フルマラソンで3時間30分切り(サブ3.5)を目指すなら、反発性・軽量性・グリップ性・フィット性に優れた中上級者向けランニングシューズを選ぶのがオススメ。さらに、「反発力を最重要視したい」「サブ3.5達成へ少しでもシューズの力を借りたい」というランナーは、国内外の一流マラソンランナーや箱根駅伝を走る学生トップランナー達がこぞって着用するカーボンプレート搭載厚底シューズを選んでみるのもオススメです。
今回の記事では、フルマラソンでの3時間30分以内での完走を目指す市民ランナー向けに、カーボンプレート搭載厚底シューズや薄底シューズも含め、オススメのサブ3.5用マラソンシューズを紹介しています。また、サブ3.5用シューズはどんなところに着目して選んだら良いのかオススメの選び方も紹介しています。次回のマラソン大会で、本気でサブ3.5の達成を目指すランナーは、勝負レーシングシューズを選ぶ際の是非参考にしてみてください。
フルマラソンでサブ3.5を達成するためのシューズの選び方
フルマラソンを走り切った全完走者の上位10〜15%(女性の場合は上位3〜5%)のランナーのみが到達出来るのがサブ3.5。キロ5分を切るペースで42.195kmを走り切らないといけないため、簡単に到達出来る領域ではありません。
そんな難易度の高いサブ3.5を達成するためには当然、日々のたゆまぬ努力が必要です。そして、さらにレース当日に着用する勝負シューズ選びも重要になってきます。基本的に、フルマラソンで3時間30分を切るためには、反発性が高くて軽量性に優れ、さらにエネルギーロスを少なくする走行効率性の高いもの、フィット性やグリップ力にも優れるものを選ぶ必要があります。
①42.195kmをキロ5分を切るペースで走り続けるための反発性が重要
キロ5分を切るペース(実際にはキロ4分58秒ペース)で走り続ける必要があるサブ3.5(3時間30分切り)を達成するためには、ランニングシューズの反発機能が重要になってきます。一つ前段階のサブ4(4時間切り)のキロ5分40秒ペースと比べても結構ハードルが上がっているため、当然サブ4用シューズよりも高い反発性能が必要です。
ランニングシューズの反発性能は基本的にミッドソールに搭載されるクッショニング素材によって変わります。例えば、ミズノのMIZUNO ENERZY LITE(ミズノエナジーライト)やナイキのZoomX(ズームX)、アディダスのLIGHTSTRIKE PRO(ライトストライクプロ)、プーマのNITRO ELITE FOAM(ニトロエリートフォーム)なんかがクッション性もありながら高い反発力を持つソールとして有名です。サブ3.5用シューズを選ぶなら、そういった高反発素材をミッドソールに採用したモデルを選ぶのがオススメです。
②より高反発を求めるならカーボンプレート搭載シューズを選んでみるのがオススメ
悲願のサブ3.5達成へ少しでもシューズの力を借りたいというランナーや、サブ3.15(3時間15分切り)を狙いたいというランナーは、より高い反発力が得られるカーボンプレート搭載厚底シューズを選んでみるのがオススメです。
カーボンプレート搭載厚底シューズとは、ボリュームあるソールの間に硬いカーボンプレートを挟み込んだシューズのこと。厚底ソールにより着地時の衝撃を緩和する優れたクッション性を備えながらも、着地時にしなったカーボンプレートの跳ね返りにより通常のシューズにはない高次元の反発力を得られるのが特徴です。カーボンプレートを搭載していない一般的なシューズと比べると履きこなすために慣れが必要ですが、高い反発力を爆発的な推進力へと活かせるため、シューズの力を最大限に得たいランナーや、サブ3.5の少し上のレベルのサブ3.15を目指すランナーに最適です。
③シューズの重みを感じない軽量性も大切
サブ3.5用シューズを選ぶなら軽量性も重要です。重たいシューズだと走る距離が長くなるほどシューズの重みが足の疲労の原因となったり、ストレスの原因となったりします。さらに、重たいシューズほど着地時に地面からの反発力を得にくいというデメリットもあります。
フルマラソン3時間30分切りを目指すシューズとしては、200〜280gあたりがオススメです。300g以上のシューズはクッション性や安定性に優れているためサブ4までなら良いのですが、反発性という点ではサブ3.5用としては物足りない場合が多いです。300g以上のシューズは出来るだけ避けるのが無難です。さらに、200g未満だと逆にクッション性が低すぎて、足への負担が大きくレース後半で足が思うように動かなくなり失速する可能性があるため、200g未満の軽量過ぎるシューズも避けておくのがオススメです。
