雨の日のランニングはどうするべきか悩むところです。ザーザー降りや土砂降りなどの激しい雨なら走るのを控えておくのが賢明ですが、降水量1mm程度の小雨なら雨の中を走る「シャワーラン(シャワーランニング)」を楽しんでみるのがオススメです。
今回の記事では、雨が降る日に外を走るか、ランニングの予定を取り消すか迷っている人向けに、雨の日に屋外を走るシャワーランの嬉しいメリットと注意すべきデメリットを紹介しています。また、雨の中走ることで滑って怪我をしたり、体調を崩したりしないための、走る服装選びや靴選びのポイントを含め、多数の雨対策を紹介しています。梅雨や秋雨前線で連日続く雨でランニングをどうするか迷っている人や、シャワーランに挑戦してみたいという人は是非参考にしてみてください。
目次
雨の日のランニングはどうする?
雨の日は屋外でのランニングは出来ないというイメージを持っている人は多いようです。中学校や高校の体育の授業は雨の日には体育館で実施することになりますし、プロスポーツでも雨の日は雨天中止になることが多いため、「雨の日=走れない日」と捉える人が多いのも無理はありません。
しかし、大雨ではなく小雨程度なら、雨の日でも走るのをオススメします。雨をシャワーのように浴びながら走る「シャワーラン(シャワーランニング)」という言葉があるように、雨の中走るのは意外と気持ちよく、多くの市民ランナーがシャワーランを楽しんでいます。また、プロアマ問わず、全国各地で開催されるマラソン大会や駅伝大会、陸上競技大会は雨の日でも開催されるのが一般的です。
雨の日でも走るのを推奨する理由
①雨の中走るのは気持ちがいい
雨の日に屋外を走るのは気持ちが良いです。特に、気温の高い夏場は雨により気温がグッと下がるため涼しく感じます。リラックス効果のある雨音を聞きながら、清々しい空気を感じながら気持ちよく走れるため、雨の日に走るシャワーランが好きというランナーも多いです。
②雨が多い時期でも走るのを習慣化出来る
梅雨や台風シーズンのように連日雨が続く時期は、ランニング習慣が途切れがちです。雨で走れない日が続き、走るモチベーションが落ちて気がついたら走るのを辞めてしまっていたなんて人も少なくありません。せっかく頑張って走り続けてきたのに雨のせいで走る習慣がなくなってしまうのは非常に勿体無いです。
③連日の雨でも脚力を維持出来る
連日の雨模様で、何日間も走れないと、当然体力(スタミナ)や脚力が落ちてきます。ハーフマラソンやフルマラソンを目指しランニングを頑張っている人もトレーニング計画が大きく狂ってしまいます。そうならないためにも、雨でもランニングを継続出来るようにしておくのがベストです。
雨の日のランニング「シャワーラン」のメリット
雨の中でも濡れながら敢えて走るシャワーランには、「涼しく快適に走れる」、「楽に走れる」、「雨の日のマラソン対策になる」などの嬉しいメリットがあります。
メリット①涼しく快適に走れる
雨の日に屋外を走るシャワーランには、暑い夏場でも涼しく快適に走れるという大きなメリットがあります。雨の日は雨雲により日差しが遮られ、雨により空気が冷えるため、夏場の日中でも気温がグッとが下がります。また、雨が降っていることで心理的にも涼しいと感じやすくなります。連日暑い日が続く夏本番の雨は、ランナーにとって恵みの雨です。
メリット②楽に長く走れる
雨の日のランニングは走りにくいという先入観を持っている人も多いですが、実際は逆です。特に気温の高い季節において、雨の中のランニングは晴れの日のランニングよりも楽に長く走ることが出来ます。快晴の日よりも涼しい雨天日は、ランニング中の体温上昇が抑えられ体力消耗が少なくなり、心拍数や呼吸が安定しやすくなり疲労感が少なくなることで、楽に長時間走れるようになるのです。
メリット③雨の日のマラソン対策
マラソン大会や陸上競技の試合は、基本的に雨天決行です。台風が接近していない、警報が発令されていない限り、大会は雨の中開催されます。雨の中だと普段の力を出し切れないというランナーも多いですが、普段の練習で雨の中走ることに慣れておけば、雨の大会でも良い走りが出来るようになります。
雨の日のランニング「シャワーラン」のデメリット
基本的に雨の中を走るシャワーランはオススメですが、シャワーランにも注意すべきデメリットがあります。それが、「路面が滑りやすい」、「視界が悪くなる」、「体調を崩す可能性がある」の3点です。
デメリット①路面が滑りやすく転倒のリスクがある
