マラソンの重要指標VO2MAXの年齢別の平均値と測定方法

更新日:  著者:RUNNAL編集部

全身持久力・有酸素能力を示すマラソンの重要指標"VO2MAX"の年齢別の平均値と測定方法、向上させるためのトレーニング方法をまとめて紹介させていただきます。VO2MAXは若い時がピークで加齢とともに低下していきます。そんなVO2MAXの性別・年齢別の平均値を自分の数値と比較してみましょう。また、測定方法・向上させるためのトレーニング方法も紹介しているので、測定したことがないという人や、VO2MAXを強化するための方法を探している人など、是非参考にしてみてください。

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VO2MAXとは

VO2MAXとは、最大酸素摂取量のことです。Vは量(volume)、O2は酸素(oxygen)、MAXは最大値(maximum)の意味。VO2MAXはランニング中を始め運動中に呼吸によって体内に取り込むことが出来る酸素の最大量のこと。1分間に体内に取り込む酸素量を表し、単位はml/kg/分で表記します。

VO2MAXの数値が高いと、それだけ1分間に体内に取り込むことが出来る酸素量が多く、生み出せるエネルギー量も大きくなります。そのためVO2MAXの数値が高いということは有酸素運動能力が高く、全身持久力に優れているということを意味します。現在、VO2MAXはマラソンのような持久力を求められるスポーツの能力を客観的に示す、重要指標となっています。

VO2MAXの年齢別の平均値を知るのに参考になるデータ

健康づくりのための運動基準2006(厚生労働省)

性別/年齢 20代 30代 40代 50代 60代
男性 40 38 37 34 33
女性 33 32 31 29 28

VO2MAXの性別・年齢別の平均値の参考となるのが、厚生労働省が発表した「健康づくりのための運動基準2006」です。これは体力向上や生活習慣病の予防のための基準値として厚生労働省が発表した数値で、VO2MAXの平均値の参考となります。この数値より低い場合は、体力をつけるためにも生活習慣病の予防のためにも、この基準値はクリア出来るように頑張りましょう。

新・日本人の体力標準値<2000>

年齢 10代 20代 30代 40代
平均値 約49 約45 約39 約35

東京都立大学体力標準値研究会の著書である「新・日本人の体力標準値」の平均データは、年齢別の平均値の参考となります。VO2MAXは若い時が高く、加齢とともに低下していく特徴があります。このデータからも、そのことははっきりと分かります。

ガーミン

男性
20代 30代 40代 50代 60代 70代
極めて優秀 55.4 54 52.5 48.9 45.7 42.1
かなり高い 51.1 48.3 46.4 43.4 39.5 36.7
高い 45.4 44 42.4 39.2 35.5 32.3
標準 41.7 40.5 38.5 35.6 32.3 29.4
女性
20代 30代 40代 50代 60代 70代
極めて優秀 49.6 47.4 45.3 41.1 37.8 36.7
かなり高い 43.9 42.4 39.7 36.7 33 30.9
高い 39.5 37.8 36.3 33 30 28.1
標準 36.1 34.4 33 30.1 27.5 25.9

VO2MAXの推定値を測定できるランニングウォッチを販売するガーミンでは、男性・女性別にVO2MAXの標準値~きわめて優秀な数値まで段階別に参考になる数値を公開しています。自分のVO2MAXの値がどれぐらいのレベルなのか判断する場合に非常に参考になります。

 

一般人の平均は40ml/kg/分、オリンピック選手レベルは80~90ml/kg/分

上記で紹介したVO2MAXの年齢別の基準値や平均値のデータからも分かるように一般人(男性)の平均値は40ml/kg/分前後です。そのため、平均を上回っているか、下回っているのか判断する場合は40ml/kg/分という数値が参考となります。また、オリンピックにも出場するような一流のアスリートレベルになると80~90ml/kg/分の数値になると言われています。

VO2MAXを測定する5つの方法

トレッドミルやエアロバイクで測定

VO2MAXを測定する一般的な方法は、トレッドミルやエアロバイクで測定する方法です。その際には、専用のマスクを装着します。専用マスクを装着し、ランニング中(運動中)の呼気を採取し呼気ガス分析装置によって呼気流量や呼気中の酸素濃度、二酸化炭素濃度を分析し、VO2MAXの値を導き出します。

関東では東京にある東京体育館、関西では大阪にある大阪市中央体育館にてVO2MAXを測定することが可能です。また、ミズノやアシックスでVO2MAXを測定してもらえるイベントやクリニックも開催されているので、そちらに行ってみるのも良いでしょう。

最大心拍数と安静時心拍数から計算

VO2MAXは心拍数から簡単に計算することが出来ます。心拍数とは1分間に心臓が拍動する回数の事で、手首や首の付け根、左胸に指や手のひらを当てることで簡単に測ることが出来ます。

