asics(アシックス)の人気カーボンシューズであり、サブ4シューズとしても定番となっているMAGIC SPEED(マジックスピード)シリーズとS4(エスフォー)シリーズ。どちらも高反発ミッドソールとフルレングスカーボンプレートの組み合わせによる優れた推進力を得られる一方で、METASPEED(メタスピード)シリーズよりも扱いやすいという共通の特徴があります。
今回の記事では、最新モデルのマジックスピード4とS4+ YOGIRIを違いを比較し、どっちがおすすめかを紹介しています。マジックスピードとS4、どっちらもサブ4ターゲットでサブ3も狙えるスペックであり、違いが分からない・・・、結局どっちを選んだら良いのか分からない・・・と困っている人は是非参考にしてみてください。
目次
アシックスの人気カーボンシューズ、マジックスピードとS4
今、市民ランナーから高い人気を誇るのが、asics(アシックス)のMAGIC SPEED(マジックスピード)シリーズとS4(エスフォー)シリーズです。アシックスが誇る反発弾性の高いミッドソールに、フルレングスのカーボンプレートを挟み込んだ構造から生まれる優れた推進力によって、ランナーのサブ4達成やサブ3.5達成、さらにはサブ3達成をアシストしてくれるというカーボンシューズ。どちらも、トップモデルのMETASPEED(メタスピード)シリーズよりも安定性が高く扱いやすいということで、サブ4からサブ3周辺の市民ランナーに大人気です。
MAGIC SPEED(マジックスピード)
asics(アシックス)のMAGIC SPEED(マジックスピード)シリーズとは、METASPEED(メタスピード)シリーズの廉価版として登場したカーボンシューズです。2021年に初登場し、2024年8月には43.5mmの分厚いミッドソール内に高反発素材FF TURBOを内蔵したMAGIC SPEED 4(マジックスピード4)が登場しました。
マジックスピードシリーズの最大の特徴は、フルレングスのカーボンプレートを搭載しながらも定価2万円以下で買えるコスパ最強の厚底カーボンシューズである点です。分厚いソールを採用し、優れた推進力を得られるとともに足への負担を軽減出来る頼もしいクッション性を誇るのが魅力的で、主にサブ4〜サブ3を目指すためのレースシューズとして人気です。また、METASPEED(メタスピード)シリーズよりも身体への負担が軽くて、扱いやすいため、レースではメタスピードシリーズを履くというランナーの練習用シューズとしても定番です。
S4(エスフォー)
asics(アシックス)のS4(エスフォー)シリーズとは、フルマラソン4時間切りを目指すランナーのために開発されたサブ4専用シューズです。2023年に初代S4が登場し、2025年にはMETASPEED PARIS(メタスピードパリシリーズ)と同じ超高反発素材のFF TRUBO PLUSをミッドソール上層に採用したS4+ YOGIRI(エスフォープラスヨギリ)が登場しました。
S4シリーズの最大の特徴は、サブ4シューズに求められる反発性や安定性、グリップ力などの機能性をバランスよく備えたカーボンシューズである点です。確かな推進力があるのに、METASPEED(メタスピード)シリーズのように沈み込みすぎない高い安定感を誇るのが魅力的です。サブ4をターゲットにしたシューズですが、高スペックであるため、実際にはサブ3.5やサブ3を狙うランナーにも選ばれています。
マジックスピードとS4の違いの比較
項目 | MAGIC SPEED 4 | S4+ YOGIRI |
---|---|---|
外観 | ![]() | ![]() |
発売 | 2024年8月 | 2024年10月 |
価格 | 18,700円 | 22,000円 |
サイズ | メンズ:24.5-32.0cm レディース:22.5-26.5cm | 22.5-29.0cm |
靴幅 | メンズ:2E/3E レディース:E | 2E |
靴底厚み | メンズ:43.5mm レディース:42.5mm | 39.5mm |
ドロップ | 8mm | 6mm |
重量 | 245g | 240g |
アッパー | エンジニアードメッシュ | エンジニアードメッシュ |
ミッドソール | FF BLAST PLUS・FF TURBO(前足内部) | FF TURBO PLUS(上層)・FLYTEFOAM(下層) |
