健康管理のために毎日血圧を測って記録するなら、血圧計代わりに血圧測定機能付きスマートウォッチを活用してみるのがオススメ。スマートウォッチであればいつでもどこでも手元で気軽に血圧の計測が出来ます。特に厚生労働省より医療機器認可を受けた機種であれば、オムロンやタニタなどの医療機器メーカーが販売する家庭用血圧計と何ら遜色ない精度の高い血圧測定が手元で簡単に出来ます。
今回の記事では、血圧測定機能を搭載しているオススメのスマートウォッチを紹介しています。医療機器としての認証を受けた高精度の血圧測定機能搭載機種はもちろんのこと、もっと安く買える1万円以下の格安機種も紹介しています。また、スマートウォッチの血圧測定機能にはいくつか種類があり、それぞれで計測精度に大きな違いがあるのですが、それら種類と精度比較についても紹介しています。さらには、AppleやGARMIN、Galaxy、HUAWEIといった人気メーカーの血圧測定機能への対応状況も紹介しています。
目次
血圧測定機能付きスマートウォッチとは
血圧測定機能付きスマートウォッチとは、手元の操作のみで手軽に血圧を測定出来るスマートウォッチのことです。血圧計機能を有するスマートウォッチは普通の血圧計同様に、心臓が収縮して血液を送り出した時の血圧である「最高血圧(収縮期血圧)」と心臓が拡張した時の血圧である「最低血圧(拡張期血圧)」を測定出来ます。
また、機種によっては基準値を超えると血圧が高いことを知らせてくれるアラート機能がある商品もあります。ちなみに、日本高血圧学会が発行する「高血圧医療ガイドライン」によると、家庭で血圧を測る家庭血圧の数値が135/85mmHg以上である場合に高血圧と診断されるとあります。そのため、アラート機能もこの135/85mmHgを基準値としています。
普通の家庭用血圧計と比べてのメリットは?
血圧測定機能付きスマートウォッチを普通の家庭用血圧計と比べてのメリットは、測定したい時にすぐに測定出来ることと、外出先でも手軽に測定出来ることです。
一般的な家庭用血圧計で血圧測定する場合、計測器本体と細いチューブでつながる「カフ」と呼ばれる腕帯(バンドのようなもの)を上腕に巻き付けてから行う形となります。そのため、血圧測定に多少なりとも面倒な前準備が必要で、さらにかさばるために外出先へと持って行きにくい、あるいは人前で測定するのが恥ずかしいなんてデメリットがあります。
一方、血圧測定機能付きスマートウォッチであれば、朝起きてすぐに手元の操作だけで測定出来ますし、職場や旅行先へ持って行くのも簡単で人前でも恥ずかしさなく測定出来ます。もちろん、血圧測定機能付きスマートウォッチは商品により測定精度がマチマチでものによっては測定結果がデタラメな数値の商品もありますが、高精度の機種を選べば普通の家庭用血圧計よりも便利に活用出来ます。
血圧測定機能付きスマートウォッチの測定方式別の精度比較
オシロメトリック法 | 光学式+キャリブレーション | 光学式 | |
---|---|---|---|
日本国内での認可 | ○ | - | - |
血圧測定精度 | ◎ | ○ | △ |
初めて血圧測定機能付きスマートウォッチを選ぶ際に、絶対に注意しておきたいのが血圧測定方式です。血圧測定方式により血圧測定結果の精度はかなり違ってきます。現状の血圧測定の方法には、一般的な血圧計同様にカフ内蔵で血管を圧迫するタイプの「オシロメトリック法(非光学式)」と、カフ非搭載で血管を圧迫せず光学センサーを使って計測する「光学式」があります。さらに、光学式にも計測結果に補正を加えるキャリブレーション機能搭載のもの(光学式+キャリブレーション)と、普通の光学式のものがあります。つまり、計3種類あります。
①オシロメトリック法(カフ搭載)
