多くの市民ランナーの目標であるフルマラソンでの4時間切り(サブ4)を達成するためには、日々のマラソントレーニングが大切なのはもちろんのこと、大会本番当日に着用するランニングシューズ選びも非常に重要です。
今回の記事では、フルマラソンで念願のサブ4(サブフォー)を達成したいと強く願う全てのランナーに向けて、アシックスやミズノ、ナイキ、アディダスといった人気メーカーのシューズの中からサブ4用にオススメのマラソンシューズを厳選して紹介しています。さらに、フルマラソンでの4時間以内での完走を達成するためにどんな点に注意してシューズを選んだら良いのか選び方についても紹介しています。初めてのフルマラソン挑戦でサブ4を狙ってみたい人や、悲願のサブ4達成へリベンジを果たしたいという人は是非参考にしてみてください。
フルマラソンでサブ4を達成するためのシューズの選び方
フルマラソン(42.195km)における4時間切り(サブ4)は、全完走者のうちの30%未満と狭き門。さらに、女性の場合は15%未満となるため、日々のトレーニングに真摯に取り組んだ真面目なランナーのみが到達出来る領域です。この領域へと到達すれば、堂々とマラソン中級者を名乗ることが出来ます。そんなサブ4を目指す上では、クッション性・安定性・反発性・軽量性の全ての機能面においてバランスの取れたシューズが必要になってきます。
1、余裕を持ってサブ4ペースで走るための反発性が必要
フルマラソンでサブ4を達成するためのシューズ選びで一番注目して欲しいのが反発性能。ランニングシューズの反発性とは、着地時の衝撃エネルギーを前へと進むための推進力へと変換する機能のこと。この反発性に優れたシューズほど、着地から蹴り出しまでの流れの中でパワーをもらいやすく楽にスピードを出すことが出来ます。
フルマラソンで4時間を切るためには、1kmあたり5分20秒〜5分40秒ペースで走り続ける必要があります。シューズの反発性能が高いと、余力を持ってサブ4ペースで走ることが出来るため、レース中盤〜終盤へ体力を温存することが出来ます。さらに、疲れてきたレース終盤もシューズの反発力が大きな支えとなるはずです。
優れた反発性を発揮してくれる機能としては、ナイキのZoom Airバッグテクノロジーや、アディダスのLIGHTSTRIKE PROテクノロジー、ホカオネオネのPROFLYテクノロジーなどがあります。サブ4を目指すならこれらの高反発テクノロジーを搭載したシューズを選んでみるのがオススメです。
2、レース後半での失速を防ぐためにクッション性も重要
フルマラソンで4時間以内でのゴールを目指すなら、クッション性も欠かせません。ランニングシューズのクッション性とは、柔らかいミッドソール素材が硬いアスファルト上での着地衝撃を和らげ足への負担を軽減してくれる機能のことです。
クッション性が高いとその分だけシューズの重量が重くなり、スピードを出しにくいというデメリットもあるため、サブ4を目指すランナーには初心者ランナー向けのハイクッションモデルほどのクッション性は必要ありません。ただし、サブ4はあくまでも中級者レベルなので、サブ3を目指すランナーのように反発性能に全振りしたようなクッション性の低いシューズもNGです。クッション性が低いシューズを履いて走ると、足への負担が大きくなり、30km過ぎなどの終盤に足が動かなくなり大失速する可能性があります。そのため、反発性だけではなく十分なクッション性も必要です。
サブ4用シューズを選ぶなら、ミズノのMIZUNO ENERZYやアディダスのLIGHTSTRIKE PRO、ブルックスのBIoMoGo DNAのように高い反発性とともに優れたクッショニングも提供してくれるミッドソールを採用したシューズがオススメです。
3、エネルギーロスを最小限にするための安定性も欠かせない
42.195kmを平均5分40秒ペースで走り続ける必要があるサブ4を達成するためには、足元の安定性も重要です。ランニングシューズの安定性とは、着地から蹴り出しまでの流れの中で足元がぐらつくのを抑え軸がブレないようにサポートする機能のことです。
足元の安定性が低いと怪我のリスクがあるのはもちろんのこと、着地衝撃が色んな方向へと分散して反発力が弱まり、進行方向へと走り続けるためのエネルギーロスへとつながります。エネルギーロスを最小限に、より効率よくサブ4ペースで走り続けるためには着地から蹴り出しまでの流れの中で足元が横ブレしない安定性に優れたシューズを選んでおくのがベストです。
