ランニングで膝が痛くなった人

膝痛に悩むランナー必見!ランニングによる膝の痛みの原因と対策

投稿日: 著者:RUNNAL編集部

ランニングで多い怪我と言えば、「膝の痛み」。普段運動していない人が急にランニングを始めたり、走る距離や頻度を一気に増やしたり、毎月の練習量をガッと増やしたりすると、膝の外側や内側、お皿周辺が痛くなることが多いです。これらの原因は変形性ひざ関節症の場合もありますが、多くの場合は膝の使い過ぎによる腸脛靭帯炎、鵞足炎、膝蓋靭帯炎といった靭帯の炎症によるものです。

この記事では、ランニングによる膝痛に悩む人のために、膝痛が起こる原因や対策、予防方法をまとめて紹介させていただきます。是非膝痛の改善の参考にしてみてください。

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ランニングで多い怪我が「膝痛」

ランニングによる膝の痛みを抱える人

ランニングを始めたばかりの人はもちろん、マラソン大会でサブ3やサブ4を目指して頑張るベテランランナーまで、全てのランナーに多い故障と言えば「膝の痛み」です。RUNNETが実施した「ランナー世論調査2017」では、ランニングによって痛みを抱えている部位の項目において「膝」は他の部位を大きく引き離しダントツの1位を獲得。ランニング初心者から上級者まで、多くのランナーが膝のトラブルに悩んでいることが良く分かります。

ランニングによって膝痛が起こるのは、膝の曲げ伸ばし運動によって膝を酷使しているため。おまけに着地時には膝に大きな負担がかかるため、走るというスポーツにおいて膝は痛みが出やすいのです。また、膝の痛みと膝関節の軟骨がすり減る「変形性膝関節症」が有名ですが、ランニングによっておこる膝の痛みの直接の原因は多くの場合、関節自体ではなく膝周辺の靭帯の炎症によるものです。その代表例が膝蓋靭帯炎や腸脛靭帯炎、鵞足炎といったものです。

ランニングによる膝の痛みの部位別の種類

膝が痛いランナー

ランニングによる膝の痛みの種類は大きく分けて三つあります。「膝の外側」「膝の下側(お皿周辺)」「膝の内側」の三つです。どれもランニングによって膝を酷使していることが原因で起こる痛みですが、炎症を起こしている靭帯や炎症に関わっている筋肉に違いがあります。

膝の外側の痛み

走ることで起こる膝の外側の痛みは、「腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)」であることが多いです。腸脛靭帯炎は通称ランナー膝と言われるもので、ランナーに圧倒的に多い怪我の一つです。

膝の外側に腸脛靭帯があり、この靭帯が膝の曲げ伸ばしの際に大腿骨の外側の突起している部分(大腿骨外側上顆)に擦れることで炎症が起こり痛みを伴います。

膝の下側の痛み

膝のお皿の下側の痛みは、「膝蓋靭帯炎(しつがいじんたいえん)」の可能性が高いです。膝蓋靭帯炎は通称ジャンパー膝と言われるもので、ジャンプ動作を繰り返すスポーツに多いスポーツ障害。ランニングも着地を繰り返すことでジャンパー膝を患いやすいです。

膝蓋靭帯炎は、膝蓋骨と脛骨をつながう膝蓋靭帯が炎症を起こすことで起こるもの。着地時に大腿四頭筋に負荷がかかることで、膝蓋腱が引っ張られ痛みを伴います。走る時にお尻やもも裏を使うのではなく、もも前ばかりに頼っているとお皿周辺の痛みが起こりやすくなります。

膝の内側の痛み

膝の内側の痛みは、「鵞足炎(がそくえん)」の可能性が高いです。鵞足炎は、膝の内側の三つの筋肉(縫工筋・薄筋・半腱様筋)がまとまって付着している鵞足という部分に炎症が起こることを痛みを伴うものです。膝の内側から内側ちょっと下あたりまでの痛みが鵞足炎の症状。

