マラソンの練習方法

マラソンの練習方法全22種類!その効果と取り組み方【初心者から上級者】

投稿日: 著者:RUNNAL編集部

マラソンを走るなら練習は必須です。マラソン初心者から上級者まで、日々の頑張りなくして大会当日に良い記録を狙うことは出来ません。完走が目標の場合でも、マラソン初心者なら本番半年前ぐらいから練習をしておく必要があります。フルマラソンのサブ3やサブ4、ハーフマラソンの90分切り、100分切りを狙うなら、なおさら日々のトレーニングが重要になってきます。

この記事では、ランニング・マラソン初心者から中上級者まで、レース本番へ向けた練習法・トレーニングを紹介しています。マラソンの定番の人気メニューからあまり馴染みのないメニューまで幅広く練習方法を紹介しているので、マラソン初心者の方は定番の練習のやり方が分かるし、中上級者の方は新たな発見があるはずです。是非マラソン練習の参考にしてみてください。

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マラソンの練習方法は主に3タイプ

走るランナーたち

  1. スタミナ系
  2. スピード系
  3. リカバリー系

マラソンのための練習方法は、主に3タイプがあります。

長い距離を走り切るための持久力を強化するための「スタミナ練習」、速いペースで走れるようにスピードを磨くための「スピード練習」、練習の疲労を抜いたりリフレッシュするための「リカバリー練習」の3つです。

マラソン完走を目指す場合は、長い距離や長い時間走るスタミナ練習のみで大丈夫ですが、目標タイムを目指して走るような場合はスタミナ練習だけではなくスピード練習もうまく組み合わせて取り組む必要があります。さらに、強度の高い練習が増えてくるので、疲労を取り除くためのリカバリー練習の必要になってきます。

初心者から上級者まで、マラソンの練習方法全22種類

1.ウォーキング

ウォーキングする人

マラソンを走るための、最も基本となる基礎固め練習が「ウォーキング」です。まだ、走ることに慣れていないランニング初心者は、走ることからスタートせず、最初は歩くことからスタートするのがオススメです。いきなりマラソン大会へ向けて5キロや10キロを走る練習をすると、高い確率で膝を痛めてしまいます。そうならないためにも、まずは体への負担が少ないウォーキングから始めるのがベストです。

効果

  • 基礎体力作り
  • 基礎的な脚力作り
  • 運動習慣作り

ウォーキングは、走るための基礎的な体力、脚力を作るのに効果的な運動です。走ることに比べると、膝への負担を大幅に軽減できるので、初心者にありがちな怪我を予防しつつ、着実に体力と脚力を向上させていくことが出来ます。運動初心者の場合は運動する習慣自体がまだないので、定期的に体を外で動かす週間を作っていきましょう。走り出すのは、運動する習慣が身に付き、基礎的な体力がついてからです。

取り組み方

マラソン未経験どこかランニング未経験の人がマラソン大会へ向けて練習を開始する場合は、まずはウォーキングからスタート。週3~4回の頻度で、1日30分ウォークに取り組みましょう。30分に慣れたら、次は45分、そして60分へとステップアップすると良いです。

2.ジョグ

ジョグをするランナー

マラソンを走るための基本となるラン二ング練習が「ジョグ」です。ジョグは、初心者ランナーはもちろんのこと、ベテランランナーにとっても基本となる練習。ジョグは追い込んだ練習ではなく、どちらかというと気持ち良く走る練習。マラソン初心者の場合は、あまり追い込んだ練習をすると走るのが嫌いになってしまう場合があるので、心地よく走れるジョグをメインに練習していくと良いです。

効果

  • 体力作り
  • スタミナ強化
  • 心肺機能強化

ジョグは、走る体力をつけるのに効果的な練習です。走る能力である、有酸素運動能力や心肺機能といったところをまんべんなく鍛えることが出来るので、ジョグをするだけでもかなり走力向上につながります。特にマラソンを始めたばかりの人はジョグをするだけで日に日にタイムを向上させていくことが可能です。ジョグは息が大きく上がるほど追い込む練習ではないので、楽しみながら続けられるのもうれしいところ。

取り組み方

ジョグの走る時間は30~60分ぐらいが基本。走るペースはキツくもなく、楽でもないほどほどのペース。最初から最後まで余力を残しつつ、気持ちよく走り切れるペースがベストです。一般的な目安のペースはキロ6~7分ですが、サブ3クラスだとキロ6分は遅すぎるし、初心者だと7分ペースもキツイので、自分に合った快調ペースで走ることが大切です。

