5000m選手におすすめの練習メニュー8選【高校生~社会人対応】

陸上長距離種目5000mで目標タイムを達成するために、自己ベストを出すために、おすすめの練習メニューを紹介させて頂きます。明確な目標タイムを掲げる人のために、14分台、15分台、16分台、17分台、18分台、19分台、それぞれの目標タイム別に練習時のペース設定も紹介しているので、是非参考にしてみてください。

5000mのタイムを縮めるためには、この3つが重要!!

乳酸性作業閾値(LT値)を引き上げ、より速いペースで走り続けられるようにする

5000mを走る選手は乳酸性作業閾値(LT値)を向上させることが、タイム短縮に大きく貢献します。乳酸性作業閾値とは、血中乳酸値が急上昇するポイントのこと。私たちが走る時、ゆったりジョギングする場合は酸素を利用してエネルギーを生み出す有酸素性エネルギー供給システムを利用しますが、競技種目のように速いペースで走る場合は、有酸素性エネルギー供給システムはもちろんのこと、糖を利用しエネルギーを生み出す解糖系というシステムも多く利用します。有酸素性はエネルギーを長く生み出すことが出来る一方、エネルギー自体はあまり大きくなく、速いペースで走る場合は即効性が高くエネルギーが大きい解糖系を多く活用します。

その解糖系の場合、大きいエネルギーを生み出し、速いスピードで走ることが出来る一方、乳酸を産生するというデメリットがあります。血中の乳酸が多くなると、筋肉の収縮力が低下し、速いスピードを長く維持出来なくなります。400mのラスト100mでガクッと足が止まってしまうのは、まさに乳酸によるもの。5000mの場合も、自分の能力以上のオーバーペースで前半走ってしまうと、乳酸の蓄積によって後半にガクッと足が止まってしまいます。

乳酸は走りはじめの段階でもエネルギーの生産過程によって産生されていますが、LT値に到達するまでは、産生された乳酸は、「産生される乳酸<分解処理される乳酸」というように、産生よりも分解処理が上回るため、レースに影響を与えません。しかし、ペースが速くなったり、レース後半になってくると、「産生される乳酸>分解処理される乳酸」となり、血液中の乳酸が増加し続け、急上昇するポイントがやってきます。それが乳酸性作業閾値(LT値)です。このLT値は日々の練習で、発生するポイントを遅らせることが出来ます。つまり、LT値を向上させることが出来れば、今までよりも速いペースで走っても乳酸が増えず、5000mで速いタイムを出すことが出来るようになります。

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最大酸素摂取量(VO2MAX)を高め、酸素によるエネルギー産生量を増やそう

乳酸性作業閾値を向上さえるとともに、最大酸素摂取量を高めることも重要。最大酸素摂取量とは、体内に酸素を取り込むことが出来る最大量のこと。5000mは糖を利用してエネルギーを生み出す解糖系のエネルギー供給システムとともに、酸素を利用してエネルギーを生み出す有酸素性のエネルギー供給システムを活用します。そのため、体内により多くの酸素を取り込むことが出来るようになれば、走るためのより多くのエネルギーを得ることが出来、5000mのタイムを向上させることが出来ます。また、最大酸素摂取量が向上すると、有酸素性のエネルギー供給システムの利用割合が増え、解糖系で利用される糖を節約することが出来るようになります。それによって、レース後半でも解糖系を利用してギアチェンジが可能になってきます。

最大酸素摂取量を高めるためには、距離走やLSDといった有酸素性トレーニングはもちろんのこと、特に強度の高いインターバルトレーニングやペース走などが効果的。

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遅筋線維・速筋線維のミトコンドリの数やサイズを向上させよう

有酸素性のエネルギー供給システムを多く活用する5000mの種目では、酸素を利用して糖質や脂肪をエネルギーに換えるミトコンドリアの存在も重要。ミトコンドリアとは筋肉細胞内にある小器官で、生命活動や運動時に欠かせないエネルギー源、ATPを生み出す役割を担っています。このミトコンドリアのサイズが大きいほど、数が多いほど、より多くのエネルギーを生み出すことが出来るため、5000mを走る選手にとっては有利となります。

ミトコンドリアのサイズを大きく、数を増やすには、有酸素性トレーニングも無酸素性トレーニングも効果的。距離走やLSDといったジョグ系トレーニングの場合は遅筋線維内のミトコンドリアの活性化に効果的。また、ショートインターバル走やレペティションといったスピード系トレーニングの場合は速筋繊維内のミトコンドリアの活性化に効果的。