④走行効率性を高めるソール構造が望ましい
本気でサブ3.5を目指すなら、ランニングシューズのソール形状に着目してみるのもオススメ。基本的につま先が反り上がったような弓状のソール形状のシューズの方が、着地から蹴り出しまでの流れの中でスムーズに前方向へと体重移動が出来、エネルギー消費を抑えた効率的な走り方が出来るようになります。
特に、asics(アシックス)が採用するGUIDESOLE(ガイドソール)テクノロジーがまさにそれで、つま先を弓状のソール形状にすることにより、少ないエネルギーで足を前へと運ぶような走行効率性の高い作りとなっています。また、HOKA ONE ONE(ホカオネオネ)が採用するメタロッカー構造も、かかとからつま先にかけてロッキングチェアの脚のようなカーブを描いたソール形状となっているため、着地した瞬間から自然と前方向へと身体を運ぶ構造となっています。こういったテクノロジーを搭載したシューズが、ランニングエコノミー向上に一役買ってくれ、サブ3.5の達成をアシストしてくれます。
⑤蹴り出し時のグリップ力の高さも欠かせない
最後に、アウトソールのグリップ力の性能も見逃せないところです。サブ3.5を達成するためには、蹴り出し時にしっかりと地面を捉え、エネルギーロスなしに地面へとパワーを伝えたいところ。グリップ力の低いシューズだとエネルギーロスが生まれるため、無駄に疲れてしまいがちですが、グリップ力に優れたシューズなら無駄に体力を消耗することなく、効率よくスピードを出すことが出来ます。特に路面が濡れていて滑りやすい雨の日のマラソン大会で、このグリップ力の差が大きな差となります。
例えば、アシックスは耐久性にも優れたグリップ力抜群の3D TETRA SOLEを、ミズノは軽量性とグリップ力両方を兼ね備えるG3 Soleを、アディダスは自動車のタイヤにも使われていてどんな天候かでも抜群のグリップ力を発揮するContinentalラバーを、プーマは抜群の耐久性とグリップ力を誇るPUMA GRIPをそれぞれのシューズへと搭載し、高いグリップ性能を実現させています。
サブ3.5用ランニングシューズのオススメ【メンズ・レディース】
アシックス ハイパースピード2
フルマラソンサブ3.5達成へ定番のasics(アシックス)のランニングシューズを選ぶなら、「HYPER SPEED 2(ハイパースピード2)」がオススメ。ハイパースピード2は、カーボンプレート比搭載の厚底軽量レーシングシューズで、サブ3.5用にぴったりのシューズ。
アシックスのハイパースピード2の最大の特徴は、優れた走行効率性を誇りサブ3.5達成をアシストしてくれるところ。アシックスのトップ選手向けシリーズであるMETASPEED SERIES(メタスピードシリーズ)にヒントを得て、"より少ないエネルギーでより速く走る”をコンセプトに、GUIDESOLE(ガイドソール)テクノロジーを搭載。つま先が弓状に上がったソールを採用し、さらに剛性の高い前足部との連動により、足首の屈曲を最小限に抑えエネルギー消費の少ない走りを実現させてくれるシューズとなっています。さらに、軽量で反発性も十分にあり、フルマラソン3時間30分切りを目指すランナーに最適です。
もちろん、軽量ながらも厚底のソール(FLYTEFOAM)による優れたクッション性も期待出来るため、レース後半までしっかりと足に余裕を持たせることが出来ます。
アシックス ターサーエッジ3
昨今人気の厚底よりも薄底を好むランナーには、asics(アシックス)定番の薄底シューズである「TARHEREDGE 3(ターサーエッジ3)」がオススメ。ターサーエッジ3は長く中上級者ランナーの足元を支えてきたターサージールの後継モデル。
アシックスのターサーエッジ3の最大の特徴は、自分の足で地面を蹴る感覚を得やすく、操作性にも優れた薄底シューズであるところ。厚底シューズはシューズに走らされる感覚ですが、薄底シューズはしっかりと自分の足で走る感覚があり、42.195kmを制覇した際の達成感はひとしおです。厚底シューズよりも昔から定番の薄底を選びたいというランナーにはサブ3.5用に間違いのない一足です。
