マラソンを走る全ての市民ランナーの憧れであるフルマラソン3時間切り(サブ3)を目指すなら、大会当日に着用するシューズは軽量性と反発性に優れた上級者向けレーシングシューズがオススメ。特に近年サブスリーを目指すランナーの定番の勝負シューズとなっている、高反発かつ高クッションの厚底カーボンシューズを選んでみるのがオススメです。
今回の記事では、次回参加予定のフルマラソン大会で悲願のサブ3(サブスリー)達成を目指すランナー向けに、世界陸上や箱根駅伝でもお馴染みのカーボンプレート入り厚底シューズも含め、オススメのサブ3用マラソンシューズを厳選して紹介しています。さらに、サブ3用シューズのオススメの選び方についても紹介しています。今度の大会で絶対にサブスリーを達成したいというランナーは是非参考にしてみてください。
フルマラソンでサブ3を達成するためのシューズの選び方
日本全国に数多いる市民ランナーの中でも上位3%のみが到達出来る頂が、フルマラソンでの3時間切り(サブ3)。そんな難易度の高いサブ3を達成するためにはレースシューズ選びも重要で、特に軽量性と反発性に優れたシューズをチョイスすることが大切。さらに、足へとフィット感や路面をしっかりととらえるためのグリップ力も高さも重要です。
特に最近はナイキのヴェイパーフライシリーズやアルファフライシリーズなどを始めとするカーボンプレート入りの厚底シューズがサブ3用シューズとして主流となっているので、どんなカーボンプレートをどんなミッドソール素材に挟み込んでいるのか、スイートスポットの位置や広さはどんなものか、着地時の安定性もあるのか、などに着目しながら自分に合ったシューズを選んでみるのがオススメです。
1、高反発の厚底カーボンシューズが人気
キロ平均4分15秒ペースで42.195kmを走り続ける必要があるサブ3では、着用するランニングシューズの反発性が重要です。そこで今選びたいのが、従来のランニングシューズによりも優れた反発力が期待出来るカーボンプレート搭載厚底シューズです。今や、オリンピックや世界陸上を走るトップ選手だけではなく、サブ3を目指して走る市民ランナーのシューズとしても定番となっているため、本気でサブ3を目指すなら厚底カーボンシューズを選んでおいて間違いありません。
厚底カーボンシューズは、ミッドソールに挟み込まれたカーボンプレートが着地時の衝撃で大きくしなり、そこからプレートが元に戻ろうとする跳ね返りによってランナーを前方へと強く押し出してくれるのが大きな特徴。そのため、シューズの助力によって楽にサブ3ペースのスピードを出すことが出来ます。また、厚手のミッドソールが着地衝撃を緩和し足への負担を軽減してくれる効果もあり、30kmの壁(或いは35kmの壁)と言われる後半の失速をもカバー出来ます。もちろん、カーボン非搭載のシューズと比べ履きこなすのに練習が必要ですが、うまく履きこなせればサブ3達成へ強い味方となること間違いありません。
2、初めての厚底ならスイートスポットが広いシューズがオススメ
サブ3用シューズを選ぶなら、スイートスポットの位置や広さも重要なチェックポイントです。ちなみに、スイートスポットとは地面との接地時に最も効率よくシューズから反発を貰える靴底の範囲のことです。厚底カーボンシューズを含め、高反発が特徴のランニングシューズは、毎回このスイートスポットで接地することで初めてそのシューズ本来の良さを引き出せるようになっています。逆に、スイートスポットを外れた接地の仕方をすると、高反発シューズでも十分な反発を得られない残念な結果となってしまいます。
特に、元々トップアスリート向けに開発された厚底カーボンシューズはスイートスポットの位置がフォアフット(前足部)よりでさらに範囲も狭いものが多いです。もし、初めて厚底カーボンシューズを選ぶなら、市民ランナーでも扱いやすいようにスイートスポットがフォアフット〜ミッドフット(中足部)と広い範囲に設けられているシューズを選んでみるのがオススメです。基本的に、アシックスやミズノ、ニューバランスの厚底シューズはスイートスポットが広めで履きこなしやすいので、厚底初心者にオススメです。
また、厚底で有名なナイキシューズなら、アルファフライシリーズはスイートスポットが極端に狭いため、ヴェイパーフライシリーズを選んでみるのがオススメです。
3、より高い反発を求めるか、着地時の安定感を重視するか
サブ3用シューズを選ぶにあたり、より高い次元の反発性を求めるか、着地時の安定性を重視するかも重要なところです。特に厚底カーボンシューズの場合、カーボンのしなりによる高い反発性を得るために、着地時にソールが大きく沈み込み安定感に欠けるものも多いです。シューズに頼ることなく自分で着地時の安定性をコントロール出来る技術を持ったランナーなら問題ないのですが、そうではない場合は着地時に横ブレし十分な反発を得られないだけではなく怪我につながる可能性もあるため注意が必要です。
