給水所で水を受け取るマラソンランナー

給水を制するものはマラソンを制する!知っておきたい給水のコツ

投稿日: 著者:RUNNAL編集部

マラソンを走り切る上で欠かせないのが給水所での水分補給。一流のランナーは給水に失敗すると、それが命取りとなる。もちろん、それは市民ランナーの場合も同じで、上手く給水が出来るかどうかが完走ゴールタイムに直結する。「給水を制するものは、マラソンを制する」と言っても過言ではないほど、長時間走り続けるマラソンでは、コース途中で行う水分補給が凄く大切です。

この記事では、初めてマラソンを走る人にもわかりやすいように、マラソン大会における給水のコツや注意点などを紹介させていただきます。是非参考にしてみてください。

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マラソン大会の給水所を活用しよう

マラソン大会の給水所

21.0975キロを走るハーフマラソンはスタートからゴールまで1時間30分から3時間程度、42.195キロを走るフルマラソンはスタートからゴールまで3時間から6時間程度かかります。いづれの場合も長時間走るため、その間にはたくさん汗をかき、体内の水分をたくさん失います。その失った水分を補うためにも、マラソン大会では走りながら水分補給をすることは欠かせないことです。

マラソン大会では、コース上に給水所というものがあります。約5キロ間隔で設置された給水所では、水やスポーツドリンクが提供されているので、全てのランナーはそこで水分を補給出来ます。また、マラソンでは自前で用意する「スペシャルドリンク」というものがありますが、スペシャルドリンクを給水所に置くことが出来るのは招待選手や一部のエリートランナーのみ。一般のランナーで、自前のドリンクが飲みたいという場合は、ボトルポーチなどを使って飲み物を携帯して走る必要があります。

マラソンにおける給水の目的

マラソンランナーに水の入ったコップを差し出す人

①汗で失った水分を補う

マラソンを走っている最中に水分補給をする一番の目的は、汗で失った水分を補うためです。私たちの体の約60%は水分で出来ています。体の中で水分は体液として、暑い時は汗をかくことで体温調節の役割、酸素や栄養素を体の隅々まで届け、不要なものは外へと排出する運搬の役割など重要な役割を担っています。

マラソンのような長時間のスポーツでは、大量の汗とともに体内の水分が失われるので、水分を摂らないと脱水が進み、脱水症状や夏場には熱中症を引き起こす可能性があります。また、そのほかにも水分不足によるトラブルが起こる可能性があるので、汗で失った分だけの水分を適宜補給しておくことが大切です。

②パフォーマンスの低下を防ぐ

マラソンでは給水で失敗して、後半に大きく失速してしまうことが良くあります。これは、水分不足によって運動機能が低下してしまっているためです。実際、「体内の水分が2%失われると運動能力が低下する(大塚製薬HP)」ことが分かっています。大会本番で持っている力を存分に発揮するためには、給水所でしっかりと給水をしておく必要があります。

③走るエネルギーを補給する

給水所では単純に水分を補給するだけではなく、走るエネルギーとなる糖質を補給する目的もあります。給水所で提供されているスポーツドリンクは、糖質を含みます。糖質は、マラソンを走る時の重要なエネルギー源です。エイドでおにぎりやバナナを食べるだけではなく、給水でも糖質を補給しておくことで走り切るエネルギーをしっかりと確保出来ます。

もう失敗しない!マラソン大会の給水のコツ

マラソンの給水所でコップを取るランナー

マラソンの給水は、給水を取る場所、コップの取り方、コップの口元への持っていき方が重要。この3つをマスターすれば、マラソンにおける給水のコツは完全に掴んだようなものです。

コツ1、奥の給水テーブルを狙う

マラソンの給水所

給水所の給水テーブルは1地点1個ではありません。大会規模にもよりますが、大体5~10個前後のテーブルが並べられています。手前のテーブルは多くのランナーで混雑するので、他のランナーとぶつかってしまったり、最悪の場合転倒してしまう可能性もあります。コップを取るにも時間がかかり、スムーズな給水とはなりません。そのため、手前のテーブルは避けて、奥の方の空いているテーブルを狙うのがおすすめです。

コツ2、コップは上から掴み取る

給水コップを取り方

上からコップを挟み取る

サブ5から完走を狙うランナーの場合は給水所で歩きながらコップを受け取るランナーが多いですが、サブ3やサブ4レベルになると走りながらコップを取るランナーが多くなります。コップの取り方は、横からさらうように手のひらでコップ側面を掴む取り方が一般的ですが、それだとコップを倒してしまい、給水に失敗してしまう可能性が高いです。