また、ミッドソールには軽量で反発性のあるクッショニング素材であるFLYTEFOAM(フライトフォーム)が採用されており、アウトソールの前足部にはグリップ性抜群で耐久性にも優れる3D TETRA SOLEが採用されているため、しっかりと地面を捉え蹴り出し時に強い反発力を得られるため、サブ3.5達成へ力強い走りが可能となっています。
ミズノ ウエーブエアロ20+R
国内メーカーとして人気のmiuzo(ミズノ)のサブ3.5用ランニングシューズを選ぶなら、「WAVE AERO 20+R(ウエーブエアロ20+R)」がオススメ。ウエーブエアロ20+Rはフルマラソン3時間30分切りを目指すランナー向けにサブ3.5突破性能を備えて登場したミズノのサブ3.5専用シューズです。
ミズノのウエーブエアロ20+Rの最大の特徴は、サブ3.5達成用に最適化されたベストバランスのランニングシューズであるところです。ミッドソールにはミズノ独自の軽量性に優れ反発性も高いMIZUNO ENERZY LITEを上層部に採用し、踵部には反発性とともにクッション性にも優れるMIZUNO ENERGYを搭載しています。さらに、ミズノの代表的な機能であるMIZUNO WAVEも搭載し着地時の安定性も高めています。軽量性・反発性・安定性・クッション性と全ての機能面でサブ3.5レベルのランナーに最適なチューニングが施されているため、サブ3.5用にバランスの取れたシューズを選ぶならかなりオススメです。
また、アッパーには伸縮性に優れたスムーズストレッチウーブンが採用され、ベロと履き口が一体構造となったブーティー構造も採用しているため、足との一体感が高くフィット性も抜群です。
ナイキ ズームフライ5
高反発シューズを履いて意地でもサブ3.5を達成したい、サブ3.5だけではなくサブ3.15(3時間15分切り)も狙えるなら狙いたいというランナーには、NIKE(ナイキ)の「ZOOM FLY 5(ズームフライ5)」がオススメ。ズームフライはナイキのカーボンプレート搭載厚底シューズのエントリーモデル(廉価版)で、サブ3.5〜サブ3.15を目指すを目指すランナーに人気のシューズ。
ナイキのズームフライ5の最大の特徴は、世界記録保持者も着用するナイキの厚底シューズ特有のカーボンプレートによる高次元の反発力を体験できるところ。ズームフライ5にはフルレングスの立体的なプレートが搭載されており、着地時にしなったプレートの跳ね返りを進行方向へと進む爆発的な推進力へと活かすことが出来ます。また、ミッドソールには上級モデルにも採用されているZoomXフォームが搭載されていて、このフォーム自体の高反発を得られるのも魅力。また、厚底で十分なクッション性もあるため、着地衝撃から足を守りレース後半での足バテを防ぐことも期待出来ます。
また、ナイキの上級者向けのヴェイパーフライシリーズやアルファフライシリーズと比べて安定性の高いモデルとなっているため、サブ3.5を目指すランナーでも着用しやすいカーボンプレート搭載厚底シューズとなっています。ナイキの厚底を試すなら間違いなくオススメの一足です。
アディダス アディゼロボストン11
フルマラソン3時間30分切りへadidas(アディダス)のランニングシューズを選ぶなら、「ADIZERO BOSTON 11(アディゼロボストン11)」がオススメ。アディゼロボストン11は、アディダスを代表するサブ3.5用シューズです。
アディダスのアディゼロボストン11の最大の特徴は、アディダス独自の5本指カーボンであるENERGY RODS(エナジーロッド)を搭載しているところ。通常のカーボンプレートとは異なる5本骨状バーを前足部に搭載し、高い反発力を得られると同時に通常のカーボンプレートよりも足の自由度が高く自然な走り心地である点が魅力。そのため、カーボンプレート搭載シューズ初心者でも履きこなしやすいシューズとなっています。また、ミッドソールには上層部に軽量性で反発性の高いLIGHTSTRIKE PRO(ライトストライクプロ)が、下層部にクッション性と安定性、耐久性にも優れるLIGHTSTRIKE EVA(ライトストライクEVA)が搭載されているため、非常にバランスの取れた厚底カーボンシューズとなっています。
また、アウトソールにはグリップ性の高いContinental Rubberが採用されているため、雨の日の濡れた路面を走る場合でもしっかりと路面を捉えることが出来るため雨の日のマラソン大会でも安心です。
