ランニングなどのワークアウトの際に活用すると便利なのが、Garmin(ガーミン)のGPSウォッチやApple Watch(アップルウォッチ)。特にマラソンを走る本格的なランナーにはGarminのForerunnerシリーズが、フィットネスシーンだけではなく平日のビジネスシーンや休日のお出かけシーンでも活用するならApple Watchがオススメです。
今回の記事では、ランニング用GPSウォッチとして人気の高いガーミンGPSウォッチとApple Watchの全10項目での違いを含めた比較を紹介しています。さらに、どんな人にはガーミンがオススメで、どんな人にはApple Watchがオススメなのかも一緒に紹介しています。ランニングシーンでも使用するGPSウォッチ(スマートウォッチ)として、ガーミンかApple Watchかで迷っているという人は是非参考にしてみてください。
また、記事内ではGarminの2022年最新モデルであるForerunner 255/955とApple Watchの2022年新型であるSE2/Series 8とを中心に比較しています。
目次
ランニング用GPSウォッチにGarminとApple Watchが人気
健康やダイエットのために、さらには初のマラソン大会挑戦のために、ランニングを始めるなら、GPSウォッチがあると便利です。GPSセンサーを搭載した腕時計があれば、走りながら現在の走行距離と走行ペースをリアルタイムに確認出来ます。さらに、心拍計やVO2MAX(最大酸素摂取量)測定機能にと、走る上で便利な機能がたくさん詰まっています。
今や、初心者ランナーから上級者のシリアスランナーに至るまで、ランナーの定番中の定番アイテムとなったGPSウォッチ。GPSウォッチは様々なメーカー(ブランド)より販売されていますが、特に多くのランナーに人気が高いのがGarmin(ガーミン)社のGPSランニングウォッチと、Apple(アップル)社のスマートウォッチであるApple Watchです。
ランナー人気NO.1のランニングウォッチ「ガーミンGPSウォッチ」
ハーフマラソンやフルマラソンなどのマラソン大会への参加を予定している初心者・初級者ランナーや、本格的にマラソンでサブ4やサブ3を目指す市民ランナー、そして中学・高校・大学で陸上競技の長距離種目に取り組む学生さんに人気が高いのが、Garmin(ガーミン)のGPSランニングウォッチシリーズである「Forerunnerシリーズ(フォアランナーシリーズ)」です。
GarminのForerunnerシリーズは、他社メーカーのGPSウォッチよりもGPSの計測精度が高く(より精確に走行距離や走行ペースを計測出来る)、バッテリー持ちの良さにも優れているのが大きな特徴です。さらに、VO2MAXやリカバリータイム、予想レースタイム、ランニングダイナミクス(フォーム分析データ)、乳酸閾値測定、トレーニングステータス、トレーニング効果など、ランニングやトレーニング関連の機能が非常に充実しているのも魅力です。そのため、ハーフマラソン以上の長距離を走るなら、Garminがあると便利です。
世界で人気NO.1のスマートウォッチ「Apple Watch」
スマホとペアリングして通知機能や電子マネー機能など様々な便利機能を活用出来るのがスマートウォッチ。現在、HUAWEIやGalaxy、Fitbit、Xiaomi、Amazfitといった様々なメーカー(ブランド)より数多くのスマートウォッチが販売されていますが、その中でも日本を含め世界で圧倒的な人気を誇るのがiPhoneでお馴染みのApple社の「Apple Watch(アップルウォッチ)」です。
Apple Watchは、iPhoneと連携することで手元で通知機能や通話機能、メッセージ返信機能、音楽再生機能、電子マネー機能、ナビ機能、ワークアウト機能など様々な便利機能を活用出来るのが大きな特徴です。GPSセンサーを搭載し、ランニングなど幅広いワークアウトシーンでも活躍するため、日々の健康管理やダイエットの一環としてジョギングやランニングを楽しむという人にも人気のスマートウォッチです。
GarminとApple Watchを全10項目で徹底比較
GPSセンサーを搭載し、走行距離や走行ペース、さらには心拍数やVO2MAXなども測定出来るGarmin(ガーミン)とApple Watch(アップルウォッチ)。ともにランニング用のGPSウォッチとしても人気の高いウォッチですが、GarminとApple Watchにはどんな違いがあるのか。今回は、「ディスプレイ性能」「操作性」「バッテリー持ち」「GPS精度」「ランニングデータ」「ナビゲーション機能」「音楽再生機能」「電子マネー機能」「ヘルスケア機能」「SOS機能」の全10項目で比較しています。