プレート | フルレングスカーボンプレート (フラットに近い形状) | フルレングスカーボンプレート (スプーンに似た形状) |
アウトソール | ASICSGRIP | ASICSGRIP |
違い①アッパー

左:マジックスピード4、右:S4+ YOGIRI
asics(アシックス)の人気カーボンシューズである、MAGIC SPEED 4(マジックスピード4)とS4+ YOGIRI(エスフォープラスヨギリ)のアッパーを比較すると、マジックスピード4はフィット感重視、S4はホールド性重視という違いがあります。
マジックスピード4とS4+ YOGIRIはどちらも伸縮性と耐久性に優れたエンジニアードメッシュを採用しているのですが、マジックスピード4の方が柔らかめ、S4+ YOGIRIの方が硬めです。マジックスピード4はシュータンとアッパーが一体化したシュータンウィング構造を採用していることもあり、足との一体感が高く快適な履き心地です。一方、S4+ YOGIRIは、サブ4周辺レベルのランナーの走行中の足の左右へのブレを抑えてくれるようなホールド性があり、安心感のある履き心地です。
違い②ミッドソール

上:マジックスピード4、下:S4+ YOGIRI
MAGIC SPEED 4(マジックスピード4)とS4+ YOGIRI(エスフォープラスヨギリ)のミッドソールを比較すると、マジックスピード4は柔らかくてクッション性が高い、S4+ YOGIRIは硬めで安定感が高いという違いがあります。
マジックスピード4はミッドソールに柔らかくて跳ねるような反発が特徴のFF BLUST PLUSを採用し、前足部内側に高反発素材のFF TURBOを内蔵した作り。一方、S4+ YOGIRIは上層にアシックス最強反発素材のFF TURBO+を、下層には硬めなフォーム素材のFLYTEFOAMを採用した2層構造。また、マジックスピード4は最大43.5mmの厚みでドロップは8mmに対し、S4+ YOGIRIは最大39.5mmでドロップは6mm。
マジックスピード4は厚底らしいクッションや上にピョンと跳ねる反発を体験しやすい作りです。また、前足部に高反発FF TURBOを搭載しているため、どちらかと言えばフォアフット・ミッドフット走法のランナー向き。一方、S4+ YOGIRIは良い意味で厚底特有の沈み込みを体験しにくい硬めの接地感で安定した着地をしやすい作りです。反発素材のFF TURBO PLUSはかかとから前足部まで全体に搭載されているため、かかと着地のランナーでも扱いやすい仕様です。
違い③カーボンプレート

上:マジックスピード4、下:S4+ YOGIRI
MAGIC SPEED 4(マジックスピード4)とS4+ YOGIRI(エスフォープラスヨギリ)のカーボンプレートを比較すると、マジックスピード4はフラットに近い形状に対し、S4+ YOGIRIはすくいあげるようなスプーン形状の違いがあります。それにより、マジックスピード4は走るペースの上げ下げのコントロールがしやすいメリットがあり、S4+ YOGIRIは靴に身を任せスムーズな体重移動を促してくれ、安定したペースで走り続けられるというメリットがあります。
また、FF TURBO PLUSを採用し沈み込みの大きいマジックスピード4の方がカーボンシューズらしい跳ね返りを強く実感出来る一方、硬めのFLYTEFOAMをミッドソール下層に採用したS4+ YOGIRIはカーボンシューズらしさは感じにくいものの、推進力と安定性のバランスに優れています。
違い④アウトソール

左:マジックスピード4、右:S4+ YOGIRI
MAGIC SPEED 4(マジックスピード4)とS4+ YOGIRI(エスフォープラスヨギリ)のアウトソールを比較すると、マジックスピード4よりもS4+ YOGIRIの方が安定性が高いという違いがあります。
アウトソール素材はマジックスピード4もS4+ YOGIRIも同じASICSGRIP(アシックスグリップ)を採用しているためグリップ力抜群です。ただし、マジックスピード4よりもS4+ YOGIRIの方が接地面積が広く、S4+ YOGIRIの方が安定感ある走りが可能です。また、S4+ YOGIRIはかかとのラバーの厚みを少し厚めにしているため、かかと着地のランナーの使用をしっかりと想定していることもよく分かります。
マジックスピードとS4、どっちがおすすめ??
