陸上競技のトラック競技で着用出来るシューズには「靴底の最大の厚さは20mmを超えてはならない」という厚み規定があります。このシューズ規定はノンスパイクのランニングシューズも例外ではなく、近年の厚底ブームの影響でほとんどのランニングシューズが規定オーバーで使用禁止という状況です。
そこで今回の記事では、陸上トラックレース(短距離〜長距離)で使用可能なソール厚さ20mm以下のランニングシューズを一覧にして紹介しています。陸上初心者だから最初はスパイクではなくランニングシューズを履きたいけど、規定をクリアしたシューズがどれかわからない・・・と困っている小学生、中学生、高校生、大学生の方は是非参考にしてみてください。また、2025年度の最新の陸上シューズの規定についても詳しく紹介しています。
目次
【2025年最新版】陸上競技用シューズの厚み規定
現行ルール | 旧ルール | |
---|---|---|
トラック種目:800m未満(100m/200m/400m/100mH/110mH/100mx4R/400mx4R) | 20mm | 20mm |
トラック種目:800m以上 (800m/1500m/3000m/5000m/10000m/3000mSC/5000mW) | 20mm | 25mm |
フィールド種目:三段跳以外 (走高跳/走幅跳/棒高跳/砲丸投/円盤投/やり投/ハンマー投) | 20mm | 20mm |
三段跳 | 20mm | 25mm |
道路競技 (競歩・ロードレース・駅伝・マラソン) | 40mm | 40mm |
クロスカントリー | 20mmスパイク又は40mmノンスパイク | 20mmスパイク又は40mmノンスパイク |
マウンテンレース・トレイルレース | 制限なし | 制限なし |
日本国内で開催される主な陸上競技大会では、陸上競技の国際競技連盟である世界陸連(WA)が定める“シューズに関するルール(WA規則TR5)”が適用されます。その中でも「靴底の厚さ」が重要であり、上記の表の通り、現行ルールでは靴底の厚さが20mm以下と規定されています。ちなみに、現行ルールは2024年11月1日以降に適用されたもので、2024年10月31日までは上記表右端の旧ルールを採用していました。
新ルールでは中・長距離種目も20mm以下に統一された!
2024年から2025年のルール改定により特に注意しておきたいのが、中距離種目(800m・1500m)や長距離種目(3000m・5000m・10000m・3000mSC)を走る選手たちです。旧ルールでは最大厚み25mm以下だったのに対し、現行の新ルールでは20mm以下とソール厚みへの規定が厳しくなっています。当然、2024年以前に販売されたシューズのほとんどが規定オーバーです。トラックレースでもランニングシューズを着用するなら、2024年後半から新WAルール対応モデルとして販売された最新シューズを購入する必要があります。
陸上競技用シューズの厚底規定は、中学、高校、大学の大会も適用対象
陸上シューズの現行の新ルール(厚底規定)は、国内外のトップ選手が集うオリンピックや世界陸上、日本選手権などの大会だけではなく、全中やインターハイ、インカレ、さらにはそれらに繋がる地区予選や都道府県予選などの中学生・高校生・大学生の大会にも適用されます。新ルール発表後は、「アマチュアクラブ、学校、大学、マスターズレベルの競技会に適用されない」とのメディア報道もありましたが、その後に日本陸連が、下記の競技会では厚底規定が適用されると明確化しています。つまり、アマチュアの学生の大会でも、多くの公式試合や記録会において厚底規定が適用されるというわけです。
【適用範囲】
日本中体連陸上競技専門部とその下部組織が主催・共催する競技会
全国高体連陸上競技 専門部とその下部組織が主催・共催する競技会
日本学生陸上競技連合とその下部組織が主催する競技会
各加盟団体の主催する競技会で主催者が適当と判断した競技会
20mm以下ランニングシューズ一覧【陸上トラック競技で使用可能】
メーカー | 商品名 | 短距離・ハードル (100m/200m/400m/110mH/100mH/400mH) | 中・長距離 (800m/1500m/3000m/5000m/10000m/3000mSC) |
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アシックス | ハイパーレーサー | ○ | ○ |
ミズノ | デュエルソニック4 | ○ | ○ |
ミズノ | デュエルフラッシュ | ○ | ○ |
ニューバランス | フューエルセルパルスV1 | ○ | ○ |
プーマ | プロピオニトロ | ○ | ○ |
※上記記載のランニングシューズは、新ルールの靴底厚み20mm以下の条件をクリアし世界陸連承認シューズリストにも掲載されている正真正銘の陸上新ルール適合シューズです。当然、トラックレースの全種目で着用可能です。逆に上記に記載していないシューズは、規定違反であり、シューズチェックで引っかかる可能性があります。
