マラソンの30kmの壁の対策

30kmの壁を克服せよ!フルマラソンの30キロ過ぎで失速しないための対策

投稿日: 著者:RUNNAL編集部

フルマラソンでサブ3やサブ4を目指す中で必ずと言っていいほどぶちあがるのが、「30キロの壁」。20~25kmぐらいまでは余裕を持って走れていたのに、突如30キロあたりで大失速してしまい、悔しい思いを経験したというランナーは多いはず。何度も何度もフルマラソンに挑戦するけど、毎回30kmの壁にぶつかってなかなか目標タイムを達成出来ずに悩んでいるというランナーもいるでしょう。

この記事では、多くのランナーを苦しめる30kmの壁の原因や克服するための対策について紹介しています。是非次のレースでの目標達成のための参考にしてみてください。

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30kmの壁とは

疲労困憊状態のマラソンランナー

30kmの壁とは、フルマラソンを走るランナーが30キロ過ぎでペースダウンしてしまうことです。サブ3やサブ4を目指して20~25kmまでは目標ペースで快調に走れていたのに、30kmに差し掛かるタイミングで急に体が動かなくなり大失速してしまうのが、マラソンにおける「30kmの壁」です。失速するだけならまだしも、場合によっては足の強い痛みや疲労感に見舞われ、走り続けるのすら困難になり歩くしかなくなったり、リタイアという形になってしまうこともあります。

30kmの壁は、25km~35kmあたりで起こるもので、人によっては25kmで早々と失速してしまう場合もありますし、35kmになって目標達成目前で大幅にペースダウンしてしまうこともあります。この失速は、プロのマラソンランナーから市民ランナーまで全てのランナーに起こりうるものです。フルマラソンでサブ3やサブ4達成を目指す上では、この30kmの壁というものは避けては通れないものです。

30kmの壁の原因

原因①練習不足

走り込む男性

30kmの壁にぶつかる一番の原因は、練習不足です。フルマラソン初心者やフルの経験がまだ1回や2回というランナーの場合は、圧倒的に練習不足であることが原因です。42.195kmを走るのに、練習で最長10~15km程度の距離しか走れていないというランナーの場合は、スタミナ不足が後半の失速の大きな原因です。フルマラソンを走るなら、せめて20~25kmぐらいの距離を練習でも走れるように走っておきたいところ。

また、10kmやハーフマラソンの持ちタイムから見てフルマラソンでサブ3やサブ3.5は射程圏内というランナーが、30km過ぎで失速してしまうのも、走り込み不足が原因。週4~5回ほど高頻度で走っていても、1回あたりの最長距離が20km未満である場合はなかなかフルマラソンで結果を出すことは出来ません。スピード型ランナーの場合は意識的に長い距離を走っておく必要があります。

原因②オーバーペース

マラソンを走るランナー

フルマラソンの大会へしっかりと練習は積んでいるのに、大会本番の30km前後で失速してしまうのは、オーバーペースが原因。サブ4を狙って走っているのに、前半は4分30秒というかなり速いペースで入っている。普段のロング走で4分30秒ペースで走っているならまだしも、普段の練習以上のペースで前半を飛ばしてしまうと、後半で失速するのは当然のこと。大会当日はアドレナリンがたくさん出るし、周りにたくさん刺激を貰うランナーがいるので、ついつい飛ばしてしまいがち。

前半オーバーペースで走ってしまうと、そのつけは必ず後半にやってきます。オーバーペースで失速してしまわないために、フルマラソンを走る時はしっかりと計画を立てて、そのペースで走り出すことが大切です。

原因③エネルギー切れ

マラソンを走る女性ランナー

30km過ぎで大きく失速してしまう直接の原因は、エネルギー切れです。私たちがマラソンを走る時に使っているエネルギーは、主に糖と脂肪。最初に使われるのは糖で、その次が脂肪。糖は食事で摂った糖と、筋肉や肝臓で貯蔵しているグリコーゲンというものがあります。私たちが蓄えていた糖質は、30kmぐらいでほぼ枯渇状態へと近づきます。そのため30km過ぎで失速してしまうのは、ある意味当然のこと。また、脂肪は糖よりたくさん貯蔵できるという特徴がありますが、糖に比べて即効性が低いので、失速をカバーするものにはなりません。

こういったグリコーゲン不足による失速を防ぐために、レース中はエイドステーションで提供されている補給食を食べたり、自ら携帯している補給食で適宜エネルギー補給をしておくことが必要です。

30kmの壁を克服する練習方法

練習①走り込み

マラソン大会へ向けて走り込むランナー

  • サブ3:月間走行距離300km
  • サブ3.5:月間走行距離250km
  • サブ4:月間走行距離200km

フルマラソンはスタミナ勝負です。それなりの距離を走り込まないと、30km過ぎでスタミナ不足で失速してしまいます。そうならないために、サブ3を狙うランナーは月間300km、サブ3.5は250km、サブ4は200kmを目安に走りたいところ。もちろん、少ない練習量でサブ3やサブ3.5をあっさりと達成出来るランナーもいますが、そうではないランナーが大半です。特に若い人は肉体的にポテンシャルが高いので、短い月間走行距離でも目標達成へとすぐに到達しますが、年を重ねてくるとそうもいきません。練習の質も重要ですが、それ以上に量をしっかりとこなしておくことが重要。