スマートウォッチの血圧測定機能の中で一番計測精度が高いのが、オシロメトリック法を採用する機種です。オシロメトリック法とは、カフに空気を加圧して徐々に空気を排気する際に、動脈血管上のカフに生じる圧振動(圧脈波)を元に血圧値を導き出す測定方法です。このオシロメトリック法は、病院と家庭問わず現在の血圧測定法の主流となっているものです。
最新のスマートウォッチでは、加圧するためのカフを小型化しバンドに内蔵しています。さらに圧振動(圧脈波)を感知するための圧センサーなども小型化しウォッチへと内蔵しています。それにより、スマートウォッチでも正確に血圧測定出来るよう、オシロメトリック法を採用した血圧測定を実現しているのです。
通常、血圧計は医療機器に該当します。そのため、他の血圧計同様に血圧測定機能付きスマートウォッチも「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」に基づき厚生労働省の認可が必要になります。現状、厚労省より医療機器として、つまりちゃんと正確な血圧を測定出来るものとして承認されているのは、オシロメトリック法採用の機種のみです。そして、実際の製品は医療機器メーカーであるOMRON(オムロン)製のスマートウォッチのみです。
②光学式+キャリブレーション
血圧測定機能付きスマートウォッチには、加圧するためのカフを搭載せずに光学式心拍計のように光学センサーで血圧測定出来る光学式の機種もあります。光学式血圧計搭載機種の場合、光を放射し血管内に巡る血流の体積変化や電気信号を読み取るPPGセンサーやECGセンサーを活用し、取得出来たデータを基に血圧値を推定します。
一般的には光学式血圧計搭載の機種は、オシロメトリック法採用(カフ内蔵)のスマートウォッチや、一般的な血圧計に比べ計測数値に誤差があり、正確な数値を測定出来ないなんてこともあるのですが、「光学式+キャリブレーション」の機種なら、ある程度信頼出来る数値を確認できます。
光学式+キャリブレーションの機種は、Samsungが販売するGalaxy Watch4に採用されている血圧測定法です。最初にウォッチでの計測に加え、普通の血圧計でも3度計測しその数値をウォッチ側へと取り込み、ウォッチでの計測精度を補正します。それにより、以後はウォッチだけで精度の高い血圧測定が出来るようになっています。ただし、この方法は日本国内での認可は取得されていないため、現状はGalaxy Watch4の血圧測定機能は利用できません。
③光学式
今現在、Amazonや楽天市場を始めネット通販で販売されている血圧測定機能付きスマートウォッチのほとんどが光学式血圧計です。Galaxyのようなキャリブレーション(補正)はせず、純粋に光学センサーで取得したデータを基に最高血圧と最低血圧の数値を推定する形のものです。
現状、光学式の血圧測定機能の測定精度はかなり低いです。そのため、AppleやGARMIN、HUAWEIといった有名なメーカーどころは光学式の血圧測定機能搭載のスマートウォッチは販売していません。現在販売されている血圧測定機能付きスマートウォッチは海外のノーブランドの安い機種ばかりです。そのため、計測結果の精度についてはあまり期待しない方がいいです。
スマートウォッチの人気メーカーの血圧測定機能の対応状況
血圧測定機能 | 海外認可取得 | 日本国内認可取得 | |
---|---|---|---|
OMRON | ○ | ○ | ○ |
Apple | - | - | - |
GARMIN | - | - | - |
Galaxy | ○ | ○ | - |
HUAWEI | ○ | ○ | - |
Fitbit | - | - | - |
Xiaomi | - | - | - |
スマートウォッチの人気メーカーと言えば、iPhoneでお馴染みの米国大手ITメーカーである「Apple(アップル)」、スポーツ・アウトドアウォッチとして人気の高い「Garmin(ガーミン)」、韓国の大手企業であるSamsungによる「Galaxy(ギャラクシー)」、中国の人気メーカーである「HUAWEI(ファーウェイ)」、フィットネストラッカーとして長く人気を誇る「Fitbit(フィットビット)」、中国のコスパ最強メーカーである「Xiaomi(シャオミ)」あたり。
