LT値を向上させるためのマラソントレーニングの3つのポイント

マラソンの能力を示す重要指標の一つ”LT値”について紹介させていただきます。また、LT値を向上させるためのマラソントレーニングのポイントについて紹介しています。LT値が気になる方は是非参考にしてみてください。

LT値とは

出典:https://www.goldwin.co.jp/c3fit/archive/running_event/report06.html

LT値とは「Lactate Threshold(乳酸性閾値)」の略。LT値は、運動中、運動強度が大きくなるにつれて、血中の乳酸濃度が急激に上昇するポイントのことです。LT値を超えるまでは、まだペースを上げる余裕がありますが、LT値を超えると、体がきつくなり、ペースを上げることも、ペースを長く維持することも難しくなってきます。このLT値は、人によって大きく異なります。6分00秒/kmペースで走りはじめ、5分00秒/kmペースになった時にLT値を迎える人もいれば、4分15/kmペースでようやくLT値になる人もいます。

このLT値は、運動強度が高い時になってようやく到達する人ほど、持久力に優れていることを示す指標となります。同じペースで段階的にペースを上げていっても、すぐにLT値になってしまう人もいれば、なかなかLT値に到達せず余裕を持った状態で長く走り続けられる人がいます。このLT値を向上させることが出来れば、持久力も向上し、マラソンのタイム向上につながります。

LT値とAT値の違い

LT値はAT値はおなじようなもの。ほぼ同じものと考えて問題はありません。厳密に説明すると、AT値(無酸素性作業閾値)は、有酸素運動から無酸素運動に切り替わる転換点となるポイント。ウォーキングの場合は脂肪を主なエネルギー源とする有酸素運動。100mダッシュは糖質を主なエネルギー源とする無酸素運動。ウォーキングからランニング、速いランニングへと運動強度が大きくなるにつれて、エネルギー代謝における脂肪と糖質の割合が「1:1」へと近づき、ついには糖質の割合が大きくなり、有酸素運動から無酸素運動へと切り替わります。この転換点がAT値。AT値は数値というよりも、この転換点の概念のことをAT値と呼びます。

一方、LT値はAT値を迎える時の数値のこと。運動強度が高くなるにつれて、血中乳酸濃度が急激に上昇する、つまり有酸素運動から無酸素運動へ切り替わるポイントを数値化したもの。AT値はそのポイントの名称のことであり、そのポイントの数値がLT値です。つまり、AT値というポイントを決定するものがLT値という数値です。

LT値を測定する方法は主に3つ

その1、走行中の血中乳酸濃度を測定

LT値を正確に測定する場合は、専門的な測定を受ける必要があります。専門的な測定というのは、トレッドミルを使用した測定です。トレッドミル上で3~5分間程度、ランニングを行います。段階的にペースを上げるランニングで、最終的に限界までペースを上げます。

この測定時に指先から血液を採取し、各ペース(運動強度)による血中乳酸濃度の変化を測定。それにより、血中乳酸濃度が急激に上昇するLT値を導き出します。LT値を正確に把握したい場合は、この専門的な測定方法がおすすめ。自分自身のLT値を正確に把握したい場合は、この測定を行っている専門機関を当たってみましょう。

その2、換気性作業閾値を測定

LT値の代わりに換気性作業閾値(VT)を測定するという方法もあります。換気性作業閾値とは、呼気中の二酸化炭素排出量または換気量からATを決定する数値のこと。運動中に、運動強度が上がっていくと、血中の乳酸濃度が上昇するように、呼気中の二酸化炭素の排出量も増加します。ATに到達するタイミングで、血中乳酸濃度が急激に上昇するように、同じようなタイミングで呼気中の二酸化炭素の排出量が急激に増加するため、VTを測定することでも、LTを測定することとほぼ同じです。ただ、こちらの場合もLT同様に専門機関で測定してもらう必要があります。

その3、心拍数から簡単に測定

専門機関で測定してもらうだけではなく、簡単な計算式からLT値を測定することも可能です。もちろん、専門機関による測定に比べると精度は落ちるものの、自分のLT値を知る一つの目安にはなります。その計算方法は至って簡単。

(最大心拍数-年齢-安静時心拍数)x0.75+安静時の心拍数

上記の計算式で簡易的なLT値を導き出すことが出来ます。また、最大心拍数は「220-年齢」で導きだすことが出来るため、「(220-年齢-年齢-安静時心拍数)x0.75+安静時心拍数」で計算してみると良いでしょう。この計算式で導きだされた心拍数が、LT値に送達するときの心拍数の目安となります。

LT値を向上させるためのトレーニングのポイント

ポイント1、まずは自分のLT値を把握しよう

LT値を向上させることで、同じペースであっても、より楽により長い距離を走れるようになります。つまり、LT値を向上させることは、マラソンのような持久系スポーツのパフォーマンス向上に直結するのです。

LT値を向上させるためには、まずは自分自身のLT値を把握することが大切です。まずは簡単にLT値を導き出すことが出来る、上記で紹介した簡易的な計算式で算出してみましょう。より詳しいLT値を知りたい場合は、専門機関を受診してトレッドミルによる測定を行ってみてください。

ポイント2、LT値の少し下ぐらいのペースで走る

LT値を把握したら、次はそのLT値を意識したトレーニングを実践しましょう。LT値を向上させるためには、LT値よりやや下ぐらいのペースで走ることが効果的です。心拍数155の時にLT値を迎える場合は、それよりやや下ぐらいの心拍数150ぐらいを目安にペース走を行ってみましょう。ペース走を走り終えた時に平均心拍数が150ぐらいで走れていたら、LT値向上の良い走りが出来たということです。走る距離は普段走っている距離と同じで大丈夫です。がむしゃらに走るのではなく、LT値よりやや下ぐらいのペースで走ることで、楽に走れるペースを底上げしていくことが出来ます。

また、LT値を意識したトレーニングが出来るように、心拍計付きのランニングウォッチを持っておくと便利です。心拍計付きランニングウォッチなら、LT値を意識したトレーニングもより効率的に行うことが出来ます。

ポイント3、LT値はコンディションによっても変化する!自分のLT値を感覚で覚えよう

LT値はその時のコンディションやコースによっても大きく変化します。そのため、LT値で走っている時の体感や感覚をしっかり自分の中で覚えておくと良いです。そうすれば、体調が良い時も体調が良くない時も、コンディションに左右されることなく、LT値を意識したトレーニングをこなすことが出来ます。

LT値よりやや下ぐらいのペースは、感覚的には、つらさはあるもののまだペースを上げるだけの余力があるぐらいの強度です。LT値を意識してトレーニングを続けていけば、なんとなく感覚でLT値のペースはこのぐらいかなと分かるようになります。LT値を意識して走る時は、走る時の感覚も意識して走るようにしましょう。

RUNNAL編集部

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