ホカオネオネ カーボンX3
初めてでも履きやすいカーボンプレート搭載の高反発シューズを選びたいという人には、HOKA ONE ONE(ホカオネオネ)の「CARBON X 3(カーボンX3)」がオススメ。
ホカオネオネのカーボンX3の最大の特徴は、クセがなく初めてでもすぐに履きこなしやすいカーボンプレート搭載厚底シューズであるところです。一般的なカーボンシューズと比べ、着地時の沈み込みが少なく適度な硬さがあるソールであるため、着地時の安定性が高く初めてでも使いこなしやすくなっています。もちろん、それでいてしっかりとカーボンプレートによる高反発を得られるのが魅力です。また、ホカオネオネらしいかかとからつま先まで曲線状になったロッカー構造を採用しているため、比較的どこからでも着地しやすいシューズとなっているのも魅力的です。
また、左右非対称のアシメントリーカラーとなっているのもカッコよく、着用すると間違いなくテンションの上がる一足となっています。
ブルックス ハイペリオンテンポ
軽量性と反発性を重視してサブ3.5用シューズを選びたいランナーには、BROOKS(ブルックス)の「HYPERION TEMPO(ハイペリオンテンポ)」がオススメ。
ブルックスのハイペリオンテンポの最大の特徴は、サブ3.5用シューズとしては最軽量クラスとなる207gの軽さを誇るところです。軽量性に優れ、さらにミッドソールにはクッション性とともに反発性に優れたDNA FLASHを採用しているため、楽にスピードを出せるシューズとなっています。もちろん、軽量で高反発ながらもDNA FLASHによる適度なクッション性もあるため、足への負担を抑えつつレース後半へしっかりと足を残して走ることが出来ます。
また、アッパーには伸縮性に優れたパフォーマンスフィットアッパーを採用しているためフィット感も抜群です。
プーマ ディヴィエイトニトロ2
サブ3.5達成へPUMA(プーマ)のランニングシューズを選ぶなら、「DEVIATE NITRO 2(ディヴィエイトニトロ2)」がオススメ。ディヴィエイトニトロ2は、サブ3.5レベルのカーボンプレート搭載シューズ。
プーマのディヴィエイトニトロ2の最大の特徴は、カーボンプレートを搭載し反発性に優れているところ。プーマ独自の高反発ソールであるNITRO ELITE FOAM(ニトロエリートフォーム)内のつま先部分にカーボンファイバープレートであるPWRPLATE(パワープレート)を搭載することで、優れた推進力を生み出すシューズとなっています。
また、アウトソールにはプーマ独自のPUMA GRIP(プーマグリップ)を採用し、あらゆる路面状況でも高いグリップ力を発揮出来るようになっているのも魅力です。
アンダーアーマー UAホバー ソニック5
サブ3.5達成へ最先端のランニングシューズを選ぶなら、UNDER ARMOUR(アンダーアーマー)の「UA HOVER SONIC 5(UAホバーソニック5)」もオススメ。
アンダーアーマーのUAホバーソニック5の最大の特徴は、走ることで様々なランニングデータを収集出来るスマートシューズであるところ。シューズのミッドソール内にセンサーを内蔵していて、スマホアプリのMAP MY RUN(マップマイラン)と連動することで、走ったタイムや距離、さらにフォーム分析に役立つピッチやストライドの長さ、接地時間を収集出来る優れものです。また、走りながら収集したデータを元にリアルタイムにコーチングを受けられるのも魅力です。そのため、サブ3.5達成へとランニングエコノミーを改善していきたいというランナーにはかなり頼もしいシューズとなっています。
また、ミッドソールに採用されているUAホバーはクッション性と反発性に優れているのも特徴で、シューズ自体の走行能力も非常に優秀です。
軽量で反発性に優れたシューズを履いてフルマラソンでのサブ3.5を達成しよう!
フルマラソンでのサブ3.5は上位10〜15%程度の限られたランナーのみが達成出来るハードルの高い領域です。ただし、難易度が高いからこそ、日々のトレーニングで過ごしてきた時間が濃いからこそ、辛い時も多かったからこそ、達成した時の達成感は格別なものとなるはずです。
フルマラソンで3時間30分切りを目指す上ではシューズも非常に大切です。是非、アシックスやミズノ、アディダス、ナイキなどの高反発シューズを履いて目標のサブ3.5達成へともうひと頑張りしてみましょう。