ランニングによって膝の痛みが起こる原因

ランナーの傷む膝

原因①筋力不足

ランニング初心者に多い膝痛の原因は、「筋力不足」です。まだ走り始めて間もないので、膝周辺の筋力が弱く、走行中に膝が不安定になったり、着地時の衝撃が関節にモロに伝わったりとするので膝痛を誘発しやすいです。また、3~5km程度は問題なくても、走る距離を10kmまで伸ばした頃に膝痛に悩まされるなんてことも良くあります。

原因②疲労蓄積

ランニングで疲れたら、適度に休養日を設けて疲れをとることが大切です。でも、走る間隔をあけず無理に頑張ってしまうと足は疲労がどんどん蓄積していきます。疲労が蓄積している状態だと、本来筋肉が膝関節への負担を軽減している機能がうまく働かず、膝への負担が大きくなってしまいます。その結果、膝の故障へとつながることがあります。

原因③オーバーワーク

膝を痛めるのは、走り始めた初心者だけではありません。サブ3やサブ4を狙うベテランランナーの場合も膝痛は起こります。走ることに慣れている人の場合、頑張りすぎが膝の故障の原因です。目標タイム達成のために、月間走行距離を一気に増やすなど練習量が増えることで膝への負担が急増し故障へとつながります。また、ウルトラマラソンへの挑戦で一回当たりの走る距離が増えることも膝痛につながる可能性が高いです。

ランニングで膝を痛めた時に実践したい対策

対処①走るのを中断する

走るのを中断している人

走りながら膝に違和感を感じたり、走り終わった後に膝に痛みを感じたりしたら、まずは走ることを中断することが大切です。膝に違和感や痛みを抱えたままランニングを継続すると、すぐに治るような軽症の場合でも悪化してしまって長引く可能性があります。

対処②アイシング

膝をアイシングする人

ランニング後に膝が痛くなったら、すぐにアイシングをすることが大切。走り終わった後は痛みの元である炎症が広がるのを抑えるために、氷で患部を冷やします。そうすることで、軽症の痛みであればすぐに引くことが多いです。

対処③ストレッチ

膝のストレッチをする人

入浴後は血行が良くなっているので、そのタイミングでストレッチをしましょう。ランニングによる膝の痛みは膝関節だけが原因じゃなく、その周辺の筋肉が硬くなっていることが原因の場合もあります。そのため、太もも前の筋肉(大腿四頭筋)や太もも内側の筋肉、太もも外側の筋肉、お尻の筋肉などをストレッチでほぐしてあげることが大切です。ストレッチは膝の痛む部位によってほぐす筋肉が異なってくるので、下記の膝痛の部位別のストレッチを参考にしてみてください。

膝の外側

膝外側の痛みのストレッチ

  1. 足を伸ばして座る
  2. 右足を左足の向こう側へ持っていき膝を立てる
  3. 左手で右足を左側へ引っ張るようにしてもも外側を伸ばす
  4. このまま30秒キープ

膝の下側(お皿周辺)

膝の下側の痛みのストレッチ

  1. 直立に立つ
  2. 片足の膝を曲げて手で足部を持つ
  3. もも前を伸ばす
  4. このまま30秒キープ

膝の内側

膝内側の痛みのストレッチ

  1. 膝を立てて座る
  2. 片足を横へ伸ばす
  3. つま先は前へと向けてもも内側を伸ばす
  4. このまま30秒キープ

対処④湿布

膝に湿布を貼る人

痛みがそれなりにある場合は、湿布を貼ってみましょう。湿布は肌に触れる部分に炎症を抑える薬剤が塗ってあるので、痛み軽減に効果的です。病院へ行って医師から湿布を処方してもらうのが一番ですが、そんな時間が無いという場合は薬局で売っている市販の湿布で対応しましょう。

対処⑤病院へ行く

病院で医師に膝を見てもらっている人

ランニングを中断して1週間ぐらい様子を見ているのに痛みが引かない場合や痛みが強く日常生活にも支障が出ている場合などは自己判断で対処せずに、病院(整形外科)へと行きましょう。

ランニングによる膝の痛みは大半の場合が走りすぎによる膝周辺の靭帯の炎症が原因ですが、年齢によっては変形性ひざ関節症が原因の場合もあります。特に男性よりも女性は変形性ひざ関節症になる確率が高いので、40歳以上の女性でランニングを始めて膝が痛くなったという人は一度医師に診てもらうのが良いです。