心拍数からVO2MAXを導き出す場合、最大心拍数と安静時心拍数が必要です。最大心拍数とは、運動強度を上げていった時に達する最大の心拍数のこと。100mを全力で走るように、運動強度の高い運動をすることで導き出されるのが最大心拍数。安静時心拍数は文字通り安静にしている時の心拍数。VO2MAXを導く計算式は、「15x最大心拍数/安静時心拍数」です。

最大心拍数は、簡易的な計算式「220-年齢」で導くことが出来ます。35歳の人なら最大心拍数は185です。安静時心拍数は、朝目覚めた時、ベッドや布団から起き上がらず寝転んだ状態で測ります。ベッドや布団から起き上がってしまうと心拍数が上がり、正しく安静時心拍数を測ることが出来ます。

35歳の人で最大心拍数が185、安静時心拍数が70の場合、VO2MAXは「15x185÷70」という計算式で39.6と導くことが出来ます。

12分間走(クーパーテスト)の結果から計算

学校の体育の体力テストや持久走等で実施されることが多い12分間走。12分間でどれだけの距離を走ることが出来るか、持久力を測るためのテスト。この12分間走の結果からもVO2MAXを測定することが出来ます。そもそも、12分間走は最大酸素摂取量を予測するために考案されたもので、考案者のケネス・クーパー博士から名前をとりクーパーテストと言われています。

12分間走からVO2MAXを測定する計算式は「(12分間走で走った距離(m)-505)÷45」です。仮に3000mを走った場合、VO2MAXは「(3000-505)÷45=55.44」となります。学校で12分間走を走った中学生や高校生は、この計算式でVO2MAXを計算してみると良いでしょう。

20mシャトルランの結果から推定

12分間走同様、持久力を測るための体力テストの一つ、20mシャトルランの結果からもVO2MAXを予測することが可能です。20mシャトルランの結果からVO2MAXを推定するための目安として、文部科学省が「20mシャトルラン(往復持久走)最大酸素摂取量推定表」という資料を公表しているので、そちらを参考にしてみてください。

ちなみに、50回でVO2MAXは37.3、100回で48.5、130回で55.5、150回で59.8となっています。文部科学省の資料には8回~157回まで1回刻みごとのVO2MAXの推定値を確認することが出来ます。

ガーミンランニングウォッチで測定

もっと手軽にVO2MAXを測定する方法があります。それはランニングウォッチで測定するというもの。ガーミンのVO2MAX機能を搭載したモデルなら、腕に装着して走るだけで手軽にVO2MAXを測定することが出来ます。

また、ガーミンのランニングウォッチは測定したVO2MAXから、5km、10km、ハーフマラソン、フルマラソンの各マラソン種目ごとの予測タイムを推定してくれる機能もあります。この予測タイムは実際のタイムよりは速いタイムが出ることが多いですが、目標タイムを設定する際の良いデータとなります。

手軽にVO2MAXを測定したい場合や、VO2MAXの変化を見ながら日々の成長を実感したいという人には、ガーミンのランニングウォッチがおすすめです。

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VO2MAXを向上させるためのおすすめマラソントレーニング

インターバル走

VO2MAXを向上させるためには、強度の高いトレーニングがおすすめ。強度の高いトレーニングをすることによって、心肺機能や筋細胞を活性化させ、体内に酸素を取り込む能力が向上しVO2MAXの数値が上がっていきます。マラソンのタイム向上に効果的かつVO2MAXの向上にも効果的なのがインターバル走です。

インターバル走は疾走と緩走を繰り返すトレーニングで、トレーニング中に心拍数が大きく変動します。心肺機能に大きな負荷をかけることが出来るため、VO2MAXの向上に効果的です。また、VO2MAXを向上させるためには、レースペース又はレースペース以上で取り組むことが大切です。

マラソンの場合は1kmインターバル走が一般的。1kmx5~10本をレースペース又はそれ以上のペースで取り組んでみましょう。

▼インターバル走について詳しく見てみる

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インターバル走と言えば、とにかくきついイメージを持っている人が多いでしょう。インターバル走は疾走と緩走を繰り返すトレーニ ...

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レペティショントレーニング

インターバル走同様、心肺に負荷をかけることでVO2MAXの向上が期待出来るトレーニングがレペティショントレーニング。レペティショントレーニングは、1本1本を完全休養を挟む形で取り組むため、インターバル走よりも1本1本を速いペースで走ることが出来ます。スピードの底上げや心肺機能、VO2MAXの向上が期待出来る練習メニュー。

レペティショントレーニングは15分程度の休息を挟み取り組むため、インターバル走よりも速いペースで取り組みましょう。マラソンの練習なら、インターバル走同様1kmインターバルがおすすめ。1km5~8本程度をインターバル走よりも速いペース又はレースペースよりも速いペースで取り組みましょう。

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