雨の日のランニングは、晴れの日のランニングと比べて路面が滑りやすくなっており、転倒のリスクが高くなっているため注意が必要です。特に、道路の白線やマンホール、石畳、タイル、坂道などは雨で濡れていると滑りやすいため、走る際には要注意です。つまずきやすい、転倒で大怪我につながる可能性のある高齢者は例えゆったりペースのジョギングであっても雨の日のランニングは控えておくのが良いです。また、若い人も、滑りやすいところを避ける、滑りにくい靴を選ぶなどの対策が必要です。
デメリット②視界が悪く走りづらい
雨の日のランニングでは視界が悪く前方が見えづらいというデメリットもあります。雨天時は雨雲で太陽光が遮られているため日中であっても暗くなります。雨粒が目に飛んできたり、濡れた路面が光を反射したり、霧やもやが立ち込めたりと視界が悪くなり走りづらく感じることがあります。また、車や自転車から見たランナーの視認性も悪くなりがちで、予期せぬ交通事故に巻き込まれる可能性もあります。そのため、雨粒を避けるために帽子を被ったり、視認性を高めるためにLEDライトを活用したりの対策を取るのがオススメです。
デメリット③体調を崩す可能性がある
雨の中走ると、体が濡れて冷えてしまい体調を崩したり、風邪を引いてしまったりする可能性もあります。特に、気温の低い季節の雨の中のランニングでは低体温症のリスクもあります。そのため、体力が弱い人や免疫力が下がっている人は雨の日のランニングは控えておきましょう。また、それ以外の人も、気温の低い秋冬の雨の中走るなら、雨を弾く撥水ウェアや雨水を内部へと通さない防水ウェアなどを着用するなどの対策を取るようにしましょう。
雨の日のランニング「シャワーラン」を快適にするための対策
対策①ウェア選び
雨の日のランニングで一番重要な雨対策が、走る服装・ウェア選びです。基本的に雨で肌が濡れないようにすることが大切です。雨で肌が濡れて風に当たると、気化熱によって体温が急激に奪われてしまいます。そうなると、免疫力が下がり風邪を引きやすくなりますし、低体温症になるリスクもあります。そのため、トップスは長袖のシャツを着る、パーカーを羽織る、ボトムスはロングタイツを履くなど雨水から肌を守る対策が必要になってきます。
もちろん綿素材のウェアはNGです。雨を吸い込むような生地は走る時に邪魔になりますし、乾きが悪いので肌がずっと濡れた状態になります。オススメはポリステルやナイロン素材を採用し速乾性があり、さらに雨を弾いてくれる撥水性があるウェアです。気温が低い時期なら、防水性のあるものを羽織ると良いです。
春夏
春夏の暖かい時期は、雨が降ると気温が下がり涼しくなります。春夏は、普段の半袖Tシャツとハーフパンツに、雨対策として撥水性のあるパーカージャケットとロングタイツを合わせた格好がオススメです。
秋冬
秋冬は雨が降るとかなり寒くなります。そのため、防寒対策が重要です。トップスは長袖Tシャツ、ボトムスはハーフパンツとロングタイツ。さらに上に羽織るものとして、防水性のあるレインウェアを着用するのがオススメです。トレイルランナーが着用するような防水透湿性に優れた軽量のレインジャケットがオススメです。あとは、手を寒さから守るために撥水性のある手袋を着用すると良いでしょう。
対策②シューズ選び
雨の中走る時は、ウェア選び同様に靴選びも重要です。お気に入りのシューズが汚れるからと使い古したシューズを履くのはNGです。古い靴のアウトソールはすり減ってグリップ力が落ちています。そのため、雨の中走ると滑って転倒し怪我をしてしまう危険性があります。そうならないためにも、アウトソールがあまりすり減っていない新し目のシューズの方が良いでしょう(もちろん、おろしたての新品シューズだと逆に滑りやすいためある程度慣らしてから雨の日に使うのがベストです)。
また、雨の日ようにランニングシューズを準備するなら、ロードシューズよりもグリップ性が高く撥水性や排水性にも優れているトレラン向けのシューズを選んでみるのもオススメです。ロードランナーに馴染みのあるアシックスもトレイルランニングシューズを発売しているので、雨対策として雨用シューズを備えておくと安心です。
対策③つば付き帽子を被る
雨の日に欠かせないのがつば付きの帽子です。雨の中走ると、雨が顔に当たるので視界が遮られます。つば付きの帽子を被っておけば良好な視界を確保することが出来るので、雨の中でもしっかりと前を向いて走ることが出来ます。また、ランニングキャップ以外にもサンバイザーを着用するというのも有りですが、頭部を雨から守るということを考えると、やっぱり帽子の方がオススメです。