ランニングによる膝痛の再発を予防する方法

予防法①クッション性の高いシューズを履く

クッションの良いランニングシューズを履く人

膝痛の予防のためには、クッション性の高いシューズを履くことが大切です。ランニング初心者の人は、フルマラソン完走が狙う人が履くようなクッション性重視の靴を履きましょう。また、フルマラソンでサブ3やサブ4を狙うランナーの場合は、日々のトレーニングでは少しクッション性を重視してワンランクレベルを下げたシューズを履くと良いです。練習でサブ4レベルのシューズを履いているならサブ4.5~5レベルにするなど。

予防法②負担の少ないコースを走る

芝生の上を走るランナー

アスファルトの上ばかりを走っていると、膝への負担が大きいので、膝を痛めるリスクが高いです。そのため、膝に不安を抱える人は、足に優しいコースを走るようにすると良いです。具体的には、公園の芝生の上や土のグランド、クロスカントリーコース、陸上競技場のタータントラックといったところ。メインの練習で柔かいコースを利用するのは難しいですが、サブ練習として膝への負担が少ないコースを走るようにすると良いです。

予防法③サポーター

サポーターを付けて走る人

膝を良く痛めるという人は、サポーターを付けて走るのがおすすめです。サポーターは、ランニング時に膝にかかる負担を抑えてくれるもの。膝への負担が軽減されるので、膝痛に悩む人におすすめ。また、サポーターは、膝の外側、膝の内側、お皿の下といったように部位ごとに特化したものが売られているので、痛みの箇所がはっきりとしている場合は特化したものを選ぶと良いです。

予防法④テーピング

テーピングをつけて走る人

大事な大会だとサポーターをつけて走るのは邪魔。そんな時にはテーピングを利用するのがおすすめ。テーピングだと膝を守りつつ、走るのを邪魔しないので、試合での膝痛の予防に最適です。また、膝の痛みはなくなっていても、初めてのフルマラソン、ウルトラマラソンのような未知の距離に挑む場合につけておくと安心出来ます。

予防法⑤筋力トレーニング

スクワットをする人

膝の痛みがある時にはNGですが、膝周辺の筋力トレーニングは膝痛の予防に効果的です。膝痛は膝周辺の筋力不足で起こりやすいので、筋トレで膝周りの筋力を強化しておけば未然に膝痛が起こるのを防ぐことが出来ます。膝周りの筋トレと言えば、「スクワット」が定番。スクワットは大腿四頭筋を始め下半身の筋力強化に効果的なトレーニング。やり過ぎは逆に膝への負担が大きくなってしまうので、出来る範囲で膝周りの筋トレを取り入れてみましょう。

予防法⑥フォーム改善

正しいフォームで走るランナー

走る時のフォームが悪いと膝を痛めやすいので、走ることに慣れていない人はフォームを見直してみることも大切。特に着地の仕方が膝に大きく影響します。ランニング初心者の場合はピョンピョンと上に跳ね上がるような走り方をする人がいますが、それだと着地時の衝撃が強く膝への負担がかかります。また、そうではなくても上下動が大きい走り方には要注意。また、着地の時につま先が真っすぐ向いておらず、外を向いていたり、内を向いていたりするのも膝への負担が大きくなるので、着地はしっかりと真っすぐするようにしましょう。

膝痛を乗り越えよう

走るランナーの足

ランニングによる膝の痛みはつらいもの。軽症の場合はアイシングをしたり、ストレッチをしたり、走るのを少し休むだけですぐに治ってしまいますが、無理に頑張って悪化させてしまうと慢性化してしまい治るのまでの時間がかなりかかってしまいます。ランニングによる膝の痛みがあったら、「大したことはない」と甘く考えず、出来る対策はしっかりとして早期に違和感や痛みを取り除きましょう。また、なかなか痛みが引かないというランナーも、出来るだけ早く病院へ行ったり、改善の努力をしたりして、膝痛を乗り越えましょう。

    RUNNAL編集部

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