3.LSD

LSDトレーニングをする男女

ハーフマラソンやフルマラソンを走る時に、スタミナ強化として取り組みたいのがLSD(ロングスローディスタンス)です。LSDは、長い距離や時間、ゆっくりとしたペースで走る練習です。普段ペースだったら中々走れないような長い距離や時間も、ゆったりペースだったら走れるので、LSDは長丁場となるハーフマラソン、フルマラソン対策にオススメの練習。

効果

  • フルマラソンを走るスタミナ強化
  • 長距離走でバテない脚力

LSDは、フルマラソンを走るための基礎的なスタミナを強化するのに効果的です。42.195kmもの長い距離を走るフルマラソンとなると、長時間外で体を動かし続ける必要があります。LSDは長時間走り続ける練習なので、初めてのフルマラソン完走にとても効果を発揮する練習です。また、ゆっくりと長く走ることで自然と地面との接地回数が増えます。そうすることで、長い距離を走る脚力が鍛えられ、長距離走の終盤でもバテにくい脚を作ることが出来ます。LSDはマラソン初心者だけではなく中上級者にもオススメの練習。

取り組み方

LSDに取り組む場合は、ピッチを狭くしてゆっくりと走ることが大切。ペースはキロ7分から8分が基本で、レベルに応じて6分にしたり9分にしたりと調整。走る時間は、フルマラソン対策なら120分から150分、ハーフマラソン対策なら90分から120分を目安にしましょう。

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4.距離走

長距離を走るランナー

長い距離を走るための走力を磨く練習が「距離走(ロング走)」です。20~30キロの長い距離を設定し走ることで、ハーフマラソンやフルマラソンを完走するスタミナ、脚力を効果的に鍛えることが出来ます。特にサブ3やサブ3.5といった明確な目標を持って走るランナーの場合は、距離走が重要な練習になってきます。

効果

  • 長距離を走り切るスタミナ強化
  • 30kmの壁を突破する強い脚力作り
  • 負けない精神力

距離走は長い距離を走る練習なので、スタミナ強化として非常に効果的。特に基礎的なスタミナではなく、より高いレベルを目指す上での高次元なスタミナを養うことが出来るので、サブ3やサブ3.5といった高みを目指すランナーにとっては必須の練習法。練習1回あたりの距離が短いと、どれだけ力のあるランナーでも、フルマラソンの30km過ぎで失速してしまいます。距離走はレース終盤でもバテない強い脚力を作るので、フルマラソンの30kmの壁対策として効果的。さらに、長い距離を走る練習を重ねることで、強い精神力を養うことが出来ます。

取り組み方

フルマラソン対策としての距離走は20~30kmが基本。普段は20kmぐらいの距離走を週1回の頻度で取り組み、大会が1カ月前ぐらいに近づいてきたタイミングで30km走をすると良いです。ハーフマラソンなら距離走は15kmで十分。また、フルマラソン初心者の場合、30km走を実践すると怪我をするリスクが高いので、長くても20kmで十分です。特に完走目標のランナーが、サブ3やサブ4目標に走るランナーと同じように、30km走を取り入れる必要はありません。

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5.ペース走

ペースを確認しながら走るランナー

マラソンで目標タイムを達成するためには、目標タイムに沿ったペースを刻み続けるペース感覚を養う必要があります。そのための練習として「ペース走」に取り組むのは必須です。ペース走は、1キロあたりのペースを設定して、そのペースを守って走り続ける練習で、目標完走タイムをクリアするためには絶対に欠かせない練習です。当然、サブ3を目指すような上級者はもちろん、サブ5や完走ギリギリの6時間切りを狙う初心者ランナーの場合も同じです。

効果

  • ペース感覚を養う
  • 目標ペースで走り切る走力を磨く
  • スピード持久力の強化

ペース走は、サブスリーやサブフォーといった目標タイムをクリアするのに効果的な練習です。サブ3なら「4分15秒ペース」、サブ4なら「5分40秒ペース」で練習で走っておくことで、そのペースを体が覚え、本番にそのペースで走り続けることが出来るようになります。もちろん、最初から目標ペースで練習をこなせるわけはありませんが、ペース走を繰り返すことで、徐々にそのペースを目標ペースへと近づけていくことが出来ます。