アシックス ハイパーレーサー
asics(アシックス)のソール厚み20mm以下のランニングシューズである「HYPER RACER(ハイパーレーサー)」。ハイパーレーサーの最大の特徴は、トラックレースでも使える陸上新ルール適合の中・長距離用(800m〜10000m)レースシューズである点です。トラック全種目で使える厚み20mm以下ですが、特に中距離種目(800m・1500m)と長距離種目(3000m・5000m・10000m)にフォーカスしています。
スパイクレスであり身体への負担が少ないため、陸上初心者の小学生・中学生・高校生の最初のレースシューズにぴったりです。スパイクレスでありながらも、中足部から前足部に配置されたシャンクプレートにより優れた推進力を得ることが出来ます。FLYTEFOAMミッドソールによる適度なクッションや、AHAR+(アウトソールラバー)による高い耐久性も備えています。
ミズノ デュエルソニック4
mizuno(ミズノ)の靴底最大厚さ20mm以下のランニングシューズである「DUEL SONIC 4(デュエルソニック4)」。デュエルソニック4の最大の特徴は、約1万円で買えるコスパ最強の20mm以下シューズである点です。世界陸連(WA)が新たに定めた厚底規定をクリアしトラック競技でも使える20mm以下シューズとしては、一番安く買えるモデルでお買い得です。
オーソドックスな薄底シューズで、短距離種目(100m・200m・400m)やハードル種目(110mH・100mH・400mH)のレースシューズとしても使いやすい一足です。もちろん中・長距離もOKです。ミッドソールには適度なクッションと反発を感じられるMIZUNO ENEZYを搭載し、アウトソールには耐久性に優れたXラバーを搭載しています。
ミズノ デュエルフラッシュ
デュエルソックス4同様に新WAルールを満たすmizuno(ミズノ)の20mm以下シューズである「DUAL FLASH(デュエルフラッシュ)」。デュエルフラッシュの最大の特徴は、マラソンシューズのトップモデル“リベリオンシリーズ”と同じSMOOTH SPEED ASSIST(スムーズスピードアシスト)を搭載したシューズである点です。かかとが浮いた独特のソール形状が、前足部での接地をアシストしてくれるので、フォアフット走法で走る選手にぴったりです。
独自ソール形状を採用しクセは強いものの、フォアフット走法のランナーにとっては非常にスピードを出しやすいモデルです。トラックレースだけではなくロードレースでも使用可能です。
ニューバランス フューエルセルパルスV1
New Balance(ニューバランス)の世界陸連新ルール対応シューズ(厚み20mm以下)である「FUELCELL PVLSE V1(フューエルセルパルスV1)」。ヒューエルセルパルスV1の最大の特徴は、十分なクッションも感じられる薄底シューズである点です。20mm以下のシューズの中では一番クッションソールを厚く採用しているため、競技場でのトラックレースだけではなく日々のトレーニングにも使いやすい万能シューズとなっています。
ミッドソールのFUELCELLフォームがクッション性と反発力を提供してくれます。アッパーには通気性とフィット感に優れたFANTOMFITを採用し、快適な履き心地です。
プーマ プロピオニトロ
puma(プーマ)の靴底最大厚さ20mm以下の薄底シューズである「PROPIO NITRO(プロピオニトロ)」。プロピオニトロの最大の特徴は、接地感覚を養ったり、脚力強化に最適なトレーニング用薄底シューズである点です。最大厚み20mm以下の薄底仕様で、薄いながらも適度なクッションを備えるため、日々活用するトレーニングシューズにぴったりです。もちろん、トラックレースでも使用可能。
薄底ミッドソールにはNITROFOAMを採用し、薄底でありながらも十分なクッションと反発力を備えています。アッパーには軽量で通気性に優れたMONO MESH UPPERを採用し、アウトソールにはグリップ力が高く耐久性にも優れたPUMAGRIPを採用しています。
ソール厚み20mm以下のランニングシューズを手に入れて、ロードもトラックも快適に走ろう!
世界陸連(WA)の定める競技用シューズの厚底規定をクリアしたランニングシューズなら、ロードレースでもトラックレースでも問題なく着用出来ます。ロード・トラック兼用シューズがあれば、日々の練習でも、陸上競技大会本番でも、お馴染みの履き慣れたシューズを履くことが出来るため、より良い順位を、より良いタイムを掴み取りやすくなるはずです。
厚底ブームの今、陸上トラック競技でも使えるランニングシューズの数はそこまで多くありませんが、それでもアシックスやミズノ、ニューバランスなどのメーカーより陸上ルール適合シューズがいくつか販売されています。是非それらの中からお気に入りのシューズを見つけて、ロードでもトラックでも変わらない快適な走りを楽しんでみましょう。