5000mのタイムを縮めるためのおすすめの練習メニュー

ジョグ 40~60分

5000mを始め、長距離種目に取り組む選手の基本練習となるのがジョグ。ジョグは5000m選手の基本能力となる有酸素運動能力を磨く練習。酸素を使って糖質と脂質を分解し、走るエネルギーを生み出す有酸素運動力を磨くことで、長い距離を走るスタミナを鍛えることが出来ます。5000m選手の基本練習であり、5000m初心者にも取り組みやすい練習。

ジョグはスタミナをつける意味合い以外にも、強度の高いトレーニング(ポイント練習)を行った翌日のリカバリー目的としても効果的。また、休日明けの練習や、リフレッシュするための練習など、様々なシーンで利用出来る練習です。5000mの場合は40~60分程度のジョグがおすすめ。ペースは自分のレベルに合わせ4分~5分程度で設定すると良いでしょう。

ペース走 8000~12000m

5000mのタイムを縮める上で重要な練習となるペース走。ペース走は決まった距離を一定ペースで走り続ける練習で、5000mの核となる練習。ペース走が5000mの練習で大きな効果を発揮する主な理由は、乳酸性作業閾値(LT値)の向上に大きく貢献するため。乳酸が急上昇し始めるLT値付近のペースで走ることによって、乳酸の分解処理能力が高まりLT値を向上させることが出来ます。ペース走によってLT値が向上すれば、「ややきつい」と感じるペースが、以前よりも伸び、以前よりも速いペースで走れるようになります。5000mの場合、最初の3000mを以前よりも楽に、又はより速いペースで走れるようになるため、タイムを大幅に短縮することが出来るようになります。

 タイム8km10km12km
15:003:20/km3:25/km3:30/km
15:303:25/km3:30/km3:35/km
16:003:30/km3:35/km3:40/km
16:303:35/km3:40/km3:45/km
17:003:40/km3:45/km3:50/km
17:303:45/km3:50/km3:55/km
18:003:50/km3:55/km4:00/km
18:303:55/km4:00/km4:05/km
19:004:00/km4:05/km4:10/km
19:304:05/km4:10/km4:15/km
20:004:10/km4:15/km4:20/km

5000mのペース走は8000~12000mの距離が一般的。ペースはLT値の向上を目的とするため、自分のLT値付近のペースで走ることが大切。上記に各タイム別に目安となるペースを紹介しているので、是非参考にしてみてください。また、実際に走ってみてペースが速く最後まで同じペースで走れないような場合はペースを下方修正しましょう。逆にペースが楽に感じる場合はペースを上方修正しましょう。

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ビルドアップ走 8000~12000m

ペース走と違って、段階的にペースを引き上げていくビルドアップ走もLT値の向上に効果的な練習。また、ビルドアップ走は後半になるにつれてペースを上げていくため、5000mのレース後半の強さを鍛えるのに効果的。

 タイム最初の1km最後の1km
15:003:403:00
15:303:453:05
16:003:503:10
16:303:553:15
17:004:003:20
17:304:053:25
18:004:103:30
18:304:153:35
19:004:203:40
19:304:253:45
20:004:303:50

ビルドアップ走をする場合もペース走同様に距離は8000~12000mがおすすめ。ペースはペース走のペースを基にするのが一般的。持ちタイム15分00秒の選手が9000mのペース走を1000mごとにタイムを引き上げる設定で実施する場合、ペース走のペース(3分20秒)を軸に、最初の入りは余裕を持って走るため+20秒の3分40秒、最後はペース走よりも速いペースの-20秒の3分00秒に設定。1000mごとに5秒ペースを引き上げていきます。

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距離走 12~15km

距離を踏むことを目的としたトレーニングが距離走。長い距離を走る距離走は、有酸素運動能力を磨くのに効果的な練習。5000mの場合、糖を利用してエネルギーを生み出す解糖系のエネルギー供給システムだけでは長く走ることは出来ません。長く走るためには、長くエネルギーを生み出し続けられる有酸素性のエネルギー供給システムが重要。有酸素性のエネルギー供給システムは酸素を使って糖質や脂質を分解しエネルギーを生み出します。距離走はこの有酸素性エネルギー供給システムを向上させるのに効果的。また、脂質を利用する能力が高まれば、レース後半の余裕度を増すことが出来ます。

5000m選手の距離走は12~15kmの距離がおすすめ。1500mのタイムは良いけど、5000mは思うようなタイムが出ないという場合は距離走を積極的に取り入れてみましょう。距離走は普段のジョグよりは速いペース、かつペース走よりは遅いペースで取り組むのが最適。

