陸上競技の中距離種目(800m・1500m)や長距離種目(3000m・5000m・10000m・3000mSC)に取り組むなら、ランニングウォッチを活用してみるのがオススメ。
ランニングウォッチとは、陸上競技(主に中長距離)や駅伝、マラソンを走るランナー向けに設計された腕時計です。陸上競技用ウォッチがあれば、ストップウォッチ機能を活用し走りながらリアルタイムにラップタイム/スプリットタイムを確認出来ますし、タイマー機能を活用しインターバルトレーニングに役立てることも出来ます。ランニングウォッチは、陸上選手にとって普段の練習でも大事な大会でも非常に頼りになるアイテムのため、オリンピックや世界陸上に出場するようなトップ選手はもちろんのこと、中学生や高校生にも大人気の陸上競技グッズとなっています。
この記事では、実際に陸上競技選手に人気のメーカーの中から、特にオススメのランニングウォッチを紹介しています。学校の部活動として陸上競技を頑張る中学生や高校生、大学生はもちろんのこと、子供へのプレゼントとして陸上競技用時計を探しているという親御さんも是非参考にしてみてください。
目次
陸上競技用ランニングウォッチがあると出来る便利なこと
①時刻が確認出来る
陸上競技用ランニングウォッチの便利機能の一つ目は、現在の時刻を確認出来る時計機能です。腕時計なのでごくごく当たり前の機能ですが、中学校や高校、大学の部活動の練習中もすぐに手元で現在の時刻を確認出来るので便利です。
特に中長距離パートの選手は、グランド内で多くの時間を費やす短距離パートの選手と違い、ペース走やビルドアップ走、LSD等の距離を踏む練習で外周や河川敷へと出ていくことも多いため、腕時計を着けている方が絶対に良いです。さらに、大会当日の出場種目の招集時間に誤って遅れて失格となってしまわないためにも、腕時計は一つ準備しておくのがオススメです。
②ストップウォッチ代わりにラップ/スプリット計測が出来る
毎日のトレーニングにおける便利機能と言えば、ストップウォッチ代わりとなるラップタイム/スプリットタイムの計測機能です。
ラップタイムとは、陸上競技場のトラックの1周(400m)ごとのタイム。スプリットタイムとは、途中の距離(400m,800m,1200m....)ごとの経過タイム。ランニングウォッチがあればこれらのタイムを計測出来、走りながらリアルタイムに確認出来るため、予め設定したペースで走るペース走や、距離ごとにペースを上げていくビルドアップ走といった中長距離種目の定番の練習に役立てることが出来ます。
さらに、競技会当日も手元のラップタイムを確認しながら走ることでオーバーペースを防ぎながら目標ペースで走るのに役立てたり、「ここままだと目標タイムに届きそうに無いからペースを上げよう」とペースアップの目安にも活用出来ます。
③インターバルタイマーが活用出来る
ランニングウォッチの定番機能であるタイマー機能も便利です。
ランニングウォッチのタイマー機能は、二つのタイマーを同時に設定出来る商品が多く、インターバル走における疾走と緩走(休憩)のそれぞれのタイムを設定出来ます。そのため、中長距離パートのキツい練習の代表格であるインターバル走(或いはレペティション)を実施する場合も、気持ちで負けて緩い練習になってしまうことなく、しっかりと自分を追い込んで練習できます。
④GPSセンサーで距離計測出来る
大学生や社会人で陸上長距離種目やマラソンをする人に人気が高いのが、GPS付きランニングウォッチのGPS機能です。
GPS機能とは、スマホやカーナビにも搭載されている機能で、人口衛星を利用して利用者(或いはデバイス)の位置情報を取得するための機能です。このGPS機能を内蔵したランニングウォッチを着けて走ることで、走った距離が正確に計測出来、さらにリアルタイムに走りながらペースの確認も出来ます。学校のトラックや陸上競技場のトラックではなく、距離標識の無い河川敷などで走る場合にこのGPS機能が威力を発揮します。
⑤光学式心拍計でリアルタイムに運動強度を把握出来る
高性能なランニングウォッチには手元で心拍数を測定出来る光学式心拍計が搭載されていますが、この心拍計機能も便利機能です。
心拍数とは一定の時間内に心拍が拍動する回数(単位はbpm)。心拍数は運動のキツさに比例するように変動するため、心拍数はトレーニングの運動強度を客観的な数値で把握するのに役立つとされています。そのため、目的に沿った正しい運動強度でトレーニングを実践するために、多くの陸上選手が心拍数を管理しながらトレーニングする心拍トレーニングを実践しています。その心拍トレーニングをする際に、手元でリアルタイムに心拍数がチェック出来る心拍計内蔵のランニングウォッチがすごく便利なのです。
陸上競技用ランニングウォッチは大きく2種類
GPS機能無しの基本モデル
