マラソンや駅伝の高速化が進む今の時代、長距離ランナーが勝負に挑む上で欠かせないものが厚底カーボンシューズです。高反発のミッドソールに剛性の高いカーボンプレートを挟み込むことで、爆発的な推進力を生み出してくれる厚底シューズは、“今一番速く走れるランニングシューズ(マラソンシューズ)”として世界のエリートランナーや、学生ランナー、さらには市民ランナーの間でも大人気のシューズとなっています。
今回の記事では、厚底の代名詞であるナイキのヴェイパーフライやアルファフライを筆頭に、アシックスやアディダス、ナイキ、ニューバランス、ミズノなど各シューズメーカーが開発した厚底カーボンシューズの特徴を一挙に紹介しています。さらに、カーボンプレート入り厚底シューズのメリットやデメリット、知っておきたい厚底規定なども紹介しています。これからカーボンプレート入りシューズへ挑戦してみたいと考える厚底初心者のランナーも是非参考にしてみてください。
目次
- 厚底カーボンシューズとは
- 厚底カーボンシューズのメリット
- 厚底カーボンシューズのデメリット
- 最低限知っておきたい厚底カーボンシューズの厚底規定
- NIKE(ナイキ)の厚底カーボンシューズ
- asics(アシックス)の厚底カーボンシューズ
- adidas(アディダス)の厚底カーボンシューズ
- new balance(ニューバランス)の厚底カーボンシューズ
- mizuno(ミズノ)の厚底カーボンシューズ
- PUMA(プーマ)の厚底カーボンシューズ
- HOKA ONE ONE(ホカオネオネ)の厚底カーボンシューズ
- BROOKS(ブルックス)の厚底カーボンシューズ
- SAUCONY(サッカニー)の厚底カーボンシューズ
- Reebok(リーボック)の厚底カーボンシューズ
- On(オン)の厚底カーボンシューズ
- YONEX(ヨネックス)の厚底カーボンシューズ
- 厚底カーボンシューズを履いて自分史上最速の走りでゴールを駆け抜けよう!
厚底カーボンシューズとは
厚底カーボンシューズとは、分厚いミッドソール内に高反発素材であるカーボンファイバープレートを搭載したランニングシューズのことです。主にオリンピックや世界陸上を走るエリートランナーや、箱根駅伝や全国高校駅伝を目指す学生ランナー、サブ3やサブ2.5達成を目指す市民ランナーなどをターゲットとした上級者向けのレーシングシューズです。
機能面では、樹脂に炭素繊維を織り込んで強化された剛性が高く変形しにくいカーボンプレートを搭載しているのが大きな特徴です。内蔵されたカーボンプレートは着地時に大きくしなり、蹴り出しまでの流れの中で元の形状へと戻ろうと強く跳ね返ります。このカーボンプレートの跳ね返り時の強いエネルギーを推進力へと変換するというのが厚底カーボンシューズの“爆速の走り”を支える重要な仕組みとなっています。さらに、従来の上級者向けランニングシューズの代表格と言える薄底シューズと違ってクッション性にも優れているため、スピードが出せると同時に脚への負担も軽減出来るというのが厚底カーボンシューズの人気の理由となっています。
厚底カーボンシューズのメリット
マラソンや駅伝などの長距離レースを走るランナーが、ナイキのヴェイパーフライやアルファフライを始めとした厚底カーボンシューズを着用する最大のメリットは、「楽に速いペースで走れること」と「脚へのダメージが少なく終盤も失速しにくい」の2点です。
メリット1、カーボンプレートの反発力が高く、楽に速いペースで走れる
厚底カーボンシューズの最大のメリットは、楽に速いペースで走れること。それを支えるのがミッドソールに挟み込まれたカーボンプレートによる優れた反発力です。
剛性が高く、しなると強い力で元の形状へと跳ね返るカーボンプレートが、着地〜蹴り出しの流れの中で強い反発力を生み出してくれるため、ランナーはまるで緩やかな下り坂を走っているかのような感覚で楽にスピードを出すことが出来ます。さらに、従来のシューズのように地面を強く蹴ることなくストライドを伸ばせるため、自分の力以上のペースで走ることが可能で、大幅な自己ベストの更新も期待出来ます。
厚底カーボンシューズによって生まれたマラソンの世界記録
年 | 大会 | 記録 | 選手 |