取り組み方

ペース走はペースと距離を設定走ります。サブ4狙いなら、ペースは5分40秒で距離は42.195kmと行きたいところですが、最初からそのペースでフルマラソンを走れることはありません。まずはペースを遅く設定するか、距離を短く設定するかして、徐々に目標へと近づけていきます。6分ペースで5キロを設定し、そのペースが楽に感じるようになったら、走る距離を10キロへと伸ばす。6分ペース、10キロが楽になったら、5分50秒ペースに伸ばすといった具合に徐々に目標へと近づけていくように取り組みましょう。

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6.ビルドアップ走

ペースを上げながら走るランナー

一定のペースで走り続けるペース走と違って、徐々にペースを上げていく練習が「ビルドアップ走」。ビルドアップ走は、走る距離を2~5分割ほどして、段階的にペースアップしていくトレーニングです。走り出しはかなりゆったりとしたペースなのでラクですが、最終的には普段のペースよりかなり速いペースまで上がるので、なかなか強度の高い練習となります。

効果

  • マラソン終盤の粘り
  • ラストスパート強化
  • 心肺機能向上

ビルドアップ走は段階的にペースを引き上げていく練習なので、マラソン終盤に強くなるトレーニングです。マラソン終盤になると徐々にペースは落ちてきますが、ビルドアップ走で後半にペースを上げる走り方に慣れているとつらい後半もペースを落とすことなく頑張ることが出来ます。また、ギアチェンジの方法も身についているので、ラストスパートにも強くなります。

取り組み方

ビルドアップ走に取り組む場合、最後の走りを目標レースペースより速いタイムで終えることが大切。例えば、サブ3.5を狙うような場合、目標レースペースは4分50秒ぐらい。距離を設定して、15kmを3kmごとにペースアップするとしてら、最後の3kmは目標レースペースより30秒速い4分20秒に設定。段階的に上げるペースは、15秒に設定し、「5分20秒→5分5秒→4分50秒→4分35秒→4分20秒」といったようにペースを設定して取り組みます。

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7.閾値走

閾値走をするランナー

耐乳酸能力を高める練習として「閾値走」が効果的。閾値走は、ランニングでペースを上げていくと急激に血中乳酸濃度が急増していく乳酸性閾値(LT)の手前で走るトレーニングです。別名、LTペース走やテンポ走ともいわれています。人によって乳酸性閾値は違い、トップレベルのランナーほど閾値が高いところにあり、速いペースで走ってもなかなか血中の乳酸が増えていかないようになっています。

効果

  • LT値の向上
  • 乳酸除去能力の向上
  • 持久力アップ

血中乳酸濃度が急上昇する手前のペースで走り続けることで、乳酸を分解する能力を高めることが出来ます。結果、LT値の向上に伴い乳酸除去能力が高まり、より速いペースで走ることが出来るようになるのです。それは、普段のペース走のペースアップへ、マラソン大会での自己記録更新へとつながっていきます。マラソン初心者にはなかなか難しい練習ですが、マラソン中上級者ならトレーニングに取り入れたいところ。

取り組み方

閾値走は、乳酸性閾値(LT値)手前のペースで走ることが大切。それより速いペースで走ってしまうと、練習効果が下がってしまいます。閾値走に適したペースは、レースを走るコンディションで60分間維持できるペースです。60分で15キロ走れるなら、適正ペースはキロ4分です。そして閾値走の走る時間は20分。つまり、20分をキロ4分で走るのが閾値走の正しい取り組み方。

8.ガチユル走

ガチユル走をするランナー

筑波大学の鍋倉賢治教授が編み出した「ガチ・ユル走」は人気ランニング番組「ランスマ」で取り上げられ、一躍市民ランナー定番の練習方法に。ガチユル走は、1kmを全力疾走で走る「ガチ走」と8~10kmをゆっくりとジョギングする「ユル走」を組み合わせたトレーニング方法。効果的に脂肪燃焼が出来、さらに短い距離を走るだけでも持久力向上に効果があると話題に。

効果

  • 持久力向上
  • 脂肪燃焼

ガチユル走は、ガチで走った後、つまり体内にため込んでいたグリコーゲンを消費してしまった後に、ジョギングをすることで体内にある脂肪を効果的にエネルギーとして使おうというもの。糖が少ない状態で走るので脂肪燃焼に効果があります。さらに、糖が少ない状態では脂肪を使って走る必要があるので、脂肪を効率よくエネルギーへと変える能力を磨くことが出来ます。脂肪を効果的にエネルギーとして使えるようになるので、結果的に持久力向上に大きく影響するということです。