安定性を高めるための機能としては、アシックスのDUOMAXテクノロジーやアディダスのTORSION SYSTEM、ミズノのMIZUNO WAVEなどが有名です。これら安定性を高めるためのサポートパーツが搭載されていると、着地時の衝撃を効率よく推進力へと変換して無駄の無い走りが可能となります。さらに、足の怪我予防にもつながります。
4、理想的なミッドフット走法が身に付く低ドロップがオススメ
サブ4を目指しランナーとして本気でレベルアップしたいなら、ランニングシューズのドロップにも注目してみるのがオススメ。ドロップとは、つま先とかかとのソールの厚みの差のこと。一般的にこの厚みが10mm以上が初心者向けと言われる高ドロップシューズで、10mm未満が中級者以上向けと言われる低ドロップシューズです。サブ4を目指すランナーには、低ドロップシューズがオススメ。
低ドロップシューズは、初心者ランナーに多い踵着地を前提とした高ドロップシューズとは違い、中足部(あるいは前足部)での着地を前提としたシューズ。そのため、低ドロップシューズを履くことで、ランナーの理想的な走り方と言われるミッドフット走法(中足部着地走法)を身につけられるのが魅力です。ミッドフット走法は怪我をしにくい走り方で、さらに着地時にブレーキがかかるかかと着地走法(ヒールストライク走法)と違いスピードも出しやすいのが特徴です。非常にメリットのある走り方であるため、トップ選手はもちろん、中上級者の多くのランナーが取り入れている走り方となっています。
本気でサブ4を目指し中級者ランナーへとステップアップしていくなら、低ドロップシューズへと履き替えミッドフット走法へとチャレンジしてみるのがオススメです。
目指せ4時間切り!サブ4用シューズのオススメ【メンズ・レディース】
アシックス ゲルDSトレーナー26
フルマラソンでサブ4(4時間切り)を目指すランナーにまず一番にオススメしたいのがasics(アシックス)の「GEL-DS TRAINER 26(ゲルDSトレーナー26)」。アシックスのゲルDSトレーナーは、長年サブ4用の王道シューズとして君臨し数多くの市民ランナーのフルマラソン4時間切りを強力にアシストしてきたシューズです。そのため、4時間切りを目指すランナーなら選んでおいて間違いのない一足です。
アシックスのゲルDSトレーナー26の最大の特徴は、クッション性・安定性・反発性・軽量性と全ての機能性においてバランスが良くサブ4用にぴったりであるところです。まず、アシックスの代表的機能であるGELテクノロジー(Rearfoot GEL)を搭載しているため高い衝撃吸収性が期待出来ます。さらにDUOMAXテクノロジーを搭載し、着地時の安定性も高く効率の良い走りが可能です。そして、ミッドソールは反発性もあり、軽量性にも優れたFLYTEFOAMを採用しているため、あらゆるランナーの最初のサブ4挑戦用シューズとしてオススメ出来ます。
また、アッパーには柔軟性に優れたニットアッパーを採用しており、足あたりも良く、快適な履き心地となっているのも魅力です。
アシックス エボライド3
サブ4用に定番のasics(アシックス)のランニングシューズを選ぶなら、「EVORIDE 3(エボライド3)」もオススメ。エボライド3は、初心者〜中級者レベルのランナーがよりラクに、より長い距離を走れるように走行効率を追求した誕生しENERGY SAVING SERIES(エナジーセービングシリーズ)の軽量モデル。主にサブ4周辺のランナーにぴったりのシューズです。
アシックスのエボライド3の最大の特徴は、サブ4クラスとしては超軽量(210g)で、ラクに走れるシューズ構造を採用しているところ。まず、注目すべきは210gという圧倒的な軽さ。レース終盤でもシューズの重みを感じることなく、最後まで軽やかな走りが可能です。そして、ソールには弓形にカーボしたソールデザインが特徴的なガイドソールテクノロジーを搭載。このガイドソールテクノロジーにより、体の重心を前へと傾けるだけで足が自然と前へと出て、まるで自然と転がっていくようにラクに走れる不思議な感覚を得られるようになっています。また、ミッドソールにはFLYTEFOAMを搭載しているため、超軽量シューズながらも柔らかい履き心地でクッション性もバッチリです。
軽量性にこだわる人や、少ないエネルギーで効率よく走りたいと考えるランナーにオススメです。
アディダス アディゼロジャパン7
adidas(アディダス)のサブ4シューズを選ぶなら、「ADIZERO JAPAN 7(アディゼロジャパン7)」がオススメ。アディゼロジャパンは、日本人ランナー向けに開発されたアディゼロシリーズの中でクッション性・安定性・反発性・軽量性のバランスの取れたモデルで、サブ4を狙う市民ランナーの定番シューズとなっています。