1、ディスプレイ性能の比較
Garmin | Apple | |
---|---|---|
ディスプレイ | 55:MIP 255:MIP 955:MIP |
SE:OLED Retina Series 8:OLED Retina |
解像度 | 55:208x208 255:260x260 955:260x260 |
SE:324x394〜 Series 8:352x430〜 |
まず、最初の比較としてGarmin(ガーミン)とApple Watchのディスプレイ性能の比較です。ディスプレイ性能は、着用者に様々な情報を見やすく表示するための重要なパーツです。このディスプレイ性能は、ランニング用途で考えた場合にはGarminの方が優秀です。
GarminのForerunnerシリーズ(55/255/955)に搭載されているのは、MIPディスプレイ(メモリインピクセル液晶)。MIPディスプレイは他のディスプレイに比べて消費電力が少なく、さらに直射日光の下でも画面の情報を視認しやすいのが特徴です。そのため、GarminのGPSウォッチはバッテリー持ちが良い上に、晴れた屋外でのランニングやマラソンシーンでも画面の見づらさを感じることなく、現在の累計走行時間や走行距離、走行ペースをサッと確認出来ます。
一方、OLEDディスプレイ(有機EL)を搭載するApple Watchの方は、屋内だと視認性は問題ありませんが、屋外だと太陽光の反射で画面の見づらさを感じることがあります。
ただし、MIPディスプレイがOLEDディスプレイに強い優位性を発揮するのは主に屋外でのワークアウト時のみです。MIPディスプレイは一般的なディスプレイであるLCDディスプレイ(液晶ディスプレイ)と比べても画面の綺麗さである画質面では大きく見劣りします。そのため、高精細でハイコントラストなAppleのOLED Retinaディスプレイの方が圧倒的に画面は綺麗で、日常使いではApple Watchのディスプレイの方がGarminよりも上です。
2、操作性の比較
Garmin | Apple | |
---|---|---|
物理ボタン | 55:○ 255:○ 955:○ |
SE:- Series 8:- |
画面タッチ | 55:- 255:- 955:○ |
SE:○ Series 8:○ |
次に、Garmin(ガーミン)とApple Watchの操作性の比較です。走りながら時計を操作するランニングシーンにおいて、操作のしやすさはすごく重要です。そして、このランニングシーンにおける操作性はGarminの方が優秀です。
まず、Garminの操作方法はウォッチ側面の物理ボタンを押す方式ですが、Apple Watchの方は画面のタッチ方式です。もちろん、Apple Watchにも側面にDigital Crown(デジタルクラウン)やサイドボタンはありますが、それらの物理ボタンのみでの操作で完結出来ずに基本的には画面のタッチが必要となります。
走りながらの操作では画面のタッチ方式のApple Watchだと誤タップによる誤操作の可能性が高くなりますし、そもそも冬場の手袋(ランニンググローブ)装着の場面や雨や汗で画面や手が濡れている場面では操作自体が出来なくなる可能性も高いです。そのため、多くのランナーがランニングシーンやマラソン大会では物理ボタンを採用するGarminの方が使い勝手が良いと感じるはずです。
ただし、普段使いとしては画面をタッチ出来るApple Watchの方が使いやすいと感じるため、ランニングシーンだけではなくビジネスシーンや休日のお出かけシーンにも活用するといった場合にはApple Watchの方が便利です。また、GarminのForerunnerシリーズの中では唯一上位モデルであるForerunner 955が画面のタッチ操作にも対応したハイブリッド式であるため、普段使いもするなら955を選んでみるのもオススメです。
3、バッテリー持ちの比較
Garmin | Apple | |
---|---|---|
通常 | 55:14日間 255:14日間 955:15日間 |
SE:18時間 Series 8:18時間 |
GPS計測時 | 55:20時間 255:30時間 955:42時間 |
SE:6時間 Series 8:7時間 |
3個目は、Garmin(ガーミン)とApple Watchのバッテリー持ちの比較です。GPSウォッチ(スマートウォッチ)のバッテリー持ちは、普段使いしていく上でもワークアウトでGPS計測する場面でも重要です。そして、バッテリー性能に関してはGarminの方がApple Watchよりも圧倒的に優れています。