陸上競技用ランニングウォッチは、大きく分けると「GPS機能なしの基本モデル」と「GPS機能有りの高性能モデル」の2種類あります。
GPS付きのランニングウォッチとなると、安くても3万円、高いものだと10万円近くするモデルもあります。一方、GPS機能なしのモデルであれば1万円以下でも買えます。そのため、学校のグランドや外周、陸上競技場のタータントラックといった1周の距離が分かっているような周回コースで練習することが多い中学生や高校生にはGPS機能無しの安いモデルがオススメです。
GPS機能無しの基本モデルでも、ラップ/スプリット計測やタイマー機能、アラーム機能、LEDバックライト機能といった基本的な機能は標準搭載されているので、中学校や高校の部活動で陸上競技に取り組む学生さんには基本モデルで十分です。
距離計測出来るGPS機能付き高性能モデル
もう一方のGPS機能付きのランニングウォッチは高性能であるがゆえに価格が高いのがネックです。
ただし、GPS付きランニングウォッチであれば公園や河川敷などどこを走る場面でもリアルタイムに走行距離とペースを計測し確認出来ます。そのため、練習でより長い距離を走ることが多い長距離種目や駅伝に取り組む大学生や、ハーフマラソンやフルマラソンといったマラソンに挑戦する社会人ランナーにオススメです。また、学校の練習でなかなかグランドのトラックが使えず、近くの河川敷を走ることが多いという中学生や高校生もお年玉などでGPS付きランニングウォッチを頑張って買ってみる(或いはお父さんお母さんにお願いしてみる)のも有りです。
また、GPS付きのランニングウォッチはほとんどの機種が光学式心拍計やVO2MAX(最大酸素摂取量)測定機能も搭載しています。心拍計はそれぞれの練習効果を上げるのに役立ちますし、VO2MAXは自分の全身持久力(有酸素性能力)レベルを客観的な数値で把握したり、ランナーとしての成長度合いを種目の自己ベストタイム以外で把握するのに役立ちます。
Apple Watchは陸上競技の大会では使用禁止のための注意が必要!!
陸上競技用ランニングウォッチを選ぶにあたり注意しておきたいのが、日本陸上競技連盟の定める規則に違反するのものを誤って買ってしまわないこと。
「日本陸上競技連盟競技規則/第2部 競技会一般規則」の“第144条 競技者に対する助力”では、競技中或いは競技場内(競技区域内)で助力を受けると審判長により警告され、さらに助力を受け続けると失格になると記されています。そして、その助力に該当する一つの例として他社と通信出来るスマホの持ち込み(携帯)があります。一方、携帯もしく着用していても助力とみなされず許可されるものに心拍計や速度距離計、ストライドセンサー、その他の類似の機器とあるのですが、但し書きとして「他社との通信に使用不可なものに限る」とあります。つまり、スマホ同様に他社と通信に使用出来るウォッチも規則違反に該当するのです。
現状、はっきりと日本陸上競技連盟競技規則に違反するのが、Apple Watchです。通常のスマートウォッチ(或いはランニングウォッチ)は、メール受信の通知機能や通話機能を備えていても近くにスマホがないと通信は出来ません。一方、Apple Watchは近くにスマホがなくても時計単体でモバイルデータ通信出来るセルラーモデルがあるため、スマホ同様の扱いとなります。そのため、競技会当日も使用予定ならApple Watchは避けておくのが無難です。
陸上競技用ランニングウォッチのおすすめ【GPS機能なし】
SOMA RunONE 50
中学校や高校で陸上競技を始める初心者にオススメしたいのが、SOMA(ソーマ)のランニングウォッチ「RunONE 50」です。SOMAのランニングウォッチは1万円以下と安く、さらにデザインもおしゃれなカラーリングで中学生や高校生を中心に大人気。
画面もSOMA独自の傾きあるディスプレイとなっているため、走りながらでも画面上のラップタイムやスプリットタイムを視認しやすいのが特徴です。さらにラップは1回に最大50ラップ分計測出来るため、5000mや10000mでも安心です。さらに最大2回分のデータを計測出来るため、大会で2種目に出場する場合でも問題ありません。各種ボタンも大きくて押しやすく、初めての陸上競技用ランニングウォッチにオススメ。
SOMA RunONE 100SL
中学生と高校生に大人気のSOMA(ソーマ)のランニングウォッチを選ぶなら、一つ上のモデルである「RunONE 100SL」もオススメ。
RunONE 100SLはRunONE 50よりも大画面でより視認性が高いのが特徴。さらに1回あたり最大100ラップ計測出来、合計100ラップ以内であれば何回でも計測可能です。RunONE 50よりもより多くのラップの記録が出来るため、3000mや5000m、3000m障害など長距離に本格的に取り組む選手にオススメです。また、走りながらでもNEXTボタンを押しことでラップタイムとスプリットタイムの表示を切り替え出来る点も魅力です。