---|---|---|---|
2018 | ベルリン | 2時間1分39秒 | エリウド・キプチョゲ |
2019 | ※非公認レース | 1時間59分40秒 (※非公認) | エリウド・キプチョゲ |
2022 | ベルリン | 2時間1分9秒 | エリウド・キプチョゲ |
※厚底登場以前の世界記録は2014年のベルリンマラソンでデニス・キメット選手が出した2時間2分57秒
厚底カーボンシューズによって生まれたマラソンの日本記録
年 | 大会 | 記録 | 選手 |
---|---|---|---|
2018 | 東京 | 2時間6分11秒 | 設楽悠太 |
2018 | シカゴ | 2時間5分50秒 | 大迫傑 |
2020 | 東京 | 2時間5分29秒 | 大迫傑 |
2021 | びわ湖毎日 | 2時間4分56秒 | 鈴木健吾 |
※厚底登場以前の日本記録は2002年のシカゴマラソンで高岡寿成選手が出した2時間6分16秒
メリット2、薄底よりも脚へのダメージが少なく、レース終盤でも失速しにくい
厚底カーボンシューズの2つ目のメリットは、厚底による優れたクッション性で脚への負担を少なく出来るところです。そのため、フルマラソンの35km以降のようにレース終盤でも脚が残っている感覚があり、終盤での失速を防ぐことが出来ます。
従来の薄底シューズの場合、軽量性と反発性を重視するあまりにクッション性が犠牲になることが多く、脚への負担が大きいことからレース終盤で脚が動かなくなり失速しやすくなるというのが大きな課題となっていました。しかし、厚底カーボンシューズは高反発でスピードを出しやすいながらも、厚手の靴底を採用し着地衝撃性にも優れているため、脚への負担も減らすことが出来てレース終盤での失速対策にもなるのです。
厚底カーボンシューズのデメリット
速く走れるシューズとして人気の厚底カーボンシューズですが、当然注意しておきたいデメリットもあります。それが、「価格が高い」「安定性が低い」「ミッドフット走法やヒールストライク走法には不向き」「履きこなすのに時間がかかる」の4点です。
デメリット1、価格が高く耐久性も低い
厚底カーボンシューズの一つ目のデメリットは、値段が高くて耐久性も低いことです。
ミッドソールには各社自慢の最新技術が詰まった超軽量&高反発の素材が使われ、そこに各社の研究に基づいた形状や位置でカーボンプレートが挟み込まれているため、価格は2万円台、3万円台とかなり高めの設定です。逆に耐久性に関しては、重要パーツであるカーボンプレートの劣化が早く、さらに軽量性を重視するために削れるパーツはトコトン削られているため、通常のランニングシューズと比較して寿命は短めとなっています。例えば、ナイキの初代ヴェイパーフライ4%の寿命が160km、ズームXヴェイパーフライネクスト%が400km程度が目安とされています。
デメリット2、安定性が低い
厚底カーボンシューズの二つ目のデメリットは、着地時の安定性が低いことです。
厚底カーボンシューズは着地時に柔らかく分厚いソールの部分が沈み込みカーボンプレートが大きくしなることで高い反発を得られる一方、足元の安定性が低いのが大きな弱点です。そのため、着用するランナーには着地から蹴り出しまでの流れの中で自分自身の体を安定させるための高い技術力と体幹を中心とした筋力が求められます。もし、そういった技術力が無い、筋力が不足している場合は、厚底カーボンシューズから得られる爆発的な推進力が半減してしまうのはもちろんのこと、脚を痛める原因にもなります。
デメリット3、ミッドフット走法やヒールストライク走法のランナーには不向き
厚底カーボンシューズの三つ目のデメリットは、中足部付近で着用するミッドフット走法やかかと付近で着地するヒールストライク走法のランナーには不向きであることです。
各メーカーの厚底カーボンシューズは基本的に前足部付近で着地するフォフット走法のランナー向けに作られています。そのため、シューズの前足部付近にスイートスポット(最適箇所)があり、そこで着地することではじめてカーボンプレートによる強い恩恵を受けられるようになっているのです。一応、ミッドフットやヒールストライクの走り方のランナーでも扱えるスイートスポット広めの厚底カーボンシューズもありますが、フォアフット前提のシューズと比べると得られる反発力は弱めとなります。