Apple Watchはバッテリー持ちが悪いと評判ですが、通常時のバッテリー持ちは最大18時間で、GPS使用時のバッテリー持ちは6〜7時間程度です。そのため、Apple Watchを使用する場合は毎日どこかしらのタイミングで充電が必要です。また、GPS計測モードでのバッテリーが最大6〜7時間程度しか持たないため、フルマラソンで使用する分にはゴールまでバッテリーが持つのか、ゴールまで持ったとしても自宅に帰るまでにバッテリー切れにならないかと不安が残ります。そのため、フルマラソン初挑戦で、制限時間いっぱいの6〜7時間あたりを目指す人や、サブ5やサブ6あたりを狙う初心者ランナーにもあまりオススメ出来ません。
一方、Garminは通常モード(スマートウォッチモード)で最大14〜15日間(約2週間)持つので、Apple Watchのように必ず毎日充電する必要性はなく1週間に1回程度の充電で済みます。さらに、Garminはワークアウト計測時(GPSモード使用時)でもバッテリーが20〜42時間持つので、制限時間6〜7時間のフルマラソンは余裕です。さらに、制限時間13〜14時間の100kmウルトラマラソンも余裕です。そのため、マラソンを走るなら、やはりバッテリー持ちの良いGarminが安心です。
4、GPS精度の比較
Garmin | Apple | |
---|---|---|
GPS | 55:○ 255:○ 955:○ |
SE:○ Series 8:○ |
高精度2周波GPS | 55:- 255:○ 955:○ |
SE:- Series 8:- |
4個目は、Garmin(ガーミン)とApple WatchのGPS精度の比較です。GPS精度は、着用者の位置情報を正しく計測し、精確な走行距離や走行ペースを算出するのにとても重要です。GPS精度に関しては、元々米国を代表するGPS機器メーカーであるGarminの方が上です。
Garminは2022年発売のForerunnerシリーズ(255/955)より、2周波GPS(マルチバンド機能)を搭載しています。通常のGPSウォッチは従来型のL1周波数のみの受信ですが、2周波GPS搭載機種ではL1周波数に加えL5周波数も同時に受信出来るようになっており、より精確に位置情報の取得が可能となっています。特に、測位衛生システムからの信号の障害物が多い山間部や、高層ビルが立ち並ぶ都市部において2周波GPS搭載のGarminウォッチが強い力を発揮します。開けた河川敷や公園を走るなら差はそこまでありませんが、山を走るトレイルランナーや都市部を走るシティランナーはGarminを選んでおくのがオススメ。
ただし、2022年9月発売のApple Watchの最上位モデルであり、史上初のタフネルモデルであるApple Watch UltraはApple Watchシリーズの中で唯一2周波GPS機能を搭載しています。そのため、日常使いでの使い勝手も優先しGarminよりもApple Watchを選ぶなら、Apple Watch Ultraを選んでみるのもオススメです。
5、計測出来るランニングデータの比較
Garmin | Apple | |
---|---|---|
ランニング関連 | 走行タイム/走行距離/走行ペース/消費カロリー/心拍数/心拍ゾーン/リカバリータイム/レース予測タイム/上下動と上下動比/接地時間とバランス/ストライド/ピッチ/ランニングパワー/乳酸閾値など | 走行タイム/走行距離/走行ペース/消費カロリー/心拍数/心拍ゾーン/上下動/接地時間/ストライド/ピッチ/ランニングパワーなど |
トレーニング関連 | VO2MAX/トレーニングステータス/トレーニング負荷/トレーニング負荷バランス/トレーニング効果(有酸素・無酸素)など | VO2MAXなど |
5個目は、Garmin(ガーミン)とApple Watchの計測出来るランニングデータの比較です。GPSウォッチでは、走行距離や走行ペース、心拍数、消費カロリーなど様々なデータを計測出来ます。GarminのForerunnerは初心者から上級者までのランナー向けにランニング専用GPSウォッチとして販売されているため、Apple Watchよりもランニング関連の機能が充実しています。
例えば、GarminのGPSウォッチであればランニング時に走行距離や走行ペースを計測出来るのはもちろん、ランニングによる疲労を考慮し次のトレーニングまでの休息時間の目安を教えてくれる「リカバリータイム」や、現在の走力レベルを考慮しての5km・10km・ハーフマラソン・フルマラソンのそれぞれの予想完走タイムを教えてくれる「レース予測タイム」という機能があります。さらに、現在のトレーニング計画の負荷が適切かどうかわかる「トレーニングステータス」や、トレーニングが有酸素的に無酸素的にどのように効果的だったのかが分かる「トレーニング効果(有酸素・無酸素)」といった機能もあります。