もし、着地時の安定性も備えたシューズを選びたいなら、ソールのクッショニング素材が柔らかすぎないもの、やや硬めのものを選ぶのがオススメ。そういったシューズは大きく沈み込むタイプのシューズと比べて反発性はやや劣るものの、着地時の安定性が高く、さらに接地感を得やすく、操作性にも優れているというメリットがあります。特に初めて厚底カーボンシューズに手を出すなら、安定性の高いモデルがオススメです。
着地時の安定性が高く、操作性にも優れたシューズとしては、MIZUNO WAVE(ミズノウエーブ)で評判のミズノや、アディダス、ニューバランス、ホカオネオネあたりが有名です。
サブ3用ランニングシューズのオススメ【メンズ・レディース】
アシックス マジックスピード2
フルマラソンでの3時間切り(サブ3)を目指すなら、まずは定番asics(アシックス)の「MAGIC SPEED 2(マジックスピード2)」がオススメ。さらに、初めて厚底カーボンシューズを使うという人にも間違いのない一足です。
アシックスのマジックスピード2の最大の特徴は、 2万円以下ながらもフルレングスのカーボンプレートを搭載したコスパ最強の厚底カーボンシューズであること。2万円台、3万円台の高価格帯が主流の厚底カーボンシューズにおいて1万円台のリーズナブルな価格で買えるのがマジックスピード2最大の魅力。アシックスを代表する高反発素材のFF BLAST PLUSとフルレングスカーボンプレートの組み合わせにより、最高の反発力でフルマラソン3時間切りが現実的なものとなります。また、スイートスポットが広く、着地時の安定性にも優れているため、初めて厚底カーボンシューズを試すという人や、サブ3を最終目標とする市民ランナーにおいては丁度良いシューズとなっています。
さらに、ソールにはアシックス最高峰シューズであるMETASPEEDシリーズにも採用されている弓状のソール形状が特徴的なガイドソールテクノロジーが搭載されており、走行効率性に優れているのも特徴的です。厚底カーボンシューズとしてはコスパが良く、扱いやすさも抜群なので、初めての厚底カーボンシューズに間違いないオススメのシューズです。
アシックス メタスピードスカイプラス/エッジプラス
カーボンプレートによる爆発的な推進力と扱いやすさの両立を求めるランナーには、アシックスの「METASPEED SKY+/EDGE+(メタスピードスカイプラス/エッジプラス)」がオススメ。メタスピードプラスシリーズは、アシックス最高峰のレーシングシューズで、フルマラソン3時間切りはもちろん、2時間50分切りのサブエガ(サブ50)、2時間45分切りのサブ45、2時間40分切りのサブ40、2時間30分切りのサブ2.5も狙えるシューズです。
アシックスのメタスピードスカイプラス/エッジプラスの最大の特徴は、ストライド走法とピッチ走法それぞれに最適化された高反発の厚底カーボンシューズであることです。スカイプラスの方はストライド型ランナー向けに、フラット形状のカーボンプレートをミッドソール上部に配置し跳ねるような力強い反発力を得られるようになっています。エッジプラスの方はピッチ型ランナー向けに、V字形状のカーボンプレートをミッドソール株に配置し足の回転数を上げやすいようになっています。さらに、それぞれミッドソールにはアシックス史上最高の反発力を備えたFF BLAST TURBOを搭載し、ストライド走法とピッチ走法それぞれの走り方に合った最適な反発を得られるようになっているのが魅力です。
また、アシックスらしくミッドソールの沈み込みはそこまで大きくないため、着地時の安定性も比較的高く高反発シューズながらも扱いやすい厚底シューズとなっています。さらに、耐久性も高く、高反発で扱いやすいシューズを選ぶなら間違いありません。
ミズノ ウエーブリベリオン
フルマラソン3時間切りを目指す市民ランナー向けの高反発&安定性の高いシューズを選ぶなら、mizuno(ミズノ)の「WAVE REBELLION(ウエーブリベリオン)」がオススメ。ウエーブリベリオンは他社の厚底シューズのように元々トップアスリート向けに開発されたものではなく、サブ3を目指す市民ランナー向けに開発されたシューズなのでサブ3を目指す市民ランナーが背伸びをすることなく丁度良いレベルで着用出来るシューズです。