特に10kmやハーフマラソンの持ちタイムから見て、フルマラソンのタイムが遅いというランナーは圧倒的に走り込み不足が原因です。一回当たりの走行距離や走る頻度などを増やしながら、徐々に月間走行距離を増やしていきましょう。きっと走り込んだ量は結果となってかえってくるはずです。

練習②30km走

長距離を走る人

サブ3やサブ3.5、サブ4を狙うようなランナーだと、練習で30kmのロング走は取り組んでおきたいところ。若い人の場合は練習で走る最長距離が20kmでも勢いで本番最後まで良いペースで走り倒すことが出来ますが、40代以降の人はそうはいきません。練習で30kmは走っておかないと、本番目標ペースでスタートからゴールまで走り切るというのは難しいです。もちろん初心者で完走目標なら、30km走というハードは練習は必要ありませんが、フルマラソンを複数回経験して、目標がサブ3やサブ4と決まっているなら、30km走はほぼ必須。

もし、現在の練習の1回あたりの最長距離が20kmなら25kmを月1、2回程度取り組んでみましょう。そして、徐々に30kmを月1、2回走れるようにしていきましょう。練習で30kmを走っているランナーとそうではないランナーでは、後半に大きな違いが出ます。

練習③3時間LSD

ゆっくり長い時間走る人

フルマラソン後半の失速を防ぐためのスタミナ強化練習としては、ロング走以外にLSDも効果的。30km過ぎの失速対策としては、3時間LSDが効果的。3時間、キロ7~8分ぐらいのスローペースで走ることで長時間走り続ける脚力を鍛えることが出来ます。LSDはストライドが狭く、ピッチも遅くなるので、自然と地面との接地時間が増えます。それによって、スタミナある脚力を鍛えることが出来るというわけです。

ロング走も重要ですが、3時間LSDも月1回程度取り組んでみましょう。もし、3時間が長いなら最初は2時間~2時間半で大丈夫。徐々に走る時間を伸ばしていきましょう。

練習④20~30kmビルドアップ走

ペースを上げながら走るランナー

フルマラソン後半の失速を防ぐために、ビルドアップ走も効果的。ビルドアップ走は徐々にペースを上げていく練習なので、30km過ぎでペースダウンに苦しむランナーには好都合の練習です。ビルドアップ走は20~30kmの距離で、ペースは5km~10kmごとに15~30秒ペースアップしていくようにします。

まずは20kmビルドアップ走に挑戦。5kmごとに20秒ペースアップしていく設定にして、「1~5km:キロ5分→6~10km:キロ4分40秒→11~15km:キロ4分20秒→16~20km:キロ4分」といった具合に取り組みます。このように後半につれてペースを上げていく走り方をしておくことで、後半の嫌なイメージも払拭することが出来ます。

練習⑤峠走

峠道を走るランナー

30kmの壁の対策としては、峠走もオススメ。峠走は山のふもとから峠まで走って上って、峠からふもとまで走って下る練習。この練習は上りでは脚力を鍛え、心肺を追い込むことが出来ます。さらに下りではスピードの向上や着地筋である大腿四頭筋を鍛えることが出来ます。この峠走で特にキーとなるのが、着地筋の大腿四頭筋強化に効果のある下り。

フルマラソンでは何万回と着地を繰り返すので、足が相当なダメージを受けます。着地筋が弱いと、その衝撃に耐えられず後半にバテて動かなくなってしまいます。そういったことを防ぐためには、下り坂を走って敢えて大腿四頭筋を追い込むことが大切。峠走の下りはその練習に最適。

30kmの壁の練習以外の対策

フルマラソンを走るランナー達

対策①大会前の「カーボローディング」

レース中のエネルギー切れを防ぐためには、スタート前に出来るだけたくさんグリコーゲンを体内に蓄えておくことが大切です。そのために、フルマラソン本番3日前から炭水化物を食べる割合を増やす「カーボローディング」という調整方法を実践するのがオススメ。

対策②レース中にしっかりエネルギー補給をする

スタート前に蓄えておいたグリコーゲンのみでは、フルマラソンを走り切るには不十分です。その不足分はレース中に補給する必要があります。レースでは、エイドや自分で携帯している補給食を摂り、適宜エネルギー補給をしておくことが大切です。

対策③アミノ酸で足のダメージを軽減

足のダメージを少しでも軽減するために、アミノ酸を補給することも忘れずに。アミノ酸は筋肉の修復に役立つ栄養素。アミノ酸を補給しておくことで、レース後半の筋肉疲労を軽減することが出来るので、後半の失速予防に効果的。アミノ酸サプリを使って、レース中にアミノ酸も補給しましょう。

30kmの壁をブチ破って目指せサブ3、サブ4!

マラソン練習に励むランナー

フルマラソンの30キロの壁は、マラソンを走るランナーであれば一度は経験するもの。3時間切りや3時間30分切り、4時間切りといった節目の記録を狙うランナーは、30キロから35キロあたりの失速で中々目標達成出来ずに悩んでいるランナーが多いでしょう。でも、30キロの壁は、練習でしっかりと走り込み、後半対策の練習も重ねておけば、だれでもブチ破ることが可能です。次のレースでは、30km対策をしっかりとして、目標であるサブ3やサブ4を絶対に達成しましょう。

    RUNNAL編集部

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