さらに、別売りのランニングダイナミクスポッドやハートレートセンサーなどを活用すればランニングエコノミー改善に役立つ「上下動」「上下動比」「接地時間」「接地バランス」「ストライド」といったランニングフォーム指標のデータも取得出来ます。さらには、ランニングパワーや乳酸閾値が分かるのもGarminの魅力です。
Apple WatchはGarminに比べるとさすがに取得出来るデータの数や、ランニング・トレーニング関連の機能は劣りますが、それでも健康やダイエットのために走る人や、5〜10km程度の比較的短い距離を走る人には十分過ぎるぐらいのデータを取得出来ます。
特に2022年9月リリースされたWatchOS 9では、Apple Watch単体での「上下動」「接地時間」「ストライド」「ランニングパワー」の計測も可能となっています。そのため、Apple Watchでも十分にランニングを楽しむことが出来ます。
6、ナビゲーション機能の比較
Garmin | Apple | |
---|---|---|
地図ナビ | 55:- 255:- 955:○ |
SE:○ Series 8:○ |
6個目は、Garmin(ガーミン)とApple Watchのナビゲーション機能の比較です。知らない土地を走ったり、山道(トレイル)を走ったりする場面で、ナビゲーション機能があると便利です。GarminとApple Watchそれぞれにナビゲーション機能がありますが、ナビに関してはGarminとApple Watchそれぞれに良し悪しがあります。
まず、Garminは地図表示でのナビゲーションに対応しているのは最上位モデルであるForerunner 955のみです。25と255は地図の表示機能はありません。しかし、Forerunner 955ではランニングなどのアクティビティ画面でも地図を表示しナビゲーション機能を利用しながらワークアウトを行うことが出来ます。さらに、オフラインでの地図ナビが利用出来るため、市街地でも電波の届きにくい山道でも地図を見ながら安心して走ることが出来るのが大きな強みです。
一方、Apple Watchの方は全てのモデルにiPhone純正のマップAppがインストールされており、地図表示有りのナビゲーション機能が利用出来ます。さらに、会員数NO.1の登山地図GPSアプリであるYAMAPのApple Watch専用アプリもあり、YAMAPアプリを利用することでオフライン環境下でも地図表示が可能となります。ただし、地図表示が出来るのはマップAppかYAMAPのような外部アプリのみとなるため、純正ワークアウトアプリのアクティビティ画面には地図は表示出来ません。この点は、知らない土地で地図を見ながら走りたい人や、トレイルランを楽しみたい人には少し不便に感じるかもしれません。
7、音楽再生機能の比較
Garmin | Apple | |
---|---|---|
対応アプリ |
Spotify/Amazon Music/LINE MUSIC/AWA |
Apple Music/Spotify/Amazon Music/YouTube Music/AWA |
オフライン再生対応アプリ |
Spotify/Amazon Music/LINE MUSIC/AWA |
Apple Music/Spotify |
7個目は、Garmin(ガーミン)とApple Watchの音楽再生機能の比較です。音楽再生機能は走りながら音楽を楽しむのに欠かせない機能。GarminとApple Watchは両方ともスマホ無しで音楽再生出来るオフライン再生に対応していますが、対応している音楽配信サービスに違いがあるため、どのサービスに対応しているのかチェックしておくことが大切です。
例えば、Garminの方はSpotifyとAmazon Music、LINE MUSIC、AWAに対応しています。これら全て音楽配信サービスでウォッチ内部の空き容量への音楽データの保存に対応しているため、どの音楽配信サービスでもオフライン再生が可能となっています。つまり、スマホを自宅に置いて外へ走り出しても音楽が聴けるのです。
また、Apple Watchの方はApple Music、Spotify、Amazon Music、YouTube Music、AWAに対応し、それぞれApple Watch用の専用アプリが利用出来ます。ただし、Apple Watch本体へ音楽データを保存しオフライン再生出来るのはApple MuiscとSpotifyの2種類のみです。Amazon MusicやYouTube Music、AWAは近くにiPhoneがある時のみ利用可能となっています。
8、電子マネー機能の比較
