中学生男子、高校生女子の長距離種目3000mで10分を切り9分台を出すための練習方法を紹介させて頂きます。中学生、高校生はもちろん、社会人の市民ランナーで3km9分台を目指す人にも対応しています。3000mで9分台を出したい人は是非参考にしてみてください。
目次
中学生から大人まで3000m走で大きな目標となる“9分台"
陸上競技で中学生男子、高校生女子の長距離種目である3000m。学校の持久走や陸上競技に取り組む市民ランナーにも馴染み深い3000m走で、中学生、高校生、大学生、社会人まで、あらゆる年代の人の大きな目標となるタイム、それが“9分台”です。
中学生男子の3000m走の平均タイムは10分00~10分10秒あたりで、9分台に到達するこで同じ中学生の中の平均タイムを上回ることが出来ます。高校生女子の3000m走の場合、9分台に到達するこで都道府県大会の入賞を狙うことが出来ます。また、学校の持久走では9分台に到達すれば学年一位を狙うことも可能。さらに市民ランナーの場合は上位数%に入るほどのレベル。そのため、3000m走で10分の壁を破り、9分台を達成することは、多くの選手にとって大きな目標であり、大きな憧れのタイムです。3000mに取り組むなら、是非9分台という大きな目標に挑戦してみましょう。
3000mで9分台を出すためには3つの能力を磨くことが大切
3000mで10分を切るための絶対的な“持久力”
3000mで10分を切って9分台を出すためには、高いレベルの持久力が求められます。9分台は単純にスタミナに自信があるだけでは中々達成できないタイムです。9分台を出す場合、基礎的な持久力はもちろん、3000mで9分台を出すための高いレベルでの持久力が必要。
まず、9分台を目指す場合、基礎的な持久力を養う意味で40~60分程度のジョグを中心に練習に取り組みたいところです。ジョグは基礎的な持久力を養うのに効果的。また、9分台を目指す場合、基礎的な練習であるジョグ以外に、それなりの速いペースで走り続けるペース走といった練習も必要です。
3分20秒/km以内のペースで走り続ける“スピード持久力”
3000mで9分台を出すためには、1kmを3分20秒以内のペースで走り続けることが必要。1500mで考えると5分を切るペースで走り続けることになります。そのため、3000mを走り切るための持久力だけではなく、速いスピードを3000m持続させるためのスピード持久力を養う必要があります。
ペース走の場合もスピード持久力を養うことが出来ますが、3分20秒/kmという速いスピードを持続させる高いレベルのスピード持久力を養おうとすると、ペース走だけでは不十分。1000mや600mといった距離のインターバルやレペティションが必要です。
400m80秒を切るペースで走り続けるための根本的な”スピード力”
3000mの9分台は400mで考えると80秒を切るペース。1周トラック(400m)を80秒を走り切るペースで3000mを走る必要があります。このペースは中々の速いペースです。その80秒を切るタイムでトラック7.5周して、ようやく9分台が見えてきます。
そのため、9分台を目指す場合、根本的なスピードを底上げすることも重要。200~400mの短い距離の練習を反復することで、400mのスピードを底上げし、1周あたりの平均ペースを底上げすることが出来ます。特に長い距離中心の練習で中々9分台を達成できないという場合は、短い距離のスピード練習を積極的に取り入れてみましょう。
3000mで9分台を出すための練習メニュー
持久力強化の練習
40~60分ジョグ
3000mで9分台を出すためには、基礎的なスタミナ強化が欠かせません。その基礎的なスタミナを強化する練習として定番なのがジョグ。3000mの場合、中学生なら30~50分程度、高校生なら40~60分程度、社会人なら40~60分程度のジョグがおすすめ。ジョグは3000mの練習の中でも、比較的ゆったりと走る練習で、ゆったりと走る中で長距離走に欠かせない最大酸素摂取量、AT能力、有酸素運動能力といった能力を磨くことが出来ます。
3000mを走る選手の場合、ジョグは4'00/km~5'00/kmの範囲内が最適。それぞれ自分自身の能力に合わせて最適なペースを見つけると良いでしょう。ペースが速すぎると有酸素運動によるジョグの効果が薄まってしまうため、速めに走るよりはゆっくりめのペースがおすすめ。
6000mペース走(t=3'45/km)
3000mで9分台を出すために特に鍛えたいのがAT能力。AT能力とは、速いスピードで長く走り続けるための能力。試合のように速いペースで走ると、次第に筋肉内にたくさん発生するようになるのが乳酸。乳酸は筋肉の動きに間接的に影響を与えるため、乳酸が急激に増えると、筋肉の働きが悪くなり、速いペースを長く維持出来なくなります。レース終盤でペースが落ちてしまうのは乳酸によるもの。AT能力が上がると、乳酸が発生するポイントが遅くなり、同じような速いペースで走っても、そのスピードをより長く持続出来るようになります。
そのため3000mで9分台を目指すならAT能力向上を目指し、ATペース走を取り組みたいところ。ATペース走はATペース(乳酸が筋肉内に大量に発生するポイント)付近で走ることで、AT能力を向上させます。9分台を目指す場合、3'45/kmペースで6000mペース走に取り組むのが妥当。ただ、現状の持ちタイムが10分30秒の場合は4'00/kmペース、11分00秒の場合は4'15/kmペースが妥当です。また、ATペースはペースを上げる余裕はあるものの、多少きついと感じるぐらいのペースです。そのため、ペース走を実施する中で自分に最適なペースを見つけましょう。ATペース走は全力で走る練習ではなく、ある程度余裕を持たせて走ることで、練習効果を発揮します。
スピード持久力強化の練習
1000mx3本(t=3'20/r=400mjog)
3000mで9分台を狙う場合、スピード持久力も積極的に鍛えたいところ。ペース走もスピード持久力を鍛えるのに効果的ですが、1000mのロングインターバルはより速いレースペースのスピードを持続させる練習として効果的。
1000mインターバルは3000mで効果的な練習の一つ。ペース設定は9分台を目指す場合、3分20秒に設定し、本数は疾走距離が合計3000mになるように3本に設定。つなぎは400mジョグでつなぎます。ペース走同様、最初から3分20秒がキツい場合は、自分が無理なく取り組めるタイム設定に修正。そして、徐々に目標設定へと近づけていきます。
600mx5本(t=2'00/r=200mjog)
1000mインターバル同様、600mインターバルも9分台到達のために実施したい練習。1000mインターバルのタイムを引き上げるためにも、1000mより短い600mインターバルが効果的。600mインターバルを実施することで、スピードが付けば1000mインターバルのタイムが向上し3000mの9分台到達が近づいてきます。
600mインターバルの場合も1000mインターバル同様に、タイム設定はレースペースのタイムに設定。9分台を目指す場合、目標設定は2分。本数は合計して3000mになる5本に設定。
1000mx2本(r=20min)
スピード持久力強化のために、1000mインターバル走だけではなく、1000mレペティションを取り入れると9分台到達をグッと近づけることが出来ます。インターバル走の場合は休憩をジョグでつなぎますが、レペティションの場合は15~20分の完全休養を取り、疲労をしっかり抜いた状態で次の1本を走ります。
そのため、レペティションは1本1本を全力で走ることが出来る練習です。1000mを全力で走る練習のため、1000mのスピードの底上げに効果的。1000mのスピードは3000mを走る選手にとっては欠かせないもの。そのスピードを底上げするレペティションは3000mのタイムを引き上げるのに最適。また、1000mのタイムを底上げすることで、1000mインターバルのタイム設定も引き上げることが出来、9分台達成へ向けて着々と走力を磨いていくことが出来ます。
600mx3本(r=15min)
1000m同様、600mの練習もインターバル走以外に全力で走るレペティションを取り入れましょう。600mのタイムが向上すれば、600mインターバルのタイム設定を上げることが出来ますし、1000mのタイム向上にもつながり、1000mインターバルにも良い影響を与えます。1000mより短い600mもインターバル、レペティションを上手く組みわせながら練習に取り組みましょう。
また、レペティションの場合はスピードの底上げのため、1本1本を全力で走ることが大事。数ある練習の中でも1本1本の質が重要になってくる練習のため、本数は少な目に設定。本数を多くしてしまうと1本1本の質が落ちてしまうため要注意。
スピード強化の練習
200mx10本(t='37/r=100mjog)
3000mの9分台は400mは80秒、300mは60秒、200mは40秒、100mは20秒を切るペースで走り続けます。そのペースを維持し、少しでもゆとりを持って走れるようにするために、スピード練習は必要。スピードを底上げすることが出来れば、100~400mごとのペースをゆとりを持って走れるようになり、結果的に3000mのタイムの短縮へとつながります。
また短い距離のインターバル走は筋肉内に発生する乳酸に耐える能力を鍛えるのに効果的。ショートインターバルの場合はレースペースよりも速いペースに設定して取り組みましょう。
300mx8本(t='56/r=100mjog)
300mインターバルは3000mを10分割した距離のインターバルで、300mごとの平均スピードの底上げに効果的。
400mx6本(t='76/r=150mjog)
400mインターバルは3000mを7.5分割した距離のインターバルで、400m(トラック1周)ごとの平均スピードの底上げに効果的。
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