取り組み方

ガチユル走は、ウォーミングアップを済ませた後、1kmを全力で走り、3分の休憩ののち、再び1kmを全力で走ります。そのあと休憩をとることなく、8kmをジョギングをするのが定番です。そのほかにも、2kmを全力で走り、そのまま10kmをジョギングするという方法もあります。

9.インターバル走

インターバル走をするランナー

マラソンのスピード練習として定番なのが「インターバル走」。インターバル走は、速いペースで走る疾走とゆっくりと走る緩走を繰り返すトレーニング。疾走時に一気に心拍数が上がる苦しいトレーニングですが、その練習効果は高く、走力を磨くのに非常に効果的。サブ3やサブ3.5といった高い目標へ向かって取り組むランナーには欠かせない練習です。

効果

  • 心肺機能強化
  • 最大酸素摂取量向上
  • スピードアップ

インターバル走は身体への負荷が大きいトレーニングです。心肺に大きな負荷をかけることが出来るので、心肺機能を効果的に鍛えることが出来ます。マラソンランナーの重要な指標である最大酸素摂取量(VO2MAX)の向上にも効果抜群で、インターバル走に取り組むことでより速いスピードを出して走ることが出来ます。目標レースペースより速いペースで走ることで、目標レースペースが楽に感じることが出来ます。スピードの底上げにもつながるので、スタミナ型でスピードが不足しているというランナーは積極的に取り組みたいところ。

取り組み方

マラソンのインターバル走は、1kmインターバルが基本です。本数は5から10本程度。ペース設定は、普段のペース走のペースより速く、目標レースペースと同じかそれより速いペースに設定しましょう。普段ペース走をキロ5分で取り組んでいるなら、ペース走のペース底上げのためにキロ4分45秒から4分30秒に設定すると良いです。ちなみにつなぎのジョグは400mぐらいが妥当です。

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10.レペティション

レペティションをするランナー

インターバル走より速いペースで走るトレーニング「レペティション」。インターバル走の場合は1本1本を400mほどのジョグでつなぎますが、レペティションは1本1本の間は完全休養を取ります。15分程度しっかりと体を回復させるので、1本1本の走るペースはインターバル以上に速いペースとなります。走るペースはほぼ全力。なので、スピードの底上げに効果的。

効果

  • 最大スピード強化
  • 心肺機能強化

レペティションの最大の効果は、最大スピード強化です。例えば1km全力で4分の人が3分50秒で走れるようになったら、今までのペース走のペースが楽に感じるはずです。すると、通常の巡行ペースが速くなるので、5キロ、10キロ、ハーフマラソン、フルマラソンとそれぞれのタイムの向上へとつながります。目標レースペースへ向けてペース走やロング走を頑張っているけど、なかなか目標レースペースで20~30km走れるようにならないという時は、レペティションなどのスピード練習でスピードの底上げをすることが効果的です。

取り組み方

マラソンの練習として取り組むレペティションは、インターバル走同様に距離は1kmが基本。ほぼ全力で走る練習で、最大スピードを強化することが目的なので、量より質が大事な練習です。そのため、本数は5本ぐらいがベスト。ペースはほぼ全力で、間の休憩は15分ぐらいしっかりとります。

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11.坂道ダッシュ

坂道を駆け上る人

脚力強化の練習として効果が高いのが「坂道ダッシュ(坂道ランニング)」です。100から200mぐらいの比較的緩やかな坂道をダッシュで駆け上がることで、マラソンに重要な体の後ろの筋肉を効果的に鍛えることが出来ます。平地でランニングをしているだけだと、なかなか鍛えにくいところも効果的に鍛えることが出来るので、非常に効果的です。

効果

  • 脚力強化
  • 心肺機能強化
  • アップダウンに強くなる

坂ダッシュは短い距離のランニングなので、マラソンにはあまり効果が無いと思う人もいるでしょう。確かにスタミナを強化するといった効果はあまり期待出来ないです。ですが、坂道ダッシュは下半身の筋力アップにはすごく効果的なのです。特にお尻の筋肉(大殿筋)ともも裏の筋肉(ハムストリングス)を鍛えることが出来ます。これらは推進力を生み出す重要な筋肉。マラソンは後ろの筋肉を使って走るのが良いと言われるように、お尻ともも裏が凄く重要。坂道ダッシュをすることで、これらの筋肉を意識することが出来るので、後ろの筋肉を使った良い走り方が出来るようになります。

