レペティショントレーニングで得られる3つの効果と正しい練習方法

更新日: 著者:RUNNAL編集部

陸上中長距離やマラソンのタイム向上に効果的なスピード練習の一つ、レペティション(通称レペ)について紹介させていただきます。レペティショントレーニングで得られる効果や正しい練習方法について紹介しています。レペティションが気になる方は是非参考にしてみてください。

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レペティションとは

レペティション(repetition)とは、一定の距離を全力または、全力に近いペースで走るトレーニングです。1本走ると休憩を挟み、また1本走ると休憩を挟むといったように「全力疾走→休息(休憩)」を繰り返す練習です。

レペティションは疾走と休息を繰り返すという点で、インターバル走と似ています。インターバル走も1本走った後は休息を挟み、「疾走→休息」を繰り返します。そのため、レペティションとインターバル走はどういった点で違いがあるのか、疑問に思うランナーも多いのではず。レペティションとインターバル走の大きな違いは、”休息の仕方”です。インターバル走は、不完全休養である「ジョグ」で呼吸を整え疾走へのつなぎを果たしますが、レペティションは完全休養である「休み」を取り、完全に体を回復させてから次の完全疾走へとつなげます。この休息の仕方に大きな違いがあります。

レペティションで得られる3つの効果

効果1、最大スピードを向上出来る

レペティションは全力疾走または全力疾走に近いペースで走ります。インターバル走の場合はレースペースで走ることが多いですが、レペティションはレースペースよりも速いペースで走ります。そのため、レペティションはスピード練習の中でも、スピードを向上させる効果が高いです。

全力に近いペースで走るため、速筋線維を刺激してスピードを出す脚力を鍛えることが出来ます。陸上中長距離種目やマラソンでも、スピードを鍛えることは大事。自分の持っている最大スピードを底上げすることが出来れば、いつも走っているペースの余裕度合が増し、普段のペースを底上げすることができます。また、最大スピードが向上することで、普段の練習の質も上がり、自己記録の向上につながっていきます。

効果2、乳酸耐性が強くなる

ペースを徐々に上げると脚が動かなくなり、つらくなるタイミングがあります。それは運動強度が高くなることで、筋肉にたくさんの乳酸が発生しているためです。乳酸がたくさん発生すると、筋肉の収縮に関わるカルシウムの働きが低下してしまうためです。しかし、同じペースでも走り続けられる人がいるのは、乳酸耐性に違いがあるからです。乳酸耐性が強い人は、弱い人に比べて乳酸がたくさん発生するタイミングが遅いのです。そのため、より速いペースで走り続けることが出来ます。

この乳酸耐性を強くするためには、乳酸がたくさん発生する運動強度の高いトレーニングが効果的。レペティションはインターバル走よりも運動強度が高く、乳酸耐性を強化するのに効果的です。レペティションを練習に取り入れることで、乳酸耐性を強くし、より速いスピードで走り続けることが出来るようになります。

効果3、レース後半のペースダウンを防止できる

レペティションは乳酸耐性を強くするのに効果的な練習です。レース後半になると脚が思うように動かなくなりペースダウンしてしまう人が多いですが、これも乳酸による影響が大きいです。レース後半になると、前半と同じペースでも運動強度が高くなってきます。それによって筋肉でたくさんの乳酸が発生して、足が動かなくなってきます。

乳酸耐性を鍛えることで、こういったレース後半のペースダウンを防止することが出来ます。レース後半の失速が気になるという方はレペティションで乳酸耐性を鍛えてみると良いでしょう。

レペティションの正しい練習方法

距離は300~2000mを目安に

レペティションで取り組む距離は300m、400m、600m、1000m、2000mと様々。フルマラソンやハーフマラソンの場合は1000mや2000mが一般的。5000mは600mや1000m、1500mは300m、400m、600m、800mは300m、400mあたりがおすすめ。

本数は3~10本を目安に

レペティションを行う場合は、疾走距離がレースの距離以下になるように設定しましょう。5000mの場合、1000x5本、600mx7本といったように疾走距離が5000m以下になるように設定することが大切です。1500mなら300x5本、400x3本といったように、フルマラソンやハーフマラソンなら1000x3~5本ぐらいを目安にすると良いでしょう。

レペティションは1本1本のペースが後半になってから落ちないようにしましょう。量を意識して1本1本の質が落ちてしまうとレペティションの練習効果が落ちてしまいます。初めてレペティションに取り組むなら、最初は少な目の本数を意識して取り組むと良いです。

ペースは基本的に全力疾走

レペティションは最大スピードを底上げすることが目的。そのため、1本1本を全力を走ることが基本です。インターバル走の場合は、レースペースで走りますが、レペティションはレースペースよりも速いペースです。インターバル走はレペティションよりも休息時間が短く、完全な休養を取るわけではありません。一方、レペティションは疲労を完全に回復させてから次の1本を走ります。そのため、1本1本を全力で走ることが出来ます。

また、イーブンペースで走ることが大切です。1000mのレペティションに取り組む場合、前半の500mを飛ばし、後半の500mで失速するという走り方はNGです。最初の500mから後半の500mもイーブンペースで走り切ることが出来る、全力で走ることが大切です。もちろん、1本1本の質を確保するためにも、タイムはしっかり図りましょう。

休憩時間は15~20分が目安

レペティションの休憩時間は15分~20分が目安です。レペティションの休憩時間は、体を完全に回復させて、リフレッシュした状態で次の1本を迎えるための時間です。そのため、短すぎると完全に体が回復せず、1本1本の質が落ちてしまうため十分な時間を確保することが大切です。

また、完全休養とは言っても、15分間座り込んで休んでしまうと、逆に脚の回復が遅くなってしまうこともあります。適度に軽い運動をした方が血流が良くなり、脚の早期回復につながります。そのため、座り込んで休憩するよりも、適度に歩いたり軽くジョギングしたりする方が効果的です。

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