌日の筋肉痛につながりやすくなります。それを防ぐためにも、走った後はウォーキングをしてクールダウンをする必要があります。

クールダウンは徐々に動きの負荷を軽くしていくことが大切です。早いペースのランニングから徐々にペースを落としていき、最後はゆっくりとウォーキングして徐々に止まるようなイメージです。

RUNNAL編集部

RUNNAL編集部

走るをもっと楽しく、もっと快適にするためのランニングメディア「RUNNAL(ランナル)」の公式アカウント。ランナルは、健康のために、ダイエットのために、マラソン大会での自己記録更新のために走るすべての人を応援しています。

この記事のキーワード:

Copyright© RUNNAL[ランナル] , 2024 All Rights Reserved.