取り組み方

坂道ダッシュをする場合は、100から200mぐらいの比較的緩やかな坂道を探します。そこで10本ぐらい取り組むと良いでしょう。全力で10本取り組むのも良いですが、短い距離のダッシュは負荷が高すぎるので、90%ぐらいの力で走るのでもOKです。

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12.ウインドスプリント

ウインドスプリントをするランナー

日々の本練習の後に取り組みたいのが「ウインドスプリント」。通称「流し」とも言われるウインドすプリントは、50~100mぐらいの短い距離を最大80%ぐらいのスピードで走る練習です。速くなるためのスピード走ではなく、LSDやロング走といった長距離走を終えた後に体に良い刺激を与えるのが目的。

効果

  • 疲労回復促進
  • ストライドを大きくする
  • スピードアップ

LSDやロング走といった比較的ゆっくりのペースで走る練習の後に、ウインドスプリントのような速いランニングをすることで、長距離走では使わなかった筋肉を刺激でき、血行を促進することが出来ます。結果的に早期疲労回復へとつながります。また、長距離ランをしていると、どうしてもストライドは小さくなり、フォームも小さくまとまりがち。短い距離を早いペースで走るランニングをすることで、小さくまとまってしまったフォームをダイナミックにすることが出来ます。

取り組み方

ウインドスプリントはLSD、ペース走、ロング走といった長い距離を走るトレーニングの後に3~5本程度実施します。距離は50~100mぐらい。最大速度はマックスの80%ぐらいですが、走り出しからいきなり80%の力で走り出すのではなく、リラックスして走りながら徐々にマックスの80%のスピードにあげていくイメージ。さらにゴールもマックスの80%のペースで終えるのではなく、中間地点から徐々にゴールにかけてペースを落としていくようなイメージで。ウインドスプリントは、あくまでも体に適度な刺激を入れるのが目的。そのため、全力で取り組んではいけません。

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13.ファルトレク

ファルトレクをするランナーたち

定番の練習方法に飽きたというランナーには、「ファルトレク」がオススメ。ファルトレクはマラソン王国ケニアで頻繁に行われている練習方法です。速いペースで走る「FASTラン」とゆっくりとジョグする「SLOWラン」を繰り返しながら、合計30分程度走り続ける練習。一見すると、インターバル走のように見えますが、ファルトレクは、走るペースや距離を設定せず、自由きままにペースを変化させながら走るのが基本。そのため、インターバル走が苦手というランナーにもオススメです。

効果

  • ペース変化の対応力
  • スピードギアの切り替え能力
  • 心肺機能強化
  • スタミナ強化

ファルトレクは、速いスピードを取り入れながら30分以上走るので、スピードと持久力両方を鍛えることが出来ます。また、ファルトレクは取り組み方次第で非常にスピード変化の激しい練習となります。そのため、レースでのスピード変化の対応力やスピードギアの切り替え能力といった実践的な能力を磨くことが出来ます。一人で取り組むのも良いですが、集団でファルトレクに取り組むことで、よりスピード変化に対応する力を鍛えることが出来ます

取り組み方

ファルトレクの定番の練習方法は、10分ぐらいのウォーミングアップを済ませた後、「1分FASTラン→2分SLOWラン」を休憩無しで10回繰り返す練習です。走るペースは自由で、1本1本ごとにペースを変えても良いです。また、ファストランは1分、スローランは2分と決める必要もなく、ランニングコース上で見つけた目印を見つけて「あそこまではファストラン」と決める走り方でも大丈夫です。とにかく自由度が高いのがファルトレクの良いところなので、自分なりの方法で取り組んでみましょう。

ファルトレクとは
ファルトレクトレーニングとは?その効果と練習方法について

スタミナとスピードを同時に効率よく強化できるのがファルトレクという練習方法。ファルトレクは、速いペースとゆっくりのペースを繰り返しながら30~60分程度走り続けるトレーニングで、陸上長距離走やマラソン ...