帽子は出来るだけ明るい色がオススメです。雨の日は視界が悪いので、自動車や自転車などからランナーの存在が見えにくいです。自分自身を目立たせるためにも、帽子は蛍光色カラーなどの明るい色を選びましょう。
対策④サングラスを装着する
つば付きの帽子を被って走っても、雨が目に入るのを完全には防ぐことが出来ません。絶えず雨が目に入ってくるのは結構つらいものです。その不快さを解消するためには、サングラスを着用してみるのがオススメです。サングラスをつけておけば、雨粒から目を完全に守ることが出来ます。
また、雨の日は暗いので、グレーのような晴天時に着用する暗いレンズカラーはNGです。あたりが暗い時に暗い色のレンズを着用すると余計に視界が悪くなります。雨の日に装着するなら、可視光線透過率の高いイエローカラー、オレンジカラーのサングラスがオススメです。
対策⑤5本指ソックスを着用する
雨の日のランニングでは、晴れの時以上に靴擦れや足のマメが心配です。雨で足元が濡れて皮膚がふやけた状態なので、ダメージを受けやすくなっています。そのため、乾きの良い靴下を選ぶことが大切です。間違っても乾きの悪い綿素材の靴下を履いて走ってはダメです。
また、特に、5本指靴下を履くのが一押しです。5本指ソックスは、指先が一つ一つ独立した形になっているので、指先同士の摩擦トラブルを防ぐことが出来ます。そのため、足元が濡れる雨の日のランニングでも比較的足のトラブルが起こりにくいです。
対策⑥LEDライトを身に着ける
雨の日は日中でも暗く視界が悪いです。そんな時に車や自転車の通りが多いところを走っていると、予期せぬ事故に巻き込まれる可能性があります。自動車や自転車からランナーの存在に気付きにくいので、接触事故に繋がる可能性があるのです。
そういった危険性から身を守るために、雨の日はLEDライトグッズを身に付けておくのがオススメです。光るライトを身に着けておけば、周りからの視認性が上がり、事故につながる確率がグッと下がります。視認性を高める意味では前後左右から見ても良く目立つ点滅式のライトを腕や足元に装着するのがオススメです。
対策⑦止まらずに走り続ける
雨の日のランニングは外へ出て一度走り出したら、自宅へ帰るまで出来るだけ止まらないように心がけることが大切です。ランニング中に立ち止まったり、休憩をしたりすると、ウェアが濡れているので身体が一気に冷えてしまいます。走っている時は体温が上がっているのでそれほど寒さは気になりませんが、一度走ることを辞めてしまうと一気に寒さを感じるようになります。
そのため、ランニングを終えるまではずっと走り続けるようにしましょう。ウォーミングアップやクールダウンも出来るだけ自宅に帰ってからするようにしてください。
対策⑧滑りやすい路面を避ける
雨の日に走る時に一番注意したいのが、滑ることです。雨の日は路面が濡れているので晴れの日に比べて滑りやすいです。走りながら滑ると大けがにつながることもあるので、滑りやすいマンホールや側溝の金網などは避けて走るようにしましょう。普段以上に路面に注意して走る必要があります。
対策⑨濡れない場所を選ぶ
雨の日に走るなら、敢えて濡れない場所を選ぶのもオススメです。一番濡れずに走れる場所と言えば、スポーツジムのトレッドミルですが、ランニングマシンじゃなく普通に走りたいと考えるランナーも多いでしょう。そんな方は、歩道があるトンネルや電車や高速道路の高架下、地下通路といったところを何度も往復しながら走るのがオススメです。そこまで車で移動していけば、完全に濡れることなく走ることが出来ます。
対策⑩走った後はすぐに着替える
雨の中のランニングを終えた後は、すぐにシャワーを浴びて着替えましょう。濡れたウェアを着たまま長くいると、身体が冷えてしまいます。そうならないために、走り終えたら出来るだけ早く濡れたウェアは脱いで、温かいシャワーを浴びるのが良いです。また、秋冬の寒い時期だと体はかなり冷えているので、温かい飲み物を飲むと良いです。
しっかり雨対策をして、シャワーランを楽しもう
雨の日のランニングは意外とオススメです。特に連日暑い日が続くような夏の時期だと、雨はまさに恵みの雨です。気温がグッと下がるので、涼しく走りやすくなります。もちろん、雨の中走る場合はしっかりと対策が必要です。対策をして走れば雨の中のランニングは非常に快適になります。まだ、シャワーランを経験していないという方は一度やってみると良いでしょう。晴れの日のランニングとは違った楽しさを味わうことが出来ます。