Garmin | Apple | |
---|---|---|
対応電子マネー | Suica/Visaタッチ決済 |
Suica/PASMO/iD/QUICPay/Visaタッチ決済/PayPay/Tマネー/LINE Pay/メルペイ/au Pay/WAON/nanaco |
8個目は、Garmin(ガーミン)とApple Watchの電子マネー機能の比較です。電子マネー機能とは、IC読み取り機に手元をかざすだけで簡単にキャッシュレス決済が出来るというもの。それぞれ定番のSuicaに対応しているものの、電子マネー機能の使い勝手に関してはApple Watchの圧勝です。
Garminで使える電子マネーの種類は、SuicaとVisaタッチ決済の2種類のみ。一方、Apple WatchはSuicaに加え、iDやQUICPay、PayPay、WAON、nanacoなど多くの電子マネーに対応しています。現状、Apple Watchは日本国内で使える電子マネーへの対応数が数あるスマートウォッチの中でも一番多いため、電子マネーの使い勝手の良さで考えるならApple Watch一択です。また、Apple Watchは通常のSuicaに加えてSuica定期券にも対応しているため、通勤・通学でも利用するならApple Watchが最強です。
9、ヘルスケア機能の比較
Garmin | Apple | |
---|---|---|
標準搭載機能 | 活動量計/心拍計/睡眠計/ストレスレベル/Body Battery/フィットネス年齢/生理周期/妊娠トラッキング | 活動量計/心拍計/睡眠計/生理周期 |
上位限定機能 | 血中酸素濃度 (255/955シリーズ) |
血中酸素濃度/心電図/皮膚温測定 (Series 8) |
9個目は、Garmin(ガーミン)とApple Watchのヘルスケア機能の比較です。スマートウォッチのヘルスケア機能は日々の健康管理に欠かせないもの。ヘルスケア機能に関してはGarminのみの機能、逆にApple Watchのみの機能とありますが、日々の健康管理用としてより優秀なのはApple Watch。
まず、Apple Watchの上位機種であるSeries 8には心房細動の早期発見に役立つと言われる心電図機能が搭載されているのが大きな魅力です。現状、日本国内で利用出来るスマートウォッチの心電図機能はApple Watchの上位機種のみ(他社の心電図機能は日本国内未承認)なので、Series 8の心電図Appは非常に貴重な存在です。さらに、血中酸素濃度測定機能や、皮膚温測定機能が搭載されているのも魅力です。
一方、Garminは心電図機能や皮膚温測定機能は無いものの、中級モデル以上には血中酸素濃度があります。さらに、心電図機能ほどのインパクトはないものの、Apple Watchには搭載されていない機能としてストレスレベル測定機能や、身体のエネルギー残量を可視化した機能であるBody Battery、実際の年齢と比較した場合の体の年齢の推定値を教えてくれるフィットネス年齢という機能があります。
10、万が一のSOS機能の比較
Garmin | Apple | |
---|---|---|
転倒検知 | ○ | ○ |
緊急通報サービスへ自動通報 | - | ○ |
緊急連絡先へのメッセージ送信 | ○ | ○ |
10個目は、Garmin(ガーミン)とApple WatchのSOS機能の比較です。SOS機能とはワークアウト中や普段の生活の中で万が一の際の転倒や事故の際にあると頼りになる機能です。このSOS機能に関してはGarminとApple Watch両方に搭載されていますが、より頼りになるのがApple Watchの方。
Garminは万が一激しく転倒してしまった場合、ウォッチが着用者の転倒を検出し事前登録しておいた緊急連絡先へと位置情報を備えたメッセージを送信してくれます。一方、Apple Watchの方は緊急連絡先へのSOSメッセージだけではなく、緊急通報サービスへの通報も自動的におこなってくれる仕組みとなっています。さらに、Apple Watchは転倒や転落の検出だけではなく、2022年新登場の新機能である衝突事故検出機能により自動車乗車の際の衝突事故の検出にも対応しています。万が一自動車事故に遭遇してしまった場合でもApple Watchが自動的に通報もしてくれるため安心感があります。
また、GarminのSOS機能は近くにペアリング済みのスマホがあることが絶対条件です。一方、Apple Watchのセルラーモデル(GPS+Cellularモデル)であれば時計単独での音声通信&モバイルデータ通信が出来るため、近くにiPhoneがなくても緊急通報とSOSメッセージの送信をおこなってくれるという頼もしさがあります。