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14.タイムトライアル

タイムトライアルのタイムを確認するランナー

今現在の自分の走力を把握するためには、「タイムトライアル」を試みるのがオススメ。特に目標レースがフルマラソンなら、現状の力を把握するためにハーフマラソンや30km走にトライすると良いです。もちろん、一人で取り組むのは中々難しいのですが、大会にエントリーするのが良いでしょう。

効果

  • 現状把握
  • 練習計画の修正
  • 自信をつける

タイムトライアルは現状の走力を把握するのに効果的。もし、目標とするタイムを出せなかった場合は、本レースへ向けて練習計画や本番での目標タイムの修正などを行うことが出来ます。また、タイムトライアルで良い走りが出来れば、本番へ向けて大きな自信をつけることができます。

取り組み方

目標レースがフルマラソンなら、10キロ、15キロ、ハーフマラソン、25キロ、30キロといった距離でタイムトライアルを実施すると良いです。まだ大会まで期間がある時は10キロや15キロなど比較的短い距離で自己ベストを狙ってみましょう。本番が近づいてきたら、ハーフマラソンや30kの大会などに参加して、フルマラソンの目標タイムが妥当か、日々の練習方法が妥当かどうかをチェックしてみましょう。

15.クロスカントリー走

クロスカントリー走をするランナー

心肺を追い込むトレーニングとして効果的なのが「クロスカントリー走(クロカン)」です。心肺機能を強化する練習としては、インターバル走や速いペースのペース走といった練習が効果的。しかし、それらの練習は固いアスファルトの上で実施することが多いので、膝への負担は大きくなります。そういった膝への負担を減らしつつ、効果的に心肺機能を強化できるのがクロスカントリー走です。

効果

  • 心肺機能強化
  • 筋力強化

クロスカントリー走は起伏のある不整地を走るので、心肺機能を強化することが出来ます。心肺機能を鍛えることはマラソンの練習として重要。心肺機能を強化することで、より速いペースでラクに走ることが出来ます。クロスカントリー走は、アップダウンがあり、脚力を強化するのにも効果的。さらに足場の悪い道を走るので、安定した着地をするために知らず知らずのうちに体幹を始めインナーマッスルを鍛えることもできます。中学や高校の陸上部の練習としても、クロスカントリー走を取り入れるところが多く、今有名な長距離走やマラソンの選手たちもトラックシーズンを終えた後はクロカンで鍛えていたのです。

取り組み方

クロスカントリー走は、森林公園や里山で実施することが出来ます。距離は8~15キロぐらいで設定して走ってみましょう。

16.高地トレーニング

高地トレーニングをする人

オリンピックや世界陸上で活躍する多くのマラソン選手が大会へ向けて取り組む練習が「高地トレーニング」。標高の高いところは、平地に比べて酸素が薄いので、酸素が薄い環境下で練習を重ねることで、平地に戻った時に高いパフォーマンスを発揮できるようになります。プロのマラソン選手だけではなく、中学や高校の陸上部も夏合宿として高地トレーニングを実施する学校も多いです。

効果

  • ヘモグロビン増加
  • VO2MAX増加
  • 暑さ対策

高地トレーニングは、長距離走のパフォーマンス向上に効果的です。その理由は、酸素の薄い環境で過ごすことで、全身に酸素を届ける役割を果たす血中のヘモグロビン濃度が高まるためです。さらに、そのことによってマラソンランナーの能力を客観的に示すVO2MAX(最大酸素摂取量)が向上します。酸素の薄いところでトレーニングをすることによって、酸素を効率よく体内へと取り組むようになるので、平地に戻った時に長距離走やマラソンといった有酸素運動でパフォーマンスが上がるのです。さらに、高地は平地に比べて気温が低いので、夏の暑さ対策としても効果的です。

取り組み方

高地トレーニングは1日だけ高地へ行って練習をしても高い効果が得られるものではないので、1~2週間程度は合宿という形で取り組む必要があります。もちろんいきなりトレーニングに取り組むのは、体が高地の環境に慣れていないので危険なので、最初は高地の環境に体を慣らすところからスタートします。

17.低酸素トレーニング

低酸素トレーニングをするランナー

高地トレーニングは合宿できる環境にある、実業団選手や学生さんには非常に良いトレーニングです。ですが、日々働く社会人の市民ランナーにとってはハードルの高い練習です。そのため市民ランナーには高地へ行かなくても手軽に高地トレーニングのような効果が期待できる「低酸素トレーニング」がオススメ。低酸素トレーニングはスポーツジムでも導入しているところがあるので、そういったところを利用すると良いです。