アディダスのアディゼロジャパン7の最大の特徴は、軽量で反発性にも優れておりスピードを出しやすく、3時間30〜3時間45分あたりも狙いやすいシューズとなっているところ。重量は215gとサブ4レベルのシューズとしては最軽量級です。さらに、ミッドソールは通常のLIGHTSTRIKE(ライトストライク)に、上級者モデルにも採用されている高反発のLIGHTSTRIKE PRO(ライトストライクプロ)を組み合わせた設計となっているため、高い反発力が期待出来ます。また、それだけではなく、TORSION RODSを採用し安定性を高める工夫もされているため、怪我を予防しつつエネルギーロスの少ない走りが可能です。
さらに、アウトソールには自動車のタイヤにも採用されているCONTINENTAL RUBBER(コンチネンタルラバー)を搭載しているため濡れた路面での優れたグリップ力を発揮出来、雨の日のマラソン大会でもその影響を受けにくくなっています。
アディダス アディゼロRC4
フルマラソンでの4時間切り達成へ、adidas(アディダス)のランニングシューズを選ぶなら「ADIZERO RC 4(アディゼロRC4)」もオススメ。
アディダスのアディゼロRC4の最大の特徴は、クッション性・安定性・反発性・軽量性・通気性・フィット性・耐久性とあらゆる機能面においてバランスのとれたシューズであることです。特に耐久性に優れたタフなシューズであるため、トレーニングシューズとしても人気です。ミッドソールには高いクッション性とともに反発性や安定性も備えたLIGHTSTRIKE EVAを採用し、さらに安定性や屈曲性に優れた樹脂バーであるTORSION RODSも搭載。アッパーには軽量性や通気性、さらにはサポート性にも優れるLIGHTWEIGHTMESHを採用。とにかく、あらゆる機能面に優れ、万能なシューズとなっているため、マラソン大会での着用にも、ハードなトレーニングでの着用にもオススメ。
ミズノ ウエーブシャドウ5
サブ4を目指す中でミッドフット走法を身につけランナーとしてワンランクもツーランクもレベルアップしたいという人に、mizuno(ミズノ)の「WAVE SHADOW 5(ウエーブシャドウ5)」がオススメ。
ミズノのウエーブシャドウ5の最大の特徴は、8mmの低ドロップを採用し、効率の良い走り方を促してくれるところです。初心者向けの10mm以上の高ドロップではなく、つま先とかかとのソールの厚みの差が少なめの8mmドロップであるため、自然と中足部付近での着地、つまりミッドフット走法での走り方を促してくれるシューズとなっています。かかと着地からミッドフットでの着地する走り方に変えることで、怪我をしにくく、さらにスピードも出しやすい走りとなり、ランナーとして大きく成長することが可能です。
また、ミッドソールにはMIZUNO ENERGYを搭載し、クッション性と反発性のバランスもよく、さらにミズノの代表的なサポート機能であるMIZUNO WAVEも中足部外側から前足部内側にかけて搭載しているため、着地時の横ブレによるパワーロスを防ぎ安定感のある走りが可能となっています。
ナイキ エアズームペガサス39
サブ4用に反発性に優れたランニングシューズを選ぶなら、やはり外せないのがNIKE(ナイキ)の「AIR ZOOM PEGASAS 39(エアズームペガサス39)」。エアズームペガサスはナイキの数あるランニングシューズの中でも一番人気のランニングシューズで、フルマラソンでサブ4〜サブ3.5あたりを狙うランナーの定番シューズとなっています。
ナイキのエアズームペガサス39の最大の特徴は、トップ選手御用達のブランドであるナイキ製らしく反発性に優れているところ。NIKEを代表する高反発クッショニングであるZoom Airバッグを前足部とかかと部の2ヶ所に搭載し、弾むような走りを体感出来ます。スピードに乗りやすく、サブ4はもちろん、サブ3.5あたりも狙うことが可能です。また、ミッドソールにはNIKE REACTフォームを搭載しているため、クッション性や軽量性、耐久性にも優れているのも魅力です。
箱根駅伝やマラソン大会で多くのトップ選手が着用するナイキのランニングシューズに憧れるという人には、ナイキのエアズームペガサス39はサブ4用シューズとして間違いのない一足です。
ホカオネオネ マッハ5