デメリット4、履きこなすのに時間がかかる
厚底カーボンシューズの最後の四つ目のデメリットは、厚底シューズ初心者の場合、通常のシューズから乗り換えて履きこなすのにかなり時間がかかることです。
厚底カーボンシューズは基本的に靴に合わせて自分の走り方を変える必要があります。従来の上級者向けの薄底シューズと比較しベストな着地方法やよく使う筋肉の箇所、接地感覚などにも大きな違いがあります。そのため、買って試走してみてすぐにレースで使えるというものではなく、走法を変えたり、不足している筋力を補うトレーニングをしたりと、履きこなすためにある程度の準備期間が必要となります。
最低限知っておきたい厚底カーボンシューズの厚底規定
種目 | 厚底上限 |
---|---|
トラック種目の800m未満 (100m・200m・400m・110H・400H) | 20mm ※実質厚底禁止 |
トラック種目の800m以上 (800m・1500m・3000m・5000m・10000m・3000mSC) | 25mm ※実質厚底禁止 |
クロスカウントリー | 25mm ※実質厚底禁止 |
ロード種目 (3km・5km・10km・ハーフマラソン・フルマラソン・ウルトラマラソン・駅伝) | 40mm |
マウンテンランニング・トレイルランニング | 制限なし |
初めて厚底カーボンシューズを購入する場合、注意しておきたいのがソールの厚みです。2020年7月28日にワールドアスレティックス(WA)規則第143条(TR5)の再改訂が行われたことにより、陸上競技のトラック種目やロードレースへと参加する場合、ランナーは陸上競技の国際競技連盟の定めるランニングシューズの厚みの上限値を守る必要があります。
現状、上記の表の通り、トラック種目ではソールの厚みの上限が800m未満は20mm、800m以上は25mmと規定されているため、トラック種目においては実質的に厚底カーボンシューズは使用不可となっています。ただし、ごく一部のソール厚み25mm以下の薄底カーボンシューズなら800m以上の中長距離種目において使用は可能です。
また、ハーフマラソンやフルマラソン、駅伝などのロード競技会においては厚みの上限が40mmです。最近は、アディダスのアディゼロプライムXやニューバランスのフューエルセルスーパーコンプトレイナーのように、ソール厚み40mmを大きく超える規格外モデルも販売されるようになってきましたが、当然40mm超えのモデルは日本陸連主催の大会では使用出来ません。
NIKE(ナイキ)の厚底カーボンシューズ
ズームフライ5
厚底と言えばnike(ナイキ)。今やオリンピックや世界陸上を走るトップ選手に、箱根駅伝を走る学生ランナー、さらにはサブ3やサブ2.5を夢見て走る市民ランナーに至るまで、多くのシリアスランナーにとって速く走れる勝負シューズとなっているのがnike製の厚底です。そして、ナイキの厚底カーボンシューズで一番安く変えるお買い得なモデルが、「ZOOM FLY 5(ズームフライ5)」です。
ナイキのズームフライ5は、フルレングスのプレートを搭載したナイキ製厚底シューズながらも1万円台で買えるコスパの良さが魅力です。さらに、ミッドソールにはエリートランナー向けモデルにも搭載されている超軽量&高反発&高クッションであるZoom Xフォームを搭載するなどかなりお買い得。また、接地面積が広めで、ナイキ製厚底シューズの中では安定性にも優れているため、厚底初心者でも履きやすい厚底シューズとなっています。
ズームXヴェイパーフライネクスト%2
2017年の衝撃デビュー以来、マラソンの世界記録や日本記録を含め長距離レースにおいて数々の高記録を生み出してきた元祖厚底カーボンシューズであり、ナイキを代表する厚底カーボンシューズであるナイキのヴェイパーフライシリーズ。そしてそのヴェイパーフライシリーズの最新作となるのが「ZOOMX VAPORFLY NEXT% 2(ズームXヴェイパーフライネクスト%2)」です。