効果

  • ヘモグロビン増加
  • 心肺機能強化

低酸素トレーニングは基本的に高地トレーニングへと近づけるトレーニング。そのため、効果は高地トレーニングと比べると低いものの、高地トレーニングと似たような効果を期待することが出来ます。その効果とは、ヘモグロビンの増加による酸素の取り込み量の増加です。マラソンランナーにとってはいかに大量の酸素を体内へ取り組めるかが重要。低酸素トレーニングは、酸素の低い環境を人工的に作り出し、体内への酸素の取り込み量を増やすというものです。

取り組み方

低酸素トレーニングは、スポーツジムで導入しているところが増えています。低酸素トレーニングを導入しているところで、是非一度試してみましょう。

18.峠走

峠道を駆け上るランナー

元24時間走世界選手権日本代表の岩本能史氏により、市民ランナーに広まった練習が「峠走」です。峠走は、山のふもとから峠を目指して駆け上がり、峠からふもとまで駆け降りるというトレーニング。長距離を走り切るスタミナと脚力を鍛えるのに効果的で、フルマラソンやウルトラマラソンの対策に効果的です。峠走はかなりキツイ練習なので、マラソン初心者にはオススメしませんが、フルマラソンでなかなかサブ3やサブ4を達成出来ずにいるランナーや、ウルトラマラソンでサブ10を狙うようなランナーにオススメです。

効果

  • 心肺機能強化
  • スタミナ強化
  • 脚力強化

峠走は、フルマラソンからウルトラマラソンといった長距離レースを走るためのスタミナ強化に効果的です。特に30キロ終盤で失速してしまいサブ3やサブ4をなかなか達成できずにいるランナーにとっては非常に効果的。峠走は脚力を鍛えることが出来るので、マラソン終盤でのバテない脚を作ることが出来ます。さらに、上り道では心肺を追い込むことが出来るので、普段の平地での走行がグッと楽になるはずです。

取り組み方

峠走は、長く続く上りと長く続く下り坂があるところで実施するのが基本。有名どころでは関東の足柄峠、関西の六甲山あたりがオススメ。それぞれ片道12キロぐらいで峠走には最適。

峠走をするランナー
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19.トレラン

トレイルを走るランナー

山道を走るトレイルランニングはマラソンの練習の一環として取り組むのもオススメ。普段平地を走っている時には鍛えることが出来ない筋肉も、トレランでは鍛えることが出来ます。特に夏場は山の中で暑さを避けながら走ることが出来るので、フルマラソンシーズンが終わった春夏に取り組むのが良いでしょう。トレランは全国各地で大会も開催されているなど、近年人気が高まっているので、トレイルランレースへ出てみるのもオススメです。

効果

  • 心肺機能強化
  • 脚力強化
  • アップダウンに強くなる

山道は起伏があるので、普通に走っているだけでかなり心肺を追い込むことが出来ます。ロードで走る時と比べて心拍数もすぐに上がっていくので、ゆっくりとしたペースで走るだけでもかなり効果的な練習になります。当然脚力を鍛えるのにも効果的。ロードでは同じ筋肉ばかり使っていますが、トレイルを走ると違った筋肉を刺激することが出来ます。常に走りながらバランスをとることが求められるので、体幹強化にも効果的。ロードでは見られないような急な登りも経験出来るので、マラソン大会のアップダウンにも強くなります。

取り組み方

初めてトレランをする場合はまずは山に慣れることが大切。まずは山を歩くところからスタートし、徐々に走るのをミックスしながらトレランに取り組むと良いです。トレランは足場の悪いところを走るので、怪我には注意しておきましょう。

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20.体幹トレーニング

体幹を鍛える人

マラソンを走るなら、体幹を鍛えておくことも重要です。体幹を鍛えることで、効率の良いフォームで走ることが出来ます。日々のランニング練習とともに体幹を鍛える体幹トレーニングも取り入れましょう。

効果

  • フォームの安定
  • 怪我予防

体幹を鍛えておくとランニングフォームが安定するようになります。走り出しは良いフォームで走れていても、マラソン終盤になると多くのランナーのフォームが崩れてしまいます。フォームが崩れると無駄なエネルギーを使うので、マラソンのパフォーマンスの低下につながります。日頃から体幹を鍛えておけばレース終盤でも良いフォームを保って走れるようになります。また、体幹の強化は怪我予防にもつながるので、怪我をしないためにも体幹を鍛えておくことが大切。