ミズノのウエーブリベリオンの最大の特徴は、スピードの出しやすい軽量高反発レーシングシューズでありながらも安定性に優れた厚底シューズであることです。ミッドソールには軽量で高反発なMIZUNO ENERGY LITEを搭載し、高い反発力を得ることが出来ます。さらに、ミズノ独自のMIZUNO WAVE:パラレルウエーブを搭載し着地時にソールが沈みこみ過ぎず安定性を高めるための工夫も施されています。また、このミズノウエーブ:パラレルウエーブがカーボンプレートのように高い反発性を発揮する役割も担っています。
ウエーブリベリオンは反発性が高く、安定性も備えていて、さらにスイートスポットが広いというのも特徴的です。ミッドフット走法はもちろん、踵着地でもしっかりとした反発を得られるため、非常に扱いやすいシューズとなっています。もし、一般的な厚底カーボンシューズに慣れないという人は、このシューズを選んでみるのがオススメです。
ナイキ ズームXヴェイパーフライネクスト%2
厚底カーボンシューズを選ぶなら、やはり厚底の代名詞でもあるnike(ナイキ)の「ZOOMX VAPORFLY NEXT% 2(ズームXヴェイパーフライネクススト%2)」は外せません。今や厚底の代名詞であり、世界陸上やオリンピック、箱根駅伝などを走る国内外のトップ選手がこぞって着用するのがナイキのヴェイパーフライシリーズです。そして、このヴェイパーフライネクスト%2がヴェイパーフライシリーズの最新作です。
ナイキのズームXヴェイパーフライネクスト%2の最大の特徴は、驚異的な反発力を誇るZoomXフォームとフルレングスのカーボンファイバー製プレートによる爆発的な推進力を得られるところです。他社の厚底カーボンシューズと比べてもソールの沈み込みが大きくカーボンプレートを大きくしなることが出来るため、より大きな反発を求めるならやはりナイキの厚底です。実際、ナイキのヴェイパーフライシリーズは過去にエリウド・キプチョゲ選手や設楽悠太選手、大迫傑選手などが着用し当時の世界記録や日本記録などの高記録を連発しています。速さを求めるランナーには間違いのない一足です。
また、ナイキにはアルファフライシリーズもありますが、ヴェイパーフライシリーズの方がスイートスポットが広く、着地時の安定性も高いということで万人向けのシューズとして多くのトップ選手に愛されています。初めてナイキの厚底カーボンシューズを着用するなら万人受けしやすいヴェイパーフライがオススメです。
ナイキ ズームXヴェイパーアルファフライネクスト%2
最強の速さを求めるランナーには、nike(ナイキ)の「AIR ZOOM ALPHA FLY NEXT% 2(エアズームアルファフライネクスト%2)」がオススメ。アルファフライシリーズは、世界記録保持者であるエリウド・キプチョゲ選手が着用し、非公認ながらも前人未到のフルマラソン2時間切りとなる1時間59分40秒の驚異的なタイムを叩き出したシューズです。
ナイキのエアズームアルファフライネクスト%2の最大の特徴は、前足部に2つのZoom Airポッドを搭載しNIKE史上でも最高の反発力を得られるところ。ミッドソールにはNIKE史上最高の高反発素材であるZoom Xをボリュームたっぷりに採用し、その間にはフルレングスのカーボンファイバープレートを搭載、さらにZoom Airポッドも組み合わせることで史上最高の反発力を得られる爆速シューズとなっています。数あるシューズの中でも反発性も桁違いのシューズであるため、速さを一番に求めるランナーには間違いのない一足です。
アディダス アディゼロアディオスプロ3
adidas(アディダス)のサブ3用シューズを選ぶなら、「ADIZERO ADIOS PRO 3(アディゼロアディオスプロ3)」がオススメ。アディゼロアディオスプロ3は、トップ選手御用達のアディゼロシリーズの最高峰のマラソンシューズ。
アディダスのアディゼロアディオスプロ3の最大の特徴は、アディダス独自の5本指カーボンを搭載した爆速シューズであること。通常のカーボンプレートとは異なる5本骨状カーボンバー(フルレングス)を搭載し、足の形状に沿った自然な重心移動が出来る上に、強い反発力でスピードを出しやすいのが魅力です。また、ミッドソールには低密度高反発素材であるLIGHTSTRIKE PROを搭載し、高い反発力を得られるとともに着地時にソールが沈み込み過ぎることなく安定感に優れているのも特徴です。スイートスポットも広く、フォアフットやミッドフット着地のランナーだけではなく、かかと着地のランナーでも扱いやすいシューズとなっています。
また、アウトソールに採用されているContinentalラバーのグリップ力も非常に優秀で、雨の日のマラソン大会でも滑る心配がなく快適に走ることが可能です。
ニューバランス フューエルセルRCエリート v2
new balance(ニューバランス)のサブ3用シューズを選ぶなら、「FuelCell RC ELITE v2(フューエルセルRCエリート v2)」がオススメ。