ナイキのズームXヴェイパーフライネクスト%2は、フルレングスのカーボンプレートと超軽量&高反発のクッショニング素材であるZoom Xフォームによって爆発的な推進力を得られるのが魅力。また、ナイキの爆速シューズの中ではスイートスポットが広めということもあり、扱いやすく万人受けしやすいシューズとしても有名です。ナイキの最速シリーズであるヴェイパーフライシリーズか、アルファフライシリーズか迷ったらまずは扱いやすいヴェイパーフライシリーズがオススメ。
エアズームアルファフライネクスト%2
世界のナイキが誇る最速シューズであり、2019年には非公認ながらも全人未踏のフルマラソン2時間切りとなる1時間59分40秒のタイムを叩き出したことで有名なのがアルファフライシリーズ。そのアルファフライシリーズの最新作となるのが「AIR ZOOM ALPHA FLY NEXT% 2(エアズームアルファフライネクスト%2)」。
ナイキのエアズームアルファフライネクスト%2は、Zoom Xフォームの前足部に高反発クッショニング素材であるNike Airポッドを2つ搭載することでかつてないほどの反発力を得られるのが魅力です。スイートスポットはヴェイパーフライシリーズよりも狭めであるものの、最適な箇所でしっかりと着地することでヴァイパーフライシリーズ以上の反発力を得られるのが最大の特徴です。今、最速シューズとして選ぶならアルファフライは間違いのない一足です。
asics(アシックス)の厚底カーボンシューズ
マジックスピード2
ナイキ製厚底シューズに次いでエリートランナーから市民ランナーに至るまで人気が高いのがasics(アシックス)製の厚底シューズです。アシックスの厚底シューズは従来の厚底シューズよりも着地時の安定性が高く、スイートスポットも広めで扱いやすいのが特徴。そして、そんなアシックス製厚底シューズの中でコスパの高さから人気が高いのが「MAGIC SPEED 2(アシックス マジックスピード2)」です。
アシックスのマジックスピード2は、1万円台ながらもフルレングスのカーボンプレートを搭載したコスパ最強の厚底カーボンシューズです。また、ミッドソールは硬めで安定性に優れ、接地感覚も得やすいため、初めて薄底シューズから厚底シューズへと乗り換えるという人も使いこなしやすいシューズとなっています。スイートスポットも広く、ミッドフット走法やヒールストライク走法などどんなランナーでも扱いやすい万能シューズです。
アシックス メタスピードエッジプラス
カーボンプレート特有の高反発を得られる上に、ナイキ製厚底カーボンシューズよりも扱いやすいと多くのランナーから評判が高いのがasics(アシックス)のMETASPEED+シリーズのピッチ型ランナー向けである「METASPEED EDGE+(メタスピードエッジプラス)」。
アシックスのメタスピードエッジプラスは、日本人に多いピッチ走法のランナー向けにカーボンプレートの形状と配置位置を最適化した厚底カーボンシューズです。V字型形状のカーボンプレートをミッドソール下部に配置することで、足の回転数で勝負するランナーのペースアップをアシストしてくれます。また、着地時の安定性にも優れ、さらにかかとでの着地でのしっかりと反発を得られる構造となっているため、アシックスらしく扱いやすいシューズとなっているのも魅力です。
メタスピードスカイプラス
国内メーカーのasics(アシックス)のランニングシューズの中で最強の反発性能と最速のスピードを誇るのがストライド走法のランナーへ向けて設計された「METASPEED SKY+(アシックス メタスピードスカイプラス)」。
アシックスのメタスピードプラスは、フラット形状のカーボンプレートをミッドソール上部に配置することでよりカーボンのしなりによる強い反発力を得られるアシックス最強の厚底シューズです。ミッドソールには軽量&高反発素材であるFF BLAST TURBOを全面に採用し、カーボンプレートとの組み合わせによる爆速の推進力を体験出来ます。エッジプラスよりも前の方での着地が求められ履きこなしのハードルは上がるものの、エッジプラスよりも厚底カーボンシューズのメリットをより大きく得ることが出来ます。
adidas(アディダス)の厚底カーボンシューズ
アディゼロボストン11
