サブ4を達成するための練習方法

サブ4達成のための練習・トレーニング方法【フルマラソン4時間切り】

更新日: 著者:RUNNAL編集部

マラソンを走る市民ランナーの大きな目標となるのが、フルマラソンでのサブ4(サブフォー)の達成です。フルマラソン完走時間4時間切りは、初級者から中級者へのステップアップの目安となるタイムです。実際のフルマラソン大会でも、参加ランナーのうちサブ4以下のタイムで走れるのは30%程度と難易度は高めです。元陸上部の中長距離選手や、自転車やトライアスロンなどの持久系スポーツの経験者でもない限りは、まともな練習無しにフルマラソンでサブ4を達成するのは困難です。

ただし、社会人になってから陸上未経験でランニングを始めた市民ランナーでも、練習を積み重ねればサブ4は十分に達成可能な目標タイムです。今回の記事では、フルマラソンでのサブ4達成を実現するための練習メニューを紹介しています。フルマラソンを4時間以内のタイムで走り切るためにはどんなトレーニングをしたら良いのか、どんなペース設定で走ったら良いのか、大会本番へ向けての練習の進め方に迷っているという人は是非参考にしてみてください。

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サブ4とは

サブ4とは

フルマラソンの「サブ4(サブフォー)」とは、42.195kmのフルマラソン大会を4時間以内のタイムで完走することです。一般的に3時間30分00秒から3時間59分59秒の完走タイムがサブ4となります。サブ4達成は比較的難易度の高い完走タイムであり、マラソン中級者の仲間入りの目安となるタイムであることもあり、男女問わず多くの市民ランナーが目標とするタイムです。これからランニングやマラソンを始める人も、いつの日かのサブ4達成を目標とすると良いです。

サブ4達成の難易度

サブ4の難易度

フルマラソンのサブ4の達成はなかなか難易度が高いです。マラソンを走るランナーの内、4時間未満でゴールを駆け抜けることが出来るランナーの割合は、男性の場合は30%、女性の場合は僅かに10%程度です。フルマラソン大会で参加者3万人(男性2万人、女性1万人)と仮定した場合、サブ4以上を達成できるのは計7,000人(男性6,000人、女性1,000人)のみです。残りの2万3千人のランナーは4時間を超えるタイムということです。

このデータを見ると、「サブ4達成はハードルが高く、自分には難しい...」と弱気になるランナーも多いのですが、そんなことはありません。世間一般に広く受け入られているスポーツイベントのフルマラソン大会には、しっかりと練習に励んだランナーだけではなく、思い出作りでなんとなく参加しているランナーも多数います。そのためにサブ4の達成割合は低めとなっているだけなので、大会本番へ計画的に練習を積み重ねていくことでサブ4は十分に達成可能です。

サブ4達成のペース

サブ4のペース

サブ4はキロ当たり5分41秒ペースで走り続けることでギリギリ4時間を切れるタイムです。そのため、サブ4を目指して走る上で「5分40秒ペース」を目安に走るランナーも多いですが、それだと実際のフルマラソンでは4時間切りを達成することは難しいです。最初から最後まで一定ペースで走り続けられるのが理想ですが、本番ではスタートの混雑で走り出しのラップが遅くなったり、途中でトイレに行ったり、給水所やエイドで飲食をしたり、アップダウンでペースが乱れてしまったりとペース配分に狂いが生じます。

そのため、「5分30秒ペース」で走るのがおすすめ。5分30秒ペースであれば、完走時間は「3時間52分04秒」と8分近くの余裕が生まれるので、本番でペースがくるっても多少のゆとりが持てます。また、フルマラソンでは前半に比べて後半にかけてペースが緩やかに落ちていってしまうポジティブスプリット型のペース配分が一般的。5分30秒ペースであれば、前半で多少の貯金を作ることが出来るので、後半にペースが落ちてしまっても、その落ち込みを前半の貯金でカバーすることが可能です。日々の練習でも、大会本番の目標ペースである5分30秒を強く意識しておきましょう。