おすすめの取り方は、親指と人差し指・中指を使ってコップを上から挟み取るようにする取り方です。こっちの方がコップへ与える衝撃が少ないので、中の飲み物をこぼさないでコップを取ることが出来ます。最初は難しく感じますが、慣れてしまえば簡単です。

コツ3、コップの口を潰して飲む

コップを潰す

コップの口を潰して飲む

初めての給水で「水が顔にかかってしまった」「水が鼻に入ってしまった」といった苦い経験をしている人も多いはず。コップの口は大きいので、走りながら揺れるコップを口元へと近づけようとするとそうなるのは当然です。

上手く走りながらコップの水を飲むには、コップの口を潰してしまうのが一番です。潰すことでコップの水の出口が小さくなるので、顔や鼻にかかることなく上手く水を飲むことが出来ます。コップはプラスチックコップと紙コップがありますが、大抵の場合は紙コップなので容易に潰すことが出来ます。

知っておきたい!マラソンの給水の注意点

給水用コップを持つ人の手

①給水は喉が渇く前にする

水分補給は「喉が渇く前」にするのが基本です。喉が渇いた時には既に体内の脱水が進んでいる状態。マラソン大会では、5キロ間隔で給水所が設置されていることがほとんどなので、毎回5キロ置きには給水所へ立ち寄って水分補給をしておくようにしましょう。給水所では給水に失敗することもあるので、まだ大丈夫と思っても必ず給水所へ立ち寄りましょう。

②水ばかり飲んでいると「水中毒」の危険性がある

初めてのマラソン大会の給水で一番注意しておくべきことは、「水中毒(低ナトリウム血症)」です。マラソンにおける水中毒とは、マラソン中に水を過剰に摂取することで、血液中のナトリウム濃度が急激に薄まって身体機能が低下するというもの。症状としては、「息切れ」「めまい」「頭痛」「吐き気」「手足のむくみ」といったものがあります。重症化すると、「呼吸困難」「意識障害」を引き起こし、最悪の場合には死に至ることもあります。

水中毒を避けるためには、水ではなくスポーツドリンクを飲むこと。マラソン中に汗で失う水分には電解質と呼ばれるものミネラルが含まれています。ミネラルもたくさん失っているのに、水ばかり飲んでしまうと危険です。そのため、水と一緒に糖質や電解質も補給出来るスポーツドリンクを飲むようにすることが大切。

③足元が濡れているので滑らないように注意

給水所は足元が滑りやすいので結構危険です。給水所すぐ近くの足場はランナーが捨てた水やスポーツドリンクで濡れており、さらに飲み捨てられたコップが散乱しているなど、誤って滑ってしまう可能性があります。給水所へ近づく時や給水所から走り出す時は足元には十分に注意しておきましょう。

コップはゴミ箱へ捨てるのが給水のマナー

コップをよけながら走るマラソンランナー

マラソンを走る上で、マナーはしっかり守りたい。基本的に、給水所で受け取ったコップは、給水所や給水所を通過してすぐの辺りにあるゴミ箱へと捨てるのがマナーです。もちろん、運営側のスタッフが捨てたコップを掃除してくれますが、ゴミ箱が近くにあるのにわざわざ投げ捨てるというのは、同じランナーとしても、給水のボランティアスタッフとしても、沿道の人としても、見ていてあまり良いものではありません。また、投げ捨てたコップが、後続のランナーの障害物となるなど危険性もあります。

大会によっては、ゴミ箱が少ない、見える位置にゴミ箱が無い、参加者が多くゴミ箱へ近づけないといった場合もあるでしょう。そういった場合はやむを得ませんが、出来るだけコップはゴミ箱へと捨てるようにしましょう。

給水所で元気を貰い、ゴールへ向けて頑張ろう!

給水所でコップを掴み取るランナー

給水所では単純に水分を補給出来るだけではなく、給水ボランティアのスタッフさんからたくさんの元気を貰えます。特に給水ボランティアは、近くの学生さんがやってくれている場合が多いので、水分とともに学生さんの元気をもらいましょう。40キロ地点の給水を過ぎたら後はゴールまで2.195キロのみ。最後の給水でたくさんの元気を貰い、最後の走る力へと変えましょう。

    RUNNAL編集部

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