ナイキに次ぐ人気の厚底シューズメーカーとして人気が高まっており、さらに厚底シューズのラインナップも豊富なのがadidas(アディダス)。アディダスではサブ4周辺のランナーでも厚底カーボンシューズ特有の高反発を体験出来るのが特徴で、それが「ADIZERO BOSTON 11(アディゼロボストン11)」。
アディダスのアディゼロボストン11は、フルマラソンサブ4〜サブ3.5近辺のランナーでも着用出来る厚底シューズです。アディゼロボストン11はフルレングスではないものの、アディダス独自の5本指カーボンとも言われるENERGY RODS(5本骨状バー)を前足部に搭載しています。ミッドソール上層にはLIGHTSTRIKE PRO、ミッドソール下層にはLIGHTSTRIKE EVAを搭載し、蹴り出し時に強い反発を得られると同時に高い安定性も期待出来るシューズとなっています。
アディゼロアディオスPRO3
優れ反発性とともに安定性も期待出来るということで、国内外を問わずトップレベルのランナーからも高い支持を集めているのがadidas(アディダス)の厚底シューズ。そんなアディダスの最速マラソンシューズが、「ADIZERO ADIOS PRO 3(アディゼロアディオスプロ3)」です。
アディダスのアディゼロアディオスプロ3は、アディダス独自の5本指カーボンをフルレングスで搭載した爆速マラソンシューズです。アディダスが誇る軽量&高反発素材であるLIGHTSTRIKE PROフォームに最新の5本骨状カーボンバーであるENERGYRODS2.0を搭載し、着地から蹴り出しの流れの中で大きな推進力を得ることが出来ます。また、LIGHTSTRIKE PROフォームは比較的安定性にも優れたフォーム素材であるため、フォアフット走法以外のランナーでも扱いやすい厚底となっています。
アディゼロタクミセン8
adidas(アディダス)が5km・10km・ハーフマラソン・駅伝といったフルマラソン未満のロードレースを想定し開発した最強厚底シューズが、「ADIZERO TAKUMI SEN 8(アディゼロタクミセン8)」。
アディダスのアディゼロタクミセン8は、185gの超軽量性を誇るショートレース向けの爆速厚底シューズです。アディダスの軽量&高反発素材LIGHTSTRIKE PROにグラスファイバー素材の5本骨状バーを搭載し、爆発的な推進力を与えてくれます。さらに、厚底特有の優れたクッション性がありながらも薄底のような接地感覚も得やすいシューズとなっているため、薄底からの乗り換えとして最初に試してみるのにもオススメの一足です。
アディゼロプライムX
adidas(アディダス)が世界陸連の厚底規定(上限40mm)を完全に無視し、最強&最速の厚底カーボンシューズとして開発したのが、「ADIZERO PRIME X(アディゼロプライムX)」。
アディダスのアディゼロプライムXは、厚底規定の上限値である40mmを大きく超える50mmの厚みを誇る規定度外視の最強厚底シューズです。さらに、最強の高反発を生むために、5本指カーボンと言われるENERGY RODSに加え、それと連動する3本ナイロンバーであるENERGY BLEDEも搭載。この点でも、剛性プレートは同一平面に並べ重なり合うのはNGという世界陸連の規定を完全無視した我が道を行くアウトローな厚底カーボンシューズとなっています。マラソン大会では規定違反のないため基本的に使用出来ませんが、最強の厚底を試してみたいという人にぴったりの一足です。
new balance(ニューバランス)の厚底カーボンシューズ
フューエルセルRCエリートv2
newbalance(ニューバランス)のフルマラソン用最強レーシングシューズとなるのが、「FuelCell RC ELITE v2(フューエルセルRCエリート v2」。
ニューバランスのフューエルセルRCエリートは、ニューバランス史上最も反発弾性の高いFuelCellフォームにフルレングスのカーボンプレートを搭載した厚底カーボンシューズです。一般的な厚底カーボンシューズと比べて接地面積が広く、スイートスポットの範囲も広いため、どんな走法のランナーでも履きこなしやすい厚底となっています。さらに、厚底カーボンシューズ特有のクセも少なく、安定性にも優れているため、初めての厚底としても最適です。
フューエルセルスーパーコンプトレイナー