ニューバランスのフューエルセルRCエリートの最大の特徴は、クセがなくどんなランナーでも履きこなしやすい厚底カーボンシューズであるところです。ミッドソールには軽量&高反発素材であるFuelCellフォームを採用し、そこにフルレングスのカーボンプレートを組み合わせることで、高い反発性を実現させています。それでいて、着地時にソールが沈み込みすぎない適度な硬さを備えているため着地時の安定感に優れています。さらに、フラットソールで接地面積が広くスイートスポットも広めであるため、初めて厚底カーボンシューズを履くという人でもすぐに履きこなすことが出来ます。サブ3を目指すレベルのランナーなら、走り方や着地の仕方など問わず多くのランナーにオススメ出来るシューズとなっています。
また、通気性やグリップ力、耐久性にも優れているため、初めての厚底カーボンシューズとしても非常にオススメ出来る一足です。
ホカオネオネ ロケットX
HOKA ONE ONE(ホカオネオネ)のサブ3用シューズを選ぶなら、「ROCKET X(ロケットX)」がオススメ。
ホカオネオネのロケットXの最大の特徴は、カーボンプレート未経験のランナーでも扱いやすい厚底シューズであるところです。ロケットXはミッドソールに反発性の高いフォームを搭載し、そこにカーボンファイバープレートを挟み込むことで高い反発力を得られるシューズとなっています。しかし、一般的な厚底シューズよりもミッドソールが硬めで沈み込みが少ないため、着地時の安定性に優れています。さらにフラットソールでスイートスポットも広く、カーボンプレート搭載厚底シューズが初めてという人でも扱いやすいシューズとなっています。
地面との接地感も掴みやすいということで、一般的なレーシングシューズからカーボンプレート搭載厚底シューズへと初めて買い換えるという人にぴったりです。
ブルックス ハイペリオンエリート3
BROOKS(ブルックス)のサブ3用シューズを選ぶなら、「HYPERIONELITE 3(ハイペリオンエリート3)」がオススメ。ハイペリオンエリート3は、ブルックスが世界のトップランナーとともに4年の歳月をかけて開発したレーシングシューズです。2021年4月には、このシューズを着用したデジレ・リンデン選手が50kmロードレースの女子世界記録(女子史上初の3時間切りとなる2時間59分54秒)を樹立しています。
ブルックスのハイペリオンエリート3の最大の特徴は、速さと安定感の両方を備えたカーボンプレート搭載シューズであること。ミッドソールにはDNA FLASHに可変式カーボンプレートを内蔵することで、高反発によるスピードと安定性の両立を実現。一般的なカーボンプレート搭載シューズよりも安定感があるため、初めてカーボンプレート搭載厚底シューズを試す人にも、速さと安定感両方を求めるシリアスランナーにもオススメの一足となっています。
また、通気性やフィット性に優れているのも特徴です。
プーマ ディヴィエイト ニトロ エリート
PUMA(プーマ)のサブ3用シューズを選ぶなら、DEVIATE NITRO ELITE(ディヴィエイトニトロエリート)がオススメ。
プーマのディヴィエイトニトロエリートの最大の特徴は、優れたクッション性と爆速の走りを生む優れた反発力を有するカーボン搭載シューズであることです。ミッドソールには、陸上短距離スパイクのアウトソールに使われている高反発特殊素材を配合し驚異的な反発力を生み出すNITRO ELITE FOAMを採用しています。さらにそこにカーボンファイバー製のINNO PLATEを搭載することで爆発的な推進力を与えてくれるシューズとなっています。高反発でクッション性も高く、軽量性にも優れているため、レース後半でもバテにくくサブ3達成がグッと近づくシューズです。
また、アウトソールにはグリップ性と耐久性に優れたPUMA GRIP LTを採用しているため、あらゆる路面にも対応しやすく、さらにレース後半でも変わらない優れたグリップ力を発揮してくれます。
高反発シューズを履いて夢のフルマラソン3時間切りを目指そう!
市民ランナーの上位3%のみしか到達出来ないフルマラソンでの3時間切り(サブ3)を目指すなら、反発性能に優れたランニングシューズが必要です。特にミッドソール内にカーボンプレートを挟み込んだ厚底カーボンシューズなら、より高い反発力で爆発的な推進力を得られるため、サブ3達成へ強力な味方となってくれること間違いありません。
カーボンプレート入り厚底シューズを含め、反発力に優れた上級者向けのレーシングシューズはアシックスやミズノ、ナイキ、アディダス、ニューバランスなど多くのメーカーより販売されています。是非、大会までに自分に合ったシューズを見つけて、悲願のサブ3達成を目指してみましょう。