GarminとApple Watchのスペック比較まとめ
機種 | ForeAthlete 55![]() |
Forerunner 255![]() |
Forerunner 955![]() |
Apple Watch SE![]() |
Apple Watch Series 8![]() |
---|---|---|---|---|---|
価格 | 32,000円 | 49,800円〜 | 74,800円〜 | 37,800円〜 | 59,800円〜 |
ベゼル | 繊維強化ポリマー | 繊維強化ポリマー | 繊維強化ポリマー | アルミニウム | アルミニウム/ステンレススチール |
ディスプレイ | MIP | MIP | MIP | OLED | OLED |
解像度 | 208x208 | 260x260 | 260x260 | 324x394〜 | 352x430〜 |
防水 | 50m防水 | 50m防水 | 50m防水 | 50m耐水 | 50m耐水 |
バッテリー | 14日間 | 14日間 | 15日間 | 18時間 | 18時間 |
バッテリー(GPS計測時) | 20時間 | 30時間 | 42時間 | 6時間 | 7時間 |
通知 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
通話 | - | - | - | ○ | ○ |
音楽再生 | - | ○ (Musicモデル) |
○ | ○ | ○ |
電子マネー | - | ○ | ○ | ○ | ○ |
地図表示 | - | - | ○ | ○ | ○ |
GPS | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
2周波帯GPS | - | ○ | ○ | - | - |
距離・ペース計測 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
フォーム分析 | - | ○ | ○ | ○ | ○ |
VO2MAX | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
心拍計 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
睡眠計 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
血中酸素濃度 | - | ○ | ○ | - | ○ |
心電図 | - | - | - | - | ○ |
皮膚温 | - | - | - | - | ○ |
生理周期 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
ストレスレベル | ○ | ○ | ○ | - | - |
ボディバッテリー | ○ | ○ | ○ | - | - |
GarminとApple Watch、ランニングするならどっちがオススメ??
マラソン大会参加を見据える初心者や、サブ4やサブ3を目指す中上級者なら「Garmin(ガーミン)」がオススメ
Garmin(ガーミン)とApple Watch(アップルウォッチ)、どちらを選ぶべきか。まず、ハーフマラソン(21.0975km)やフルマラソン(42.195km)などのマラソン大会参加を考える人にはバッテリー持ちの良さを考えGarminがオススメ。さらに、サブ4やサブ3を狙う中上級者レベルの人にもランニング・トレーニング機能がより充実したGarminが断然オススメです。
Forerunner 255 Music
Garmin(ガーミン)を選ぶなら、一番オススメしたいのがガーミンの人気NO.1モデルである「Forerunner 255 Music」。Forerunner 255 Musicは、エントリーモデルの55と最上位モデルの955の間に位置するモデルで、価格と機能性のバランスの取れた人気モデル。
大きな特徴は、高精度のGPS計測が可能なマルチバンド機能(2周波GPS機能)を搭載し、さらにSuica機能や音楽再生機能も搭載しているところ。スマートウォッチモードで最大14日間、GPS計測モードで最大30時間とバッテリー持ちも良く、初心者から上級者まで全てのランナーにオススメ出来るベストバランスモデルです。
Garmin ForeAthlete 55
これから始めてハーフマラソンやフルマラソンに挑戦するというランニング・マラソン初心者の人には、Forerunner 55もオススメ。Forerunner 55はGarminのエントリーモデルでコスパに優れているのが魅力。