new balance(ニューバランス)がルールを破ってでも最高のテクノロジーを凝縮させ完成させた爆速厚底カーボンシューズが「FuelCell SuperComp TRAINER(フューエルセルスーパーコンプトレイナー)」。
ニューバランスのフューエルセルスーパーコンプトレーナーは、世界陸連の定めるソールの厚みの上限値である40mmオーバーのルールブレーカーシューズです。高反発素材であるFuellCellミッドソール内に、弓形状の新カーボンプレートを搭載し、さらに独自データに基づいて作られた空洞を備えることで、カーボンプレートのしなりが最大化し最強の反発力を得られるシューズとなっています。正式な大会では使えないものの、自分自身に眠るポテンシャルを最大限引き出すためにスピード練習で活用してみるのに最適なシューズです。
mizuno(ミズノ)の厚底カーボンシューズ
ウエーブデュエルプロ
アシックス同様に国内メーカーとして高い人気を誇るmizuno(ミズノ)の最速の厚底レーシングシューズが、「WAVE DUEL PRO(ウエーブデュエルプロ)」です。
ミズノのウエーブデュエルプロは、ハイヒールのようなシルエットが特徴的な踵がない画期的なランニングシューズです。踵がなく、着用すれば自ずとつま先立ちとなるため、半ば強制的にフォアフット走法となるのが魅力的です。前足部にはクッション性と反発性の両方に優れたMIZUNO ENERGY LITEを搭載し、フォアフット走法による効率の良い走りをサポートしてくれます。また、ミズノの代表的機能であるMIZUNO WAVEは、長距離シューズとしては初となるカーボン繊維で強化された独自のMIZUNO WAVEが搭載されているため、フォアフット着地でも高い安定性を確保出来、さらに優れた推進力も得られるようになっています。
ウエーブデュエルプロQTR
mizuno(ミズノ)最強厚底シューズであるウエーブデュエルプロのトラックレース版とも言えるのが「WAVE DUEL PRO QTR(ウエーブデュエルプロクウォーター)」。
ミズノのウエーブデュエルプロQTRは、ミッドソールの厚みが25mm以下のためトラックレースの800m以上の種目(800m・1500m・3000m・5000m・10000m・3000mSC)でも着用出来るのが魅力のシューズです。通常のウエーブデュエルプロ同様にかかとの無いデザインが特徴的で、効率の良い走りと言われるフォアフット走法で走ることをアシストしてくれます。また、通常版よりもミッドソールが薄めであるため、接地感を得やすいのも魅力です。トラックレースだけではなくロードでも接地感覚の得やすい厚底シューズを選ぶなら、プロではなくプロQTRを選んでみるのもアリです。
PUMA(プーマ)の厚底カーボンシューズ
ディヴィエイトニトロ2
幅広い走力レベルのランナーへ向けて厚底カーボンシューズを展開しているのがpuma(プーマ)。プーマは厚底カーボンシューズのラインナップが豊富で、そのエントリーモデルに位置するのが「DEVIATE NITRO 2(ディヴィエイトニトロ2)」。
プーマのディヴィエイトニトロ2は、"誰でも履けるみんなの厚底モデル”をコンセプトに本当に誰でも履きやすい安定性にも優れた厚底カーボンシューズです。ミッドソールにはNITRO FOAMに加え、NITRO ELITE FOAMも採用し、カーボンファイバープレートであるPWRPLATE(パワープレート)も搭載することで、高いクッション性とともに優れた反発力を備えたシューズとなっています。さらにヒールカップも含め安定性にも優れているため、サブ4レベルのランナーや、ミッドフット走法やヒールストライク走法のランナーでも履きやすい厚底となっています。
ディヴィエイトニトロエリート
puma(プーマ)の“誰でも履けるみんなの厚底モデル”のトップモデルであり、フルマラソン3時間切り(サブ3)レベルのランナーにぴったりなのが「DEVIATE NITRO ELITE(ディヴィエイトニトロエリート)」です。