スピード感ある走りでサブ4の前半(4時間〜4時間15分)を狙っていきたいという人には、HOKA ONE ONE(ホカオネオネ)の「MACHA 5(マッハ5)」がオススメ。
ホカオネオネのマッハ5の最大の特徴は、軽量(235g)で反発力が強い高反発スピードモデルであること。ミッドソールには、2重構造ミッドソール「PROFLY+」を採用。底部にはラバイズドEVAを使用し、足に触れる上部には反発力の高いフォームを使用した2重構造。そのため、クッションがありながらも強い反発力を得ることが出来、軽量性に優れることもあってスピードを出しやすいモデルとなっています。サブ4達成はもちろん、3時間30分〜40分付近の好タイムを狙うことが出来ます。
また、ヒール部分は立体構造を採用しかかと周りの安定性も高く、ベロとアッパーの段差をなくしたガセットタン構造を採用しているためフィット化も抜群です。軽量で反発力の高いシューズを求める人にオススメ。
ブルックス ローンチ9
サブ4用の軽量スピードモデルとしては、BROOKS(ブルックス)の「LAUNCH 9(ローンチ9)」もオススメ。
ブルックスのローンチ9の最大の特徴は、軽量設計でスピードが出しやすく、さらにスピードによりクッション性が変化するところです。ミッドソールにはBROOKSのハイテクミッドソールであるBioMoGo DNAを搭載。BioMoGo DNAは、着地時の地面の衝撃や走るスピードによって衝撃吸収性能が変化する画期的なミッドソールです。そのため、スピードを出したい時にも、ゆっくりと走りたい時にも最適なクッション性、反発性へと変化するため、この一足でどんなペースでも走りやすいシューズとなっています。本番での着用はもちろん、さまざまなトレーニングでも履きやすいシューズとなっており、非常にオススメ。
また、アッパーにはメッシュアッパーを採用し通気性も高く、フルマラソンのゴールまで快適に走ることが可能です。
アンダーアーマー UAホバーマキナ3
最新のハイテクシューズを選ぶなら、UNDER ARMOUR(アンダーアーマー)の「UA HOVER MACHINA 3(UAホバーマキナ3)」がオススメ。UAホバーマキナ3はスマートシューズ機能を搭載したモデルです。
アンダーアーマーのUAホバーマキナ3の最大の特徴は、内蔵センサーを活用しランニング時のタイムや距離、さらにピッチ、ストライドの長さ、接地時間等のランニングデータを取得出来るところです。専用のスマホアプリであるMAP MY RUN(マップマイラン)と連動することにより計測出来、スマホでいつでもそのデータを確認できるので、ランニングフォームの改善へと役立てることが出来ます。
また、ミッドソールにはUAホバーを搭載。ソール前後で硬さの異なる2層構造となっているため、着地時にはしっかりとしたクッションを感じ、さらに蹴り出し時には強い反発力を得られる仕組みとなっています。そのため、フルマラソンで4時間切りを目指すランナーにベストなランニングシューズとなっています。スマート機能を駆使し、サブ4を狙いたいランナーにオススメです。
プーマ ベロシティニトロ2
サブ4用にPUMA(プーマ)のランニングシューズを選ぶなら、「VELOCITY NITRO 2(ベロシティニトロ2」がオススメ。
プーマのベロシティニトロ2の最大の特徴は、クッション性と安定性、反発性、軽量性の全ての項目でバランスが取れているところ。ミッドソールにはプーマ独自のNITRO FOAM(ニトロフォーム)を搭載。NITRO FOAMは優れたクッション性とともに反発性や軽量性も備えたソール。着地時の衝撃から足を守りつつ、反発力もありスピードも出しやすいためにサブ4用としてぴったりです。
また、アウトソールには濡れた路面でも強いグリップ力を発揮するPUMA GRIPを搭載しているため、雨の日のマラソン大会でも安心です。さらに、つま先のプーマキャットロゴがおしゃれで良いアクセントになっているのも魅力です。
サブ4用シューズを履いて目標のフルマラソン4時間切りを目指そう!
フルマラソンでの4時間切りは完走者全体の30%未満と狭き門ですが、地道に練習を積み重ねていけば必ず到達出来る領域です。さらに、そこにサブ4達成用に最適な勝負シューズが加われば、サブ4達成がグッと現実的なものとなります。
サブ4向けにクッション性・反発性・安定性・軽量性の4つの機能面全てにおいてバランスの取れたランニングシューズはアシックスやミズノ、ナイキ、アディダスなど多くのメーカーから販売されています。是非それらのシューズの中から自分に合ったシューズを見つけて、目標のフルマラソンサブ4達成を実現させてみましょう。