LSD 90~120分

ゆっくりと時間をかけて長い距離を走る練習が、LSD(ロングスローディスタンス)。一緒に走る選手と会話を楽しめる程度の非常にゆったりとしたペースで走る練習によって、基礎的な持久力を磨くことが出来ます。遅筋線維を動員出来、遅筋線維のミトコドリアを活性化させることで、より多くのエネルギーを生み出す能力を磨け、持久力のアップにつながります。LSDは、持久性に優れた脚力作り、有酸素運動能力の強化、遅筋繊維の発達等期待出来るため、陸上長距離種目初心者にもおすすめの練習です。

LSDをする場合は、普段のペース走、さらにjogよりも遅いペースで走るのが基本。遅いペースで走ることで、接地時間を増やし持久力系の脚力、毛細血管の発達等が期待出来るわけです。普段のジョグのペースが4:00~5:00程度なら、LSDは5:00~。ジョグペースが5:00~6:00なら、LSDは6:00~。また、5000mのLSDは90~120分がおすすめ。

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ロングインターバル 1000mx5本(r400m)

速いペースで走り続けると解糖系の割合が多くなり、乳酸の産生が多くなります。乳酸の産生が多くなると、筋肉の収縮力の低下により、ペースダウンが起こります。日々のトレーニングではこの乳酸に耐えうる、乳酸の分解処理能力を高めることが大事。この能力を高めるために効果を発揮するのがインターバルトレーニング。レースペースと同等、或いはレースペースよりも速いペースで走るインターバルトレーニングはエネルギーを生み出す際に解糖系の割合が多くなり、乳酸の産生量も多くなります。インターバルトレーニングを繰り返すことで、乳酸を除去する能力を高め、より速いペースを長く維持できるようになります。

 タイムレースペース設定タイム
15:003:002:55~3:00
15:303:063:00~3:05
16:003:123:05~3:10
16:303:183:10~3:15
17:003:243:20~3:25
17:303:303:25~3:30
18:003:363:30~3:35
18:303:423:35~3:40
19:003:483:40~3:45
19:303:543:45~3:50
20:004:003:55~4:00

インターバルトレーニングは主にロングインターバルとショートインターバルの2種類。ロングインターバルとしては5000mの場合、1000mx5本(rest400m)というメニューがおすすめ。目標レースペースで5000mインターバルを5本実施出来るようになれば、目標達成が大きく近づきます。

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ショートインターバル 400mx10本(r200m)

ロングインターバル走よりも距離が短いショートインターバルはスピード強化におすすめ。特に5000mのタイムに伸び悩んでいる人の場合、ショートインターバルを積極的に実施することで伸び悩みを打破することが期待出来ます。距離が長い場合は遅筋繊維を動員するため遅筋繊維のミトコンドリアを活性出来る一方、速筋線維の動員はあまり期待出来ず速筋線維のミトコンドリアの活性にはつながりません。一方、距離の短い場合は速筋線維を動員することが出来るため、速筋線維のミトコンドリアを活性出来、スピード強化につながります。

 タイム200mx10300mx10400mx10
15:00345270
15:30365472
16:00375674
16:30385776
17:00395878
17:30406080
18:00416282
18:30426484
19:00436686
19:30446888
20:00457090

ショートインターバルはロングインターバルよりも速いペースに設定。走る距離は5000mの場合、400mが一般的ですが、200mや300mといった距離設定もおすすめ。距離が短くなればなるほど、走るペースが速くなるためスピードを効果的に鍛えることが出来ます。

レペティション 600mx7本(r10min)

急走期のあとjogで非完全休養を取るインターバルトレーニングと違って、急走期のあとは完全休養を取り、しっかり疲労が抜けた状態で再び走るのがレペティショントレーニング。レペティショントレーニングは1本1本を疲労が抜けた状態で、速く走ることが出来るため、スピード強化に効果的。ショートインターバル同様に、レペティションは1本1本のペースが速く、速筋線維を動員したトレーニングとしておすすめ。速筋繊維内のミトコンドリアを活性化させ、さらなるレベルアップが期待出来ます。

5000mのレペティショントレーニングは600mx7本、1000mx5本がおすすめ。600mはより速筋線維を動員出来、スピード強化に最適。また、レースペースより速いペースで走るため、急走期は筋肉内にたくさん乳酸が発生。強度の高い無酸素性トレーニングである、レペティションを行うことで、乳酸の処理能力が高まり、速いスピードを長く持続出来るようになります。

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RUNNAL編集部

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