プーマのヴィエイトニトロエリートは、重量200g未満の軽量性に優れた厚底カーボンシューズです。軽量性と反発性に優れたNITRO ELITE FOAMを採用し、そこにスプーン状のカーボンプレートを挟み込むことで優れた軽量性とともに抜群の推進力を実現させています。さらに、コンセプトの通り、前足部でピンポイントに着地する必要はなく、中足部でもかかと部での着地でも十分な推進力を得られる構造となっています。そのため、ミッドフット走法やヒールストライク走法のランナーでも試しやすい厚底です。
ファストアールニトロエリート
puma(プーマ)史上最速の厚底レーシングシューズであり、爆発的な推進力を得られる最強シューズとして誕生したのが、「FAST-R Nitro Elite(ファストアールニトロエリート)」です。
プーマのファストアールニトロエリートは、カーボンファイバープレートであるPWRPLATEが外から剥き出しになったところが特徴的な厚底シューズです。カーボンファイバープレートが地面に近い位置に配置されていることで、着地時の衝撃エネルギーを効率よく推進力へと変換出来る仕組みとなっています。また、前足部と後足部が分かれたユニークな形状も特徴的で、前足部にはpuma史上最高の反発力を誇るNITRO ELITE FOAMが採用されています。そのため、前足部で着地することで、爆発的な推進力を得られるようになっています。
HOKA ONE ONE(ホカオネオネ)の厚底カーボンシューズ
カーボンX3
元祖厚底シューズブランドと言える分厚いミッドソールが特徴的なHOKA ONE ONE(ホカオネオネ)も厚底カーボンシューズを販売しています。HOKAの最新作となるのが「CARBON X 3(カーボンX 3)」です。
ホカオネオネのカーボンX3は、HOKAらしい分厚いミッドソールと見た目からは想像出来ない軽量性が特徴的な厚底カーボンシューズです。2層構造のミッドソールにカーボンプレートを挟み込むことで、高いクッション性とともに優れた反発性を実現させています。また、HOKAの強みとも言えるメタロッカー構造を採用しているため、着地から蹴り出しまでの流れが非常にスムーズで安定感ある走りが出来るのも魅力的です。デザイン面では、左右非対称のアシンメトリーカラーを採用しているため、見た目の非常におしゃれです。
ロケットX
HOKA ONE ONE(ホカオネオネ)のトップモデルとして君臨するのが、「ROCKET X(ロケットX)」です。
ホカオネオネのロケットXは、エリートランナー向けに設計された高反発が売りの厚底カーボンシューズです。ホカオネオネ史上最軽量素材で出来たミッドソールにカーボンファイバープレートを内蔵し、分厚いミッドソールながらも高い軽量性と優れた反発力を備えたシューズとなっています。また、従来のトップランナー向けの厚底カーボンシューズと比べ、ソールが硬めで沈み込みが少ない分、着地時の安定性が高いのも特徴的です。さらに、広い接地面積を確保しているため、どんな走法のランナーでも扱いやすいカーボンシューズとなっています。
BROOKS(ブルックス)の厚底カーボンシューズ
ハイペリオンエリート3
100年以上の歴史を持ち、アメリカのランナーに絶大な人気を誇るのがBROOKS(ブルックス)。米国人気NO.1のランニングシューズブランドであるBROOKSが開発した厚底カーボンシューズが、「HYPERIONELITE3(ハイペリオンエリート3)」。
ブルックスのハイペリオンエリート3は、技術力の高いブルックスらしく、速さと安定感の両面で優れた厚底カーボンシューズです。ブルックス独自ミッドソールであり、軽量性と反発性に優れたDNA FLASHに可変式カーボンプレートを搭載することで、トップランナーのスピード感ある走りをサポート。さらに、単純に速く走れるだけではなく、老舗ブランドらしく安定感ある走りが出来るのも魅力です。
SAUCONY(サッカニー)の厚底カーボンシューズ
エンドルフィンプロ3
1898年創業のアメリカ最古のランニングブランドであるSAUCONY(サッカニー)。そんな老舗ブランドであるサッカニーの最新&最強の厚底レーシングシューズとなるのが、「ENDORHIN PRO 3(エンドルフィンプロ3)」です。