2022年7月現在で血圧測定機能を搭載したスマートウォッチを販売しているのが、このメーカーの中でGalaxy(ギャラクシー)とHUAWEI(ファーウェイ)の2社のみです。ただし、どちらの製品も日本国内での医療機器認可を取得していないため、2社の製品ともに日本で血圧測定機能は利用できません。
現状、有名メーカーで日本国内の医療機器として厚労省よりしっかり認可を得ているのは、家庭用血圧計でもお馴染みの日本の大手医療機器メーカーであるOMRON(オムロン)のスマートウォッチのみです。
血圧測定機能付きスマートウォッチのおすすめ【日本国内認可取得済み】
OMRON HCR-6900T-M
家庭用血圧計に代わる精度の高い血圧測定機能付きスマートウォッチを選びたいなら、オムロンの血圧測定機能搭載スマートウォッチである「HCR-6900T-M」一択です。この製品は、通常の血圧計同様にカフによる加圧を利用し血圧測定するオシロメトリック法採用の機種で、日本国内で唯一医療機器認定を受けた製品となっています。
HCR-6900T-Mの魅力は、いつでもどこでも手元で正確に血圧測定出来るところ。カフを小型化しバンド内に内蔵し、さらに圧力センサーや電圧ポンプも小型化しウォッチ内へと内蔵。手元で現在の主流であるオシロメトリック法による血圧測定を実現した凄い機種です。また、より正しい計測が出来るように測定時にウォッチが正しい高さになってから測定が開始する測定姿勢ガイド機能も搭載しています。さらに、血圧値が家庭血圧の基準値(135mmHg)以上になった時にディスプレイが赤色になって知らせてくれる嬉しい機能もあります。
また、普通のスマートウォッチ同様に時計表示機能、着信やメール受信などの通知機能、活動量計機能、睡眠計測機能、服薬時間リマインド機能もあります。バッテリーも最大48時間持つので、健康管理のためのスマートウォッチとして便利です。
血圧測定機能付きスマートウォッチのおすすめ【日本国内認可未取得】
Galaxy Watch4
たくさんの便利機能を搭載した血圧測定対応スマートウォッチを選びたいという人には、「Galaxy Watch4」がオススメ。Galaxy Watch4は現状は日本国内で血圧測定機能は利用出来ないものの、健康管理やワークアウトなどを始め様々な便利機能を搭載したハイスペックスマートウォッチとなっています。
Galaxy Watch4は高機能が売りのスマートウォッチですが、その中でも目玉機能となるのが体組成機能です。手元で骨格筋や体脂肪量、体脂肪率、体内の水分、BMIなどを測定できます。また、人気の健康機能となっている心拍モニタリングや睡眠計測、血中酸素濃度測定も搭載しています。血圧計同様に日本国内ではまだ認可が取得できていないため利用出来ませんが、心電図機能にも対応しています。健康機能では現状最強のスマートウォッチと良いぐらいに健康関連の機能が非常に充実しています。
また、Wear OS搭載であるため、Google Playストアへアクセス出来、そこで数あるアプリの中から好きなアプリを選び、ウォッチで出来ることをどんどん拡張していけるのも魅力です。Galaxy Watch4ならSpotifyやGoogle Fit、Google Mapもウォッチで利用できます。
itDEAL スマートウォッチ(H2)
1万円以下で買える安くて血圧測定機能付きスマートウォッチを選びたいという人には、高コスパで人気のメーカーであるitDEAL(HiTDEAL)のスマートウォッチ(H2)がオススメ。