Forerunner 55は約3万円という低価格でバッテリー持ちに優れたGarminのGPSウォッチが買えるというのが最大の特徴。エントリーモデルということもあり、255や955よりも専門的な機能はカットされているものの、GPS計測機能に心拍計機能、VO2MAX測定機能、リカバリータイム、レース予測タイムと初心者には十分すぎる機能性となっています。
Forerunner 955 Dual Power
中上級者ならGarminのForerunnerシリーズ最高モデルであるForerunner 955 Dual Powerを選んでみるのもオススメ。
Forerunner 955 Dual Powerは、Forerunnerシリーズ初となるソーラー充電機能を搭載し、よりバッテリー持ちの良さに優れているのが大きな特徴です。スマートウォッチモードで最大20日間、GPSモードで最大49時間と驚異的なバッテリー持ちを誇ります。さらに、中間モデルの255にはない画面タッチ機能や地図表示機能もあり、普段使いもしやすく、さらに知らない土地やトレイルでのランニングにも活用しやすいモデルとなっています。
スマートウォッチとして普段使いするなら「Apple Watch」がオススメ
フィットネスシーンだけではなく、平日のビジネスシーンに休日のお出かけシーンにも活用したいならApple Watchがオススメ。Apple Watchは高精細な有機ELディスプレイを採用し、画面のタップ操作にも対応しているため普段使いするスマートウォッチとして最適です。さらに、心電図機能や血中酸素濃度、皮膚温測定機能などヘルスケア機能も充実しており、日々の健康管理用デバイスとして活用したい人にもApple Watchがオススメ。
Series 8
Apple Watchを選ぶなら、2022年発売の最新上位モデルであるSeries 8がオススメ。
Series 8は心電図機能と血中酸素濃度を搭載し、さらに2022年新登場となる皮膚温測定機能も搭載し、健康管理用としては最強のスマートウォッチとなっています。そして、エントリーモデルであるSEにはない画面の常時表示にも対応しているためビジネスシーンでの使い勝手もよく、さらにカジュアルな場面でのファッション性が高いのも魅力です。
SE
普段使いでも使い勝手の良いApple Watchを少しでも安く買いたいという人には、2022年発売のエントリーモデルであるSE(第2世代)がオススメ。
Apple Watch SE(第2世代)は、上位機種限定の機能である常時表示と血中酸素濃度、心電図、皮膚温を搭載していない代わりに、4万円以下で買えるコスパの良さが魅力の機種です。また、それら以外の機能(通知機能・通話機能・音楽再生機能・電子マネー機能・ワークアウト機能など)はSeries 8と同様に使えるため、iPhoneユーザーにとって使い勝手が良いのは間違いありません。
Ultra
Garminの機能性に魅力を感じるけどApple Watchの普段使いでの使い勝手の良さも捨てがたいという人には、2022年発売のプレミアムモデルであるApple Watch Ultraもオススメ。
Apple Watch UltraはApple Watch史上最大の49mmのチタニウムケースを採用したプロ向けの最上位モデル。−20度から摂氏55度までの過酷な環境でも使えるタフネスさに加え、Apple Watch史上最長の最大36時間(GPSモードで最大12時間)のバッテリー持ちを誇り、さらに屋外での圧倒的な視認性を誇る2000nitsの明るいディスプレイに、カスタマイズ可能な物理ボタンであるアクションボタンを備えたのが大きな特徴。おまけに高精度の2周波GPS機能も搭載し、アスリートや冒険家も満足出来る最強のApple Watchとなっています。
マラソン大会へ挑戦するならGarmin、日常使いするならApple Watchを選んでみよう
ランニングをするなら手元で手軽に走行距離や走行ペースの計測が出来るGPSウォッチを使ってみるのがオススメ。GPSウォッチとしてはGarminやApple Watchが特に人気ですが、ハーフマラソンやフルマラソンなどのマラソン大会での使用を前提に考えるならランニングでの使用に特化しバッテリー持ちにも優れるGarminがオススメ。ランニングシーンだけではなく普段使いもするならビジネスシーンやお出かけのシーンでも使い勝手の良いApple Watchがオススメ。
GarminのGPSウォッチとApple Watchはそれぞれに機能性や使い勝手に違いはあるものの、どちらも人気があり優秀なGPSウォッチです。是非、自分に合った方を選びランニングなどのワークアウトシーンや、ビジネスシーン、休日のお出かけなど様々なシーンで活用してみましょう。