サブ4達成のための練習・トレーニング方法

サブ4達成の練習方法

  • スタミナ強化
  • スピード持久力強化
  • スピード強化
  • 疲労抜き
  • 実践練習

サブ4を達成するためには、単純に長い距離を走る、速いペースで走るだけではなく、それぞれ効果の違う練習をバランスよく組み入れて取り組むのが効果的です。特に、過去のフルマラソンで何度かサブ4挑戦に失敗してしまっているランナーは自分の苦手な分野(スタミナorスピード)を意識して強化することで、サブ4達成がグッと近づきます。もちろん、普段の本練習だけではなく、疲労を抜くための練習、実践的な練習も大切です。

スタミナ強化

サブ4の練習法①

サブ4を目指す上で一番重視してほしいのが「スタミナ強化」です。フルマラソンを5分40秒というペースで走り続けるためには、下半身の筋肉に高い筋持久力が求められます。ハーフマラソンではサブ4を射程圏内に捉えたタイムを出せているのに、フルマラソンで4時間を切れないというランナーは圧倒的にスタミナ不足。特に市民ランナーの場合はスタミナ不足の人が圧倒的に多いので、足を長く動かし続ける練習を重点的に取り入れることでサブ4達成が近づいて行きます。

120~150分LSD(キロ7分~7分30秒)

42.195kmを最後まで足が止まることなく、走り切るためにはLSDが欠かせない。LSDはゆっくりと長い時間をかけて走る練習で、足を長く動かし続ける筋持久力を鍛えるのに効果的。フルマラソンで中間地点を過ぎてから、或いは30km過ぎから急に足が重くなってペースダウンしてしまうのは、下半身の筋持久力が弱いため。そんな場合は120~150分のLSDに重点的に取り組みたい。何度もフルマラソンを走っているランナーなら180分(3時間)LSDに取り組んでみても良いし、初めてフルを走るランナーなら120分ぐらいでも良い。

20km距離走(キロ6分~6分30秒)

LSD同様に距離走も筋持久力強化に効果的な練習。サブ4を目指して走るなら、キロ6分~6分30秒ペースを目安に20km走に取り組みたい。20kmを6分ぐらいのペースで楽に走れるようになったら、サブ4を達成できる可能性が高い。また、フルマラソンの距離走では25kmや30km走も勧められることがあるが、基本的には体への負担が大きいので、20kmぐらいまでの距離が丁度良い。

スピード持久力強化

サブ4の練習法②

スタミナ強化とともに積極的に取り組みたいのがスピード持久力の強化。サブ4はそれなりのペースで走り続ける必要があるため、一定のペースで長く走り続ける力を鍛える必要があります。長く走り続けるスタミナ強化の練習と一定のペースで走り続けるスピード持久力強化の練習を一緒に取り組むことで、相乗効果でフルマラソンを速く走る能力を高めていくことが出来ます。

15kmペース走(キロ5分20~30秒)

スピード持久力強化の練習としては、ペース走が効果的。フルマラソンで4時間切りを目指すなら、キロ5分20~30秒のペース設定で15kmペース走に取り組みたい。もちろん最後まで全力を出し切ってではなく、程よく余力を残した状態で走り切る必要があります。もちろん、最初からこのペースで走ることは難しいので、ペース設定を6分、5分50秒と設定し、徐々にペースを高めていくと良いでしょう。スタミナ強化の練習と組み合わせることで、15kmペース走をこなす能力も向上していきます。

15kmビルドアップ走(キロ6分台→4分台)

余裕を持って走れるペースを底上げするのにビルドアップ走が効果的です。ビルドアップ走は徐々にペースを上げていく練習。15kmビルドアップ走の場合、3km間隔で「6:00→5:40→5:20→5:00→4:40」とペースアップして心肺に負荷を与えます。そうすることで心肺機能が高まり、サブ4を走る「5分30秒ペース」がかなり楽に感じるようになります。

スピード強化

サブ4の練習法③

サブ4は基本的にスピード練習は不要と言われています。ただし、スタミナ型のランナーの場合はスピード練習を取り入れることでサブ4達成へとグッと近づくことが出来ます。スタミナ型ランナーは、フルマラソンを最後まで一定ペースで走り切る筋持久力はあるものの、絶対的なスピードが遅い。そのため、5分30~40秒で走るのがきつく感じる。10キロよりもハーフマラソンの方がタイム的に良いなんていうランナーは、スピード強化の練習を取り入れてみましょう。

1000mインターバル走(キロ4分50秒~5分x5本)