取り組み方

体幹トレーニングはスポーツジムへ行く必要はなく、自宅で取り組むことが出来ます。体幹を鍛えるトレーニングはプランクが定番。見た目は非常に簡単そうなトレーニングですが、やってみると意外とキツイのが分かります。体幹トレーニングは地味で辛い練習ですが、マラソンには絶対に良いのでやっておきましょう。

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21.クロストレーニング

ロードバイクで足腰を鍛える人

走るだけではなく、他のスポーツも練習の一環として取り入れる「クロストレーニング」というのもオススメ。自転車や水泳、ヨガなど普段しないスポーツをすることで、体に良い刺激を与えることが出来ます。マラソンへ向けて日々の練習に飽きてしまったという場合もクロストレーニングを取り入れることで練習のマンネリ化を防ぐことが出来ます。

効果

  • スタミナ強化
  • 筋力バランスを良くする
  • リフレッシュ

クロストレーニングとして、有酸素運動の他のスポーツに取り組むことでスタミナを強化することが出来ます。自転車や水泳はランニング同様に心肺機能を強化でき、スタミナを向上を狙えるスポーツです。ただ走るだけの練習に飽きてきたら、ロードバイクで走ってみたり、プールで泳いでみたりすると良いです。また、毎日のように走ってばかりだと筋肉の左右のバランスが悪くなってしまうことも。他のスポーツをすることで、筋力バランスを改善することも期待できます。

取り組み方

クロストレーニングをする場合、基本的にどのスポーツでもOKです。リフレッシュ目的で取り組むなら有酸素運動じゃなく無酸素運動でも大丈夫。もし、スタミナや心肺機能強化を狙うなら同じ有酸素運動である自転車、水泳がオススメ。また、怪我予防のために柔軟性向上が期待できるヨガに取り組むのもオススメ。

マラソントレーニングをするランナー
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22.疲労抜きジョグ

ゆっくりと走るランナー

キツイ練習の翌日や質の高い練習の前日には「疲労抜きジョグ」を取り入れましょう。疲労抜きジョグとは、文字通り疲労を抜くためのジョグです。速くなることが目的の練習ではなく、体の疲れを取るのが目的の練習。インターバル走やペース走といったポイント練習の前後に、そのつなぎとして疲労抜きジョグを取り入れると良いです。

効果

  • 疲労回復
  • 心肺機能維持
  • スタミナ維持

疲労抜きジョグの目的は、疲労回復。疲労回復のためには完全に休むというのも有りですが、敢えて体を軽く動かした方が血行を促進できるので良いと言われています。そのため、インターバル走やペース走といった疲労が溜まるような練習を行った翌日は、疲労を抜くために軽くジョグするのがオススメ。また、疲労抜きジョグは心肺機能やスタミナの維持にも効果的。疲れを取り除くために何日も休息をとっていると、心肺機能やスタミナが低下してしまう心配がありますが、疲労抜きジョグをしておけばそういった心配もありません。

取り組み方

疲労抜きジョグは疲労回復が目的なので、長時間走ったり、速いペースで走るのはNGです。走る時間は30分ぐらいがベストで、長くても60分以内に抑えましょう。走るペースは、ダルさを感じない程度のゆっくりペース。

疲労抜きジョグの効果
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マラソン大会へ向けて、自分に合った練習を取り入れてみよう

マラソン大会を走るランナーたち

マラソンを走るための練習はいろいろと種類があります。それぞれの練習で狙える効果に違いがありますので、それぞれのレベルや狙いに合った練習方法を取り入れてみると良いです。もちろん、人によって練習も合う合わないがあります。人によってはとても効果的な練習も、人によっては全く効果が低いという個人差もあります。そのため、いくつか練習を試しながら、自分に本当に合った練習方法というものを見つけていくというのも大事です。

サブ3やサブ4を達成したようなランナーは、いろいろな練習にトライしながら、自分に合った練習方法というのを見つけている場合が多いです。これからサブ3やサブ4を狙うような方々は、レースへ向けて色々と練習メニューを試してみて、自分に本当に合ったものを見つけましょう。また、マラソン初心者の場合は自分に合った練習方法を見つけるというのは中々難しいので、定番の練習法(ジョグ・LSD・ペース走)を中心にして、トレーニングを重ねていくと良いです。

    RUNNAL編集部

    走るをもっと楽しく、もっと快適にするためのランニングメディア「RUNNAL(ランナル)」の公式アカウント。ランナルは、健康のために、ダイエットのために、マラソン大会での自己記録更新のために走るすべての人を応援しています。

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