屋外派ランナー必見!雨の季節に役立つ便利ツール!【気象予報士監修】

投稿日: 著者:村木祐輔

やわらかな日ざしが降り注ぎ、吹く風はカラッとしていてすがすがしさをおぼえる春。ランナーにとっては、Tシャツ&ハーフパンツで気軽に走り出せますし、かと言ってダラダラ汗をかくほどでもない最高の季節です。…でも、こんな春の過ごしやすい季節は、なぜあっという間に去っていってしまうのでしょうか?天気予報を伝えながら毎年そう思ってしまいます。

5月に入ると、日本の南に現われる前線。いわゆる“梅雨前線”になっていく前線です。一般的に季節は春夏秋冬の四季と言われますが、気象予報士の間では約1か月半にも及ぶ“梅雨”を加えて五季と表現したりもします。それほど人々の生活に影響を与える時期なのです。

今年でいうと、全国トップを切っての梅雨入りは奄美地方。平年より4日早く5月7日にレインシーズンに突入しました。これを追うように例年トップ常連の沖縄地方が翌日8日に、下旬には九州など西日本で梅雨入り。これから本格化する雨の季節は、全国のランナーにとって一年で一番厄介な季節ではないでしょうか?ただ、ここでだらけてしまうと春先に頑張っていた苦労が水の泡。雨の季節でもどう練習計画を立てていくかが大きな鍵となります。今日は気象庁が出している“ランナー必見の便利ツール”をご紹介します。

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【ランナーの悩みの季節“梅雨” そもそも梅雨前線の正体って?】

梅雨前線が日本列島に横たわると雨が降るというのはなんとなくわかるかと思いますが、そもそもこの梅雨前線とはなんなのか?

梅雨前線は、南側の夏の空気と北側の春の空気の勢力が拮抗していて、その場にとどまる前線のこと。ちょうど、同じくらいの力の力士が押し相撲をしているような状況です。この前線付近では上昇気流が発生して雲ができやすく、前線に沿ってながーい雲の列ができます。季節が進むにつれて、南側の夏の空気が勢力を強め、前線を北へ押し上げます。この前線の北上とともに九州など南側の地域から梅雨入りし、東海や関東では6月8日ごろが梅雨入りの平年日。6月中旬には北陸や東北でも梅雨入りが発表されます。そして、7月中旬から下旬にようやくランナーを悩ませるレインシーズンが終わりを告げるわけですが…、この約1か月半にも及ぶ梅雨の時期に全く走らないというわけにはいきませんよね。

ただ待つだけではもったいない!雨のやむ時間を自分で予想しよう!

梅雨といえども、なにも毎日24時間雨が降り続いているわけではないのはご承知の通り。つまりザーザー降りの時間を避けて、雨のやむタイミングさえわかれば屋外でのトレーニングが可能です。

出典:気象庁HP

そこで活用していただきたいのが、気象レーダーの画像です。テレビの天気予報では度々登場しますし、今ではインターネットの気象庁(http://www.jma.go.jp/jp/radnowc/)や民間の気象会社などのページで誰でも気軽に閲覧することができます。

気象レーダーは全国20か所にあり、アンテナを回転させながら電波を発射して、雨を観測するものです。発射した電波が雨粒に当たって跳ね返ってくるまでの時間と電波の強さから、雨雲までの距離と雨の強さを観測しています。時間をさかのぼって5分ごとの雨雲の動きを確認できたり、1時間先の雨雲の予想まで見ることができるため、強い雨雲が自分のいる方に進んでくるのか、はたまた離れていくのかもある程度予測することができます。雨の中でもかまわず走る!というシリアスランナーも、ランニングに出かける前に確認して、もし黄色やオレンジ、赤の表示の雨雲が近づいていたら外でのランニングを控えたほうがいいと思います。雨だけならまだしも、雷雨となる可能性があるからです。合わせて、自分の地域に雷注意報が出ていないかどうかも確認するといいでしょう(http://www.jma.go.jp/jp/warn/)。

いつものランニングコースは大丈夫?雨がやんだあとも危険がいっぱい!

さらに、大雨が止んだ後すぐのランニングも危険が潜んでいるかもしれません。
たとえば、土砂災害は大雨で土の中の水分量が増えた後、川の増水も支流が大雨で増水した後に大きな川で氾濫するなど、雨のピークとタイムラグがあるからです。

はやる気持ちを抑えて、走り出す前のもう一つ確認していただきたいのが、
・土砂災害警戒メッシュ情報(https://www.jma.go.jp/jp/doshamesh/
・浸水害の危険度分布(https://www.jma.go.jp/jp/suigaimesh/inund.html
・洪水の危険度分布(https://www.jma.go.jp/jp/suigaimesh/flood.html
です。

これらは簡単にいうと、自分の地域で『土砂災害』『低い土地の浸水』『川の増水や氾濫』がどの程度起こりやすいか(または、起こっているか)を地図で見られるツールです。

スマートフォンでも確認ができて、市町村単位のどこが危険か、どの川が増水しているかを見ることができます。もし雨のあと赤や紫の表示がお住いの近くに出ていたら、災害が起こってもおかしくない状況です。ひとまずランニングは控えましょう。もちろんランニングがてら近くの崖や川の様子を見に行こうなんて絶対に考えないでください。

サブ3ランナー気象予報士"村木祐輔"のミニコーナー「天気図をミカタに!」第2回

天気図片手に服装選び

高気圧と低気圧の位置によって決まった天気傾向になりやすい天気図があります。代表的なのは、日本の西に高気圧・東に低気圧が位置する『西高東低(せいこうとうてい)』。冬によく現れる型で、テレビの天気予報でも「明日は“西高東低”の冬型の気圧配置で寒気が入りやすく、気温が上がりません」などというのを聞いたことがある方も多いと思います。

この春、よく表れているのは、南に高気圧・北に低気圧の『南高北低(なんこうほくてい)』。こういう天気図が現れたときのランニングは熱中症に要注意!この型の時には高気圧の西側を回って暖かい(暑い)空気が日本付近に流れ込み、気温が上がりやすくなります。屋外でのトレーニングの際には涼しい服装を心がけて、水分補給はこまめに行うようにしてください。

    村木祐輔

    アスリート系気象予報士。株式会社ウェザーマップ所属。秋田県出身。過去にテレビ東京で気象キャスターを務め、現在は秋田のテレビ局で気象キャスターをしています。仕事のかたわらランニングを趣味とし、2015年にフルマラソンに初チャレンジ。2018年東京マラソンで初のサブスリーを達成しました(2時間59分34秒)。ランニング終わりの日本酒が大好き!酒器集めも趣味のひとつ。

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