フルマラソンを走るランナーのスピード練習と言えば、1000m(1キロ)インターバル走が効果的。インターバル走は心肺機能を鍛えることが出来るので、今まで多少つらく感じたペースでも楽に走れるようになります。スタミナ型のランナーの場合は1kmインターバル走をキロ4分50秒~5分ペースの設定を5本、間の休憩は300~400mのジョギングで取り組んでみましょう。

疲労抜き

サブ4の練習法

フルマラソンの毎日の練習が全て本練習だと練習一つ一つの質が下がってしまいます。マラソンの練習は「速くはるための本練習→疲労を抜くための疲労抜き→速くなるための本練習」の繰り返しです。がむしゃらにペース走やビルドアップ走、インターバル走ばかりを繰り返していても速くなるどころから怪我をしてしまうだけです。

30~60分ジョグ

ペース走やLSD、インターバル走を実施すると疲労が溜まります。その疲労を抱えたまま次の練習に取り組んでも、練習の効果が下がるだけです。そのため、きつい練習をした翌日には疲労を抜くことを目的とした30~60分程度のゆるいジョグを取り入れましょう。このジョグは疲労を抜くことが目的なので、速く走る必要はありませんし、LSDのように極端に遅く走る必要もありません。自分が一番心地よいぐらいのペースで、翌日以降に疲れがとれるようなペースで取り組むことが大切です。

実践練習

サブ4の練習法⑤

本気でサブ4を狙うなら実践練習も取り組みたい。特にランニングサークルに所属していなくて、周りに同じようなペースで走れるようなランナーがいないような場合は積極的に大会に参加して実践練習に取り組みたい。

ハーフマラソン出場

フルマラソンでサブ4を狙うための実践練習としては、ハーフマラソンが最適。ハーフマラソンで自己ベストを狙って走っても良いし、本番のフルマラソンを想定してサブ4を意識したペースで走っても良いでしょう。また、この実践練習をスピードの底上げと捉えるなら、5キロや10キロマラソンにも参加してみると良いです。5キロのタイムや10キロのタイムを向上出来れば、それだけハーフマラソンのタイムを押し上げ、フルマラソンのタイムを押し上げることにつながります。

サブ4達成のための1週間の練習メニュー例【スピードランナー向け&スタミナランナー向け】

サブ4の練習計画例

サブ4を目指すランナーはスピードを得意とするランナー(10キロの方がハーフマラソンのタイムより良い)と、スタミナを得意とするランナー(10キロよりハーフマラソンのタイムが良い)がいます。それぞれの得意なところを伸ばす方法もありますが、サブ4達成でこてづっているなら苦手な能力を再開発するというのが有効。スピードを得意とするランナーならスタミナ重視の練習を、スタミナを得意とするランナーならスピード重視の練習メニューを組むようにすると良いです。

スピードランナー向けの練習メニュー例

例1例2
30~60分ジョグ30~60分ジョグ
15kmペース走
(5分20秒/km)
15kmビルドアップ走
(6:00→5:40→5:20→5:00→4:40/km)
30~60分ジョグ休養
休養休養
30~60分ジョグ30~60分ジョグ
120~150分LSD
(7分/km)
20km距離走
(6分/km)
休養休養

スタミナランナー向けの練習メニュー例

例1例2
30~60分ジョグ30~60分ジョグ
15kmペース走(5分30秒)1kmインターバルx5本(4分50秒~5分)
30~60分ジョグ30~60ジョグ
休養休養
30~60分ジョグ休養
15kmビルドアップ走
(6:10→5:50→5:30→5:10→4:50/km)
20km距離走(6分30秒)
休養休養

サブ4達成を目指して頑張ってみよう

サブ4へ向けて頑張ろう

サブ4達成は1回の挑戦では中々達成は難しいです。マラソン大会で達成できるランナーは上位30%程度なので、簡単に達成できるタイムではありません。しかし、何度かフルマラソンに挑戦しつつ、しっかりと目的を持ってトレーニングに打ち込むことで、ランニング未経験だった人も十分に達成可能なタイムです。走ることが苦手だっと人も何年か走ることを続け、地道にペース走やLSDといった練習に取り組めばサブ4は十分達成出来ます。何度か挑戦してダメだっという人も、いつか努力は報われる日は来るので、諦めずサブ4へ向けて頑張っていきましょう。

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