サッカニーのエンドルフィンプロ3は、サッカニー史上最高のクッショニング素材であるPWRUNPBフォームにカーボンファイバープレートを挟み込んだモデルです。軽量かつ弾力性の高いPWRUNPBとバネのような弾みを生み出すカーボンプレートを組み合わせることで、ランナーに爆発的な推進力を与えてくれるシューズとなっています。また、つま先部分が反り上がったSPEEDROLLテクノロジーを採用することで、着地から蹴り出しまでの動力を効率的に推進力へと変化し、エネルギーロスの少ない走りが出来るようになっているのも魅力的です。
Reebok(リーボック)の厚底カーボンシューズ
フロートライドエナジーX
Reebok(リーボック)も厚底カーボンシューズを販売しています。それが、「Floatride Energy X(フローライドエナジーX)」です。
リーボックのフロートライドエナジーXは、リーボック史上初となるカーボンプレート搭載ランニングシューズです。ミッドソールには高いクッション性能と反発力を備えたFloatrideエナジーフォームを採用しています。さらに、ミッドソール内にカーボンプレートを搭載することで、より高い反発力を得られるシューズとなっています。また、アッパー素材にはFlexweaveRウーブンアッパーを採用し、通気性に優れ足元がムレにくく長時間でも快適に走れるようになっています。
On(オン)の厚底カーボンシューズ
クラウドブームエコー
スイス発のランニングシューズブランドであるOn(オン)として初となるカーボンプレート搭載ランニングシューズとして誕生したのがCloudboom。そして、その最新作となるのが「Cloudboom Echo(クラウドブームエコー)」です。
オンのクラウドブームエコーは、Onの代表的な高反発素材であるSpeedboardをカーボン製としたモデルです。湾曲したデザインのカーボン製Speedboardを採用することで、今までに無い爆発的な推進力を得られるシューズとなっています。接地時に曲げられたSpeedboardが元の形状に戻ろうとするバネ効果を推進力へと変換し、ランナーのペースアップをアシストする仕組みです。また、ミッドソールにはOn独自の軽量素材であるHelionが採用されているため、重量220gと厚底ながらも軽量性に優れたシューズとなっています。また、ソールはロッカー形状となっているため、エネルギー効率の良い走りが出来るのも特徴的です。
YONEX(ヨネックス)の厚底カーボンシューズ
セーフランエアラス
国内のスポーツメーカーであるYONEX(ヨネックス)もカーボンプレート搭載厚底シューズを展開しています。それが、「SAFERUN AERUS(セーフランエアラス)」です。
ヨネックスのセーフランエアラスは、速くゴールへと駆け抜けるスピードよりも最後まで安全に快適に走り切るための走りやすさを追求した厚底カーボンシューズです。ミッドソールにはヨネックスが誇る高クッション&高弾力のPOWER CHUSION+を採用し、優れた着地衝撃性で足を守りながらも、優れた反発性で走りやすさをサポートする構造となっています。さらに、3D形状の特殊なカーボンである3D-POWR CARBON(3Dパワーカーボン)を搭載し、着地時の横振れを軽減する安定性能にも優れたシューズとなっています。このカーボンは適度にしなることで、筋肉への負担を軽減しつつ、快適な走りをサポートしてくれます。このシューズはトップ選手向けではないため、初心者でも履きやすいカーボンシューズです。
厚底カーボンシューズを履いて自分史上最速の走りでゴールを駆け抜けよう!
各社独自の高反発ミッドソールと剛性が高いカーボンファイバープレートの組み合わせにより誕生した厚底カーボンシューズを履けば、今までのランニングシューズにはない圧倒的な反発力を体験出来ます。ある程度履きこなすためには期間が必要ですが、一度履きこなしてしまえばその優れた反発力を武器に自分史上最高にスピード感のある走りが出来るはずです。
ナイキのヴェイパーフライ4%の登場以来、今や長距離業界のスタンダードシューズとなった厚底カーボンシューズはナイキだけではなく、アシックスやミズノ、アディダス、ニューバランス、プーマなど数多くのスポーツメーカーより販売されています。是非、その中から自分に合った厚底を見つけて、ハーフマラソンやフルマラソン、駅伝などの長距離レースで自分史上最高のベストタイムでゴールを駆け抜けてみましょう。