アシックス マジックスピード4
マジックスピードか、S4か、悩むところですが、フルマラソン3時間30分〜3時間(サブ3.5〜サブ3)をターゲットに走るなら、「MAGIC SPEED 4(マジックスピード4)」がおすすめです。そして、サブ4周辺レベルでも一回ぐらい厚底カーボンシューズを試してみたいというランナーにも、マジックスピード4がおすすめです。
サブ3.5〜サブ3をターゲットとするランナーに、S4+ YOGIRIよりもマジックスピード4をおすすめする最大の理由は、FF BLUST PLUSを採用した分厚いソールによるクッションがレース後半の失速を軽減してくれるためです。アウトソールの構造からマジックスピード4の方が接地時間短く、ポンポンポンと足を回していけるというのも大きいです。そして、高反発素材のFF TURBOが前足部に搭載されているため、フォアフット・ミッドフットを意識するランナーが多くなるサブ3.5〜サブ3レベルのランナーに合っています。そして何より、変な癖のない完成度の高いカーボンシューズであるため、本気でサブ3〜サブ3.5を目指すランナーにはマジックスピード4が無難です。
また、初めてカーボンシューズを履くという人にも、カーボンシューズらしい跳ね返りを実感しやすいマジックスピード4がベストです。マジックスピード4なら定価2万円以下で買えるため、取り敢えずカーボンシューズを試してみたいという人にも最高の選択肢となります。
アシックス S4+ YOGIRI
本気でフルマラソン4時間切り(サブ4)を目指すランナーには、「S4+ YOGIRI(エスフォープラスヨギリ)」がおすすめです。何度か挑戦してもなかなかサブ4を達成出来ていないというランナーにこそ、S4+ YOGIRIがぴったりです。また、厚底特有の柔らかめよりも薄底のような接地感高めを好むランナーなら、サブ3.5やサブ3シューズとしてS4+ YOGIRIを選んでみるのもおすすめです。
サブ4を目指すランナーにS4+ YOGIRIをおすすめする最大の理由は、マジックスピード4よりも安定性に優れているところです。マジックスピード4はソールが柔らかく沈み込みが比較的大きいためS4+ YOGIRIと比べるとカーボンの恩恵を受けるのがやや難しいです。S4+ YOGIRIなら安定した着地、スムーズな体重移動が容易なので、シューズに身を任せて走るだけで比較的簡単にカーボンによる優れた推進力という恩恵を受けることが出来ます。
また、S4+ YOGIRIはかかと着地でも走りやすいカーボンシューズなので、かかと着地のランナーにぴったりなサブ3.5、サブ3シューズを探しているランナーにもおすすめ出来ます。
マジックスピードかS4かで目標タイムを目指そう!
サブ4〜サブ3周辺のランナーが、カーボンシューズを選ぶなら、asics(アシックス)の人気厚底カーボンシューズであるマジックスピードか、S4がおすすめです。厚底カーボンシューズらしいクッションと跳ね返りを求めるならマジックスピード、まるで薄底のような硬めの接地感と安定感を求めるならS4がおすすめ。また、目標タイムに届かない原因が脚力不足(後半に足がもたなくなる)ならクッション性の高いマジックスピード、長く走る脚力は十分だけどスピードが足りないのが原因ならS4+ YOGIRIを、といった選び方もおすすめです。
マジックスピードか、S4か、自分にとってベストな方を選択し、是非マラソン大会で目標タイムを突破してみましょう。