itDEALのH2は、光学式の血圧測定機能を搭載しながら5千円以下で買えるコスパの良さが魅力です。さらに、血圧測定以外にも、血中酸素濃度測定機能に、体温計機能、心拍数機能、睡眠計測機能も搭載しています。これだけの最新ヘルスケア機能が搭載されていながら5千円以下で買えるという信じられないぐらいにお買い得な製品となっています。
また、バッテリーは最大15時間とロングバッテリーで、スポーツも23種類に対応と、非常に使い勝手の良いスマートウォッチとなっています。
fafi スマートウォッチ
おしゃれで可愛いデザインの血圧測定機能付きスマートウォッチを選びたいという女性には、fafiのスマートウォッチがオススメ。
fafiのスマートウォッチは約5千円の格安機種とは思えないぐらいおしゃれで可愛く、高見えするアイテムとなっています。さらに、画面は1.69インチと大きくて見やすく、文字盤は100種類以上と豊富なので、その時々に合わせたオシャレを楽しむことが出来ます。また、健康機能として血圧測定に、血中酸素濃度、体温、睡眠計測も備え、さらに女性に嬉しい生理周期トラッキング機能も備えるなど機能面でもバッチリのスマートウォッチです。
Bearoam スマートウォッチ(F15)
ビジネスシーンにも使いやすい丸型のおしゃれでカッコいい血圧測定機能付きスマートウォッチを選びたいという人には、Bearoamのスマートウォッチ(F15)がオススメ。
Bearoamの15は、普通のファッションウォッチのように丸型でスタイリッシュなデザインが特徴。バンドはスポーツウォッチ定番のシリコンバンドに加えて、レザーバンドも付属しています。そのため、スーツ姿のビジネスシーンでも何の違和感もなく着用出来ます。また、IP67の防水性能を誇り、24種類の運動モードを備えるため、スポーツ・フィットネスシーンでも重宝すること間違いありません。健康機能としては、血圧測定に近年人気の血中酸素濃度測定機能、体温計も備えています。
ceyot スマートウォッチ
メタルバンドの血圧測定機能付きスマートウォッチが欲しいという人には、ceyotのスマートウォッチがオススメ。
ceyotのスマートウォッチは、ウォッチ本体もバンドもシルバーメタルで高級感がありカッコいい見た目が特徴です。さらにバンドはメタルバンドだけではなくレザーバンドも付いており、その時々に合わせて違うスタイルを楽しむことが出来ます。また、7千円以下の格安機種ながら、スピーカーとマイクを内蔵しBluetooth通話に対応しているのも魅力。ウォッチ側で電話応答しそのままハンズフリー通話出来るので非常に便利です。さらに、音声アシスタントによる音声操作にも対応するなど、かなり高機能なウォッチとなっています。
デザイン性に優れた血圧測定機能付きスマートウォッチを選ぶなら、Lanavidaのスマートウォッチもオススメ。
Lanavidaのスマートウォッチは、7千円以下とは思えない高級感漂うデザインとなっています。また、健康機能では血圧測定に、血中酸素濃度、心拍数モニタリング、睡眠計も搭載。さらに、マイクとスピーカーを内蔵し時計側でBluetooth通話(ハンズフリー通話)が可能です。そのほかにも、天気予報表示やカメラ制御、座りすぎ防止機能、呼吸訓練、音楽コントロール、ゲームなどかなり高機能なウォッチとなっています。
スマートウォッチでもっと手軽に血圧を測ってみよう
健康管理のために血圧を測るなら、出来るだけ毎日測ることが大切です。睡眠中も着用するスマートウォッチであれば、朝起きてすぐにボタンを押して血圧計測が可能です。さらに、職場や旅行先へ行っている場面でも、スマートウォッチであれば手元で手軽に血圧測定が出来ます。
血圧測定機能付きスマートウォッチがあればいつでもどこでも手軽に血圧測定できるため、是非活用してみましょう。もちろん、スマートウォッチの血圧測定の精度は製品によりピンキリなので、健康のためにちゃんとした精度で測りたいという人は医療機器認可されているものを選んでみるのがオススメです。