SEIKO プロスペックス スーパーランナーズEX
陸上競技の中上級者には、陸上選手の人気ブランドであるSEIKO(セイコー)の人気ウォッチである「スーパーランナーズEX」がオススメ。
スーパーランナーズEXは半永久的に使えるソーラー充電に対応したランニングウォッチです。さらに最大300ラップ計測出来、合計300ラップ以内であれば何回、何十回分も過去の練習のラップタイム/スプリットタイムの計測データを呼び出し確認することが可能です。そして、過去のデータを呼び出した際には、合計時間とベストラップタイム、平均ラップタイムも確認出来るので非常に便利です。また、世界44都市の時刻を表示するワールドタイム機能や3つのアラームを設定出来る3チェンネルアラーム機能もあり、非常に使い勝手の良いウォッチとなっています。
陸上競技用ランニングウォッチのおすすめ【GPS機能付き】
Garmin ForeAthlete 55
長距離種目や駅伝、マラソンに取り組むため、GPSセンサー搭載のランニングウォッチが欲しいという人には、GPSウォッチで人気のブランドであるGARMIN(ガーミン)のエントリーモデルである「ForeAthlete 55」がオススメ。
ForeAthlete 55は約3万円と比較的リーズナブルな価格で精度の高いGPS距離計測が出来るのが魅力の商品です。河川敷を走るだけでもリアルタイムに現在の走行距離と1kmごとのペースが確認出来るので非常に便利。また、運動強度の把握に役立つ光学式心拍計に、長距離ランナーの重要指標ともなるVO2MAX測定機能を搭載しているのも魅力。さらに、ランナー人気NO.1のランニングウォッチブランドの機種ということもあり、休憩時間の目安となるリカバリータイム機能や、5km/10km/ハーフ/フルマラソンの予想タイムが分かるレース予想タイムなど便利機能が盛りだくさん。
おまけに陸上競技場の400mトラックでも正確にGPS計測出来る高度なトラックランモードも備えているため、GPSウォッチを選ぶならForeAthlete 55が間違いありません。
Polar Pacer
GPS付きランニングウォッチが欲しいという陸上長距離選手には、墓橋尚子さん愛用のPolar社のエントリーランニングウォッチである「Pacer」もオススメ。
PacerもGPS計測機能に、心拍数計測、VO2MAX測定を備えた高性能なランニングウォッチです。バッテリー持ちも非常によく、GPS計測モードでも最大35時間連続で使用出来ます。そして、トレーニングにおいてどの栄養素(炭水化物/タンパク質/脂質)をどのぐらい消費したのかを教えてくれる三大栄養素別使用エネルギー機能や、トレーニング中の栄養補給や水分補給を適切なタイミングで促してくれるFuel栄養補給リマインダーなど、Polarならではの便利機能も多数搭載されています。特にPolar社のウォッチは心拍計の精度が高く、実際に心拍トレーニングのパイオニアとも呼ばれるブランドであるため、心拍トレーニングに挑戦したいという人にもオススメ。
Garmin Forerunner 255 Music
大学生や社会人ランナーで、出来るだけ高性能なランニングウォッチが欲しいという人にはGarmin(ガーミン)の人気NO.1モデルである「Forerunner 255 Music」がオススメ。
Forerunner 255 Music最大の特徴は、時計本体へAmazon MusicやSpotify、LINE MUSICなどの音楽を取り込み、スマホなしで音楽を聴きながらランニング出来るところです。さらに、電子マネーとしてSuicaにも対応しているため、現金を持っていなくてもランニング後にコンビニで水分補給や栄養補給の買い物をしたり、電車に乗って帰るなんてことが可能です。さらに、エントリーモデルにはない、ランニングフォームの分析機能や、トレーニング効果を客観的に示す機能、コンディション状態を把握する機能など、より専門的な機能が多数搭載されています。本気で取り組むランナーにオススメの最強ウォッチです。
陸上競技用ランニングウォッチを活用し目指せ自己ベスト!
陸上中長距離種目には、ランニングウォッチが便利。ランニングウォッチがあれば、毎日の練習の質が上がり陸上選手としてのレベルもグッと上がるはず。さらに、大会当日もリアルタイムにラップやスプリットタイムを確認しながら走ることで、より目標タイムの達成や、自己ベスト更新へと近づくはずです。陸上の中距離種目の800mや1500m、長距離種目の3000m、5000m、10000m、3000mSCに取り組むなら、陸上初心者も中上級者も是非ランニングウォッチを活用してみましょう